放課後ティータイム2

放課後ティータイム2



桜ヶ丘養護学校の生徒達で結成されたバンド「放課後ティータイム」をご紹介しよう。

まずはリーダーでドラム担当の田井中律さん。
交通事故で両足を失った時には、大好きなドラムができなくなると嘆いた彼女だが、
その後義足を手に入れることで、彼女に笑顔が戻った。
「自分と同じように、ハンデを背負った人たちを応援したいんだ」
そう笑って話す田井中さん。それがこのバンドを結成した理由だと言う。

ベースの秋山澪さんは全盲だ。
「目が見えない事で、演奏がやりにくいと思った事はありません」と彼女は言う。
楽譜は何度も耳で聞く事で覚えるそうだ。
恥ずかしがりやで、バンドを組むのも積極的でなかった秋山さんだが、
今では「演奏が終わって、観客の声援が聞こえた瞬間が一番嬉しい」と、誰よりも積極的になっている。

キーボードの琴吹紬さんは、ご覧の通り両腕が短い。
「私、昔からこうでしたから。自分の足が、皆さんの手のような物かしら」
琴吹さんの両足を使った見事なキーボードの演奏は、幼稚園の頃からの練習の成果なのだ。
昔から音楽が好きだった琴吹さん、手のかわりに足を使うという発想は当然の物だった。
しかし、たまに足の指がつってしまうのが悩みの種だとか。

ギターを担当するのは耳の聞こえない中野梓さん。
手話で「私はどんな音を出しているかわかっている」と伝えてくれた。
メンバーの動きでタイミングを合わせるのもお手の物だそうだ。
手話ができない他のメンバーとも、音楽で分かり合う事が出来たと中野さんは笑顔だ。

最後に紹介するのは、知的障害のある平沢唯さんだ。
彼女が一生懸命にカスタネットを叩く姿は、沢山の人を勇気づけてきた。
妹の憂さんは言う。「お姉ちゃんは天使なんです」と。
まさにその通り、唯さんの無邪気な笑顔の前には、
カスタネットが音楽のテンポに合っているかなど関係無いのかもしれない。

放課後ティータイムの次回の公演は、せせらぎ老人ホームで行われる。


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    (2011..)

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最終更新:2018年02月13日 22:00