池沼唯の失踪

池沼唯の失踪



唯はいつもの様に、午後3時前に養護学校の帰りのバスを降りて、帰宅する。

しかし、普通の高校生である憂はまだ学校だ。憂はいつも5時過ぎに帰宅するから、約2時間余りは唯は一人で時間を潰さないといけない。

池沼の唯は家で学校の勉強などする筈もない。
かと言って、好物のアイスを食べようにも、冷凍庫は憂の管理下にあり、南京錠で開かない様になっている。
だから、唯一人ではアイスを食べる事が出来ない!
だから家に居ても詰まらないので、近所の公園や空地へ良く行く。
しかし、池沼の唯の遊び相手など居るはずがない!
ただ、回りの子供達が遊んでいるのを見て、自分も一緒に遊んだ気になっていた。

もっともそれだけなら良いのだが、我慢が出来ず他の子供達が遊んでいる中へ強引に割り込み、一騒動起こすのが最近の常であった。
そのため、イジメの対象になることが多く、良く泣かされたり、殴られてアザを作ってきたりしていた。

もちろん憂もこのことには気付いていたが、もともとは唯が悪い部分が多い事もあって、強く抗議することが出来なかった。
また、度々コンビニでアイスの万引きをしでかして居たため、警察にも被害届けを出せずにいた。

そんな状況が続いたある日の事である。

この日は憂は試験勉強のために、友人と学校の図書館で遅くまで残っていた。
そのため、唯にはあらかじめその旨を伝え、家に居られる様に、アイスはもちろん、夕食の準備までして置いた。
こういうケースは初めてでは無く、以前にも何回かあったが、唯はちゃんと家で夕食までとっていたので、今回も一人でやっているだろうと憂は安心して試験勉強をしていた。
このように姉に少しでも自分一人でやってくれることに対して、池沼な姉の自立の訓練として憂も少しづつ効果が現れて来た!と嬉しくなっていた。

といっても、まだ不安がある憂は、無理せず、夜の7時過ぎに帰宅した。
しかし、今日は部屋の電気は真っ暗で、唯のための夕食が手付かずでテーブルに置かれたままだった。

憂「あれ?お姉ちゃんまだ帰って居ないんだ!」

更に良く見ると、学校から帰ってきた形跡が感じられ無かった!

憂「こんな遅い時間なのに、学校から帰って居ないのはおかしい!」

憂は唯が何か良からぬ事件に巻き込まれた気がし、物凄く不安に駆られた。

憂はまずなかよし学校に電話した。
唯がちゃんと学校に居たのか、そして、帰りのバスに乗ってちゃんと降りたのか?を尋ねた。

しかし、結果はいつも通りなかよし学校に来て、帰りのバスで無事にバス停で降りたとの事。ただ、またうんちを漏らして先生に叱られたが、それもいつも通りのことである。
そして、当の本人は叱られた後はケロッとしていて、キャッキャはしゃいで、すこぶる元気が良かった事も分かった。

それは嬉しい事だが、姉の唯の行方がについて何も得られ無かったので、今回ばかりはがっかりした。
それに今は姉がうんちを漏らそうが関係無い。叱りたくても唯が居ないのだ。

となると、家に戻った形跡が無いことから、バス停から家に帰る途中に寄り道をして、何か事件に巻き込まれた可能性が高い。

今回ばかりは「捜索願いを出そうか?」と思った憂だが、唯が空地で寝ていたという事もあったから、取り合えず自分で一通り探してからにしてみようと思った。

そこで、憂は姉が行きそうな場所へ探しに出かけた。
外は既に真っ暗なので懐中電燈を持って外に出た。

憂「お姉ちゃーん!」

憂は声を上げながら、まず唯が良く行く公園に行く。
さすがに、この時間ともなると誰も居ない。シーンとした中に時折吹く冷たい風がより一層憂を不安にさせる。

憂「こんな寒い中では、さすがのお姉ちゃんも寝て居られないだろうなぁ…」

しかし、憂は藁をもすがる思いで公園の隅から隅まで探す。
広いグラウンドは直ぐに確認出来るからいいが、周りにある植え込みは一々そこに行って調べなくてはならないので、かなり大変な作業である。



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   (2011.01.14-)

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最終更新:2018年01月11日 23:57