池沼追放令
20XX年―
ユーロ危機に端を発した世界恐慌により、世界は混乱の極みにあった…
先進国では既存政党が次々と倒れ、ナショナリズムと移民排斥を訴える極右政党が政権を握り、民族対立や人種差別といった過去の火種が再燃した。
ここ日本も例外ではなく、前世紀的な全体主義が社会を覆いつつあった。
憂「これは…まずいわね…」
新聞に目を通した憂は苦い顔で呟いた。
一面には『池沼追放令成立』の文字が躍っている。
政府は役立たずの池沼から国民の財産を取り戻すと嘯き、全国の特別支援学校(通称・なかよし学校)を閉鎖、
工場労働などが可能な軽度の障害者は強制労働に従事させた。
そして止めとなるのがこの池沼追放令だった。
池沼追放令は労働ができないレベルの重度の池沼から人権を剥奪することを目的としている。
重度の池沼は人間扱いされず、奴隷のように家畜扱いもされず、理由なく殴っても蹴っても殺しても罪に問われなくなったのだ。
唯「うんたん♪うんたん♪うんたん♪うんたん♪ヽ(Q^ヽ* 三 ノ*^Q)ノ」
憂「………」
デブった身体を激しく左右に揺すり、涎を飛ばして一心不乱にカスタネットを叩いている唯は、もちろん要介護レベル5の重度の池沼である。
平和な時分から外を歩くだけで暴行を受け、気絶しない日は物心がついてから一度も無いという壮絶な人生を送ってきた唯だが、
とうとう散歩に行くだけで殺される事態まで現実味を帯びてきたのだ。
憂「あと二週間はお姉ちゃんを家の外に出すわけにはいかないわね…」
憂が所属している軽音部の先輩には大富豪のご令嬢がおり、そのツテで二週間後に海外に脱出する手はずになっていた。
実は重度の池沼である唯も連れて行くとはその場の雰囲気的に言い出せなかったのだが、先輩はいい人なので多分大丈夫だろう。
憂「うーんやっぱ買い物してこないとダメかぁ…」
冷蔵庫の在庫は心もとない。唯が外に出ないか監視する意味でもなるべく家を離れたくないのだが、
食事の量が少なければデブで短気で我慢知らずの唯はぎゃーぎゃーと騒ぎ出すだろう。
今は近所に池沼ぶりをアピールするのは危険だった。
唯「あ゛ーあ゛ー(^q^)ゆい、うんたんじょーず!こーえんいくー!三(/^q^)/」
憂「ダメよっ!」
駆けだした唯の池沼トレーナーを憂がすかさず掴んだ。
唯「んひっ(>q<)う゛ーう゛ー!ゆい、うんたんじょーずれす!こーえんでうんたん♪みんなじょーずいう!(`q´)」
憂「はいはい。お姉ちゃんがうんたん上手なのはわかったから。今日からは家で大人しくしてなきゃダメなの!」
唯「あうーゆい、うんたんじょーずでつか?(^q^)」
憂「うーん…まぁ上手ってことでいいわよ」
唯「キャッキャッキャうーい、いいこれつね~(^q^)キヒヒゆい、うんたんじょーず!\(^Q^)/」
憂「じゃあお姉ちゃん、私は買い物行ってくるけどその間お留守番できる?」
唯「かいものゆいもいくー(^q^)あいすたべる!」
買い物以外の言葉は耳に入ってないあたりがなんとも池沼である。
唯は買い物について行くたびに騒いで憂にお仕置きされているのだが、大昔にアイスを買ってもらったことをIQ25の頭でいまだに記憶しており買い物が大好きなのである。
憂「アイスも買ってきてあげるから、お姉ちゃんは行かないの!」
唯「やーの!ゆいもいくー!(`q´)」
憂「まったく…。あ、まだアイス一本だけあったわ。これあげるから大人しくしててよお願いだから」
唯「あいすおいちー(^q^)ペロペロジュルジュル」
アイスを受け取った唯は他のことなどすべて忘れてアイスにかぶりついた。
憂「はぁ…じゃあ行ってくるからね。絶対に外に出ちゃダメよ!」
改めて唯の池沼ぶりに呆れた憂がリビングを出ようとしたその時―
ブブブー!!
唯「あー!ウンチでたー!うーい、おむつかえる!(^q^)」
ドゴッ
唯「ご”へえっ(×q×)」
憂の拳が正確に鳩尾を貫き、唯は一瞬で気を失った。
憂「ふぅ…。これで安心ね」
池沼の唯が言いつけを守る保証は全くないし、かえってよかったかもと憂は思った。
唯の気絶は昼寝の意味もかねているので夕飯時に腹が減って目が覚めるまで惰眠を貪っているだろう。
買い物に行って帰ってくるぐらいの時間は十分にあるはずだった。
憂「じゃあお姉ちゃん、行ってくるわね」
憂は大の字に伸びた唯にそう告げて家を出た。
30分後―
唯「ぶんが゛あ゛”あ゛”あ゛”あ゛”ぁぁぷるうううすぴぃ゛ぃ゛い゛(-q-)」
唯は耳障り極まりないイビキをかいて爆睡していた。
同じ部屋に10分もいたら頭がおかしくなりそうな不快なイビキである。
唯「むごおおおおおおおおお(-q-)」ゴロン
ドシン!!
豚と見紛うばかりの巨体が寝返りをうつと、地震が起きたのかと思うほどの揺れが起きた。
そしてそのままゴロゴロと転がっていき…
ドン!
亀の水槽を載せた台に衝突すると、台はぐらぐらと揺れ、水槽が唯の顔の上に落下した。
唯「おぎゃああああああああああああああああああああ("q")」
ビンタやパンチ程度では意に介さず寝続ける唯もさすがに目が覚めたようだ。
唯「むひぃむひぃ("q")」
もし唯の知能指数がもう少しあったならば、ここで水槽から飛び出て床に転がった亀のために泣き叫んだかもしれない。
だが、残念ながらこの世界の唯はIQ25の池沼の中の池沼である。
唯「むふぅぅぅ(`q´)とんちゃ!ゆい、いちゃいいちゃい!とんちゃわるいこ、おしおきれす!(`q´メ)」
勝手に不機嫌になった唯は亀に責任転嫁して甲羅をボコスカと叩き始めた。
バンバンバン
唯「あうーあうー(^q^)キャッキャ」
バンバンバン
唯「ひひひ(^q^)ゆい、つおい!ゆいかった(^Q^)/」フンス
ひとしきり亀を叩いて満足した唯は傍らに転がっている汚いカスタネットに目をとめた。
唯「あー!うんたんだ!ゆい、うんたんみせる!こーえんいくー!三(/^q^)/」
したいと思ったらすぐやる。それが池沼である。
唯はカスタネットを拾い上げると、玄関に突進した。
ガチャガチャ
唯「あーう?(°q°)」
憂が鍵をかけていったので押しただけではドアは開かない。
唯「あう!ゆい、こえできるれつよ(^q^)」
唯を鍵のかかった家に置いていくと、外に出られないことにパニックになり滅茶苦茶に暴れ回ることが何度もあったので、憂が鍵の開け方を執拗に教えていたのだ。
今となっては憂の教育が裏目に出てしまった。
唯「あうー!ゆい、おそとでれまちた(^q^)パチパチパチゆい、おりこー!(^q^)/」
外に出れたことに大喜びの唯は、憂の言いつけも忘れ往来に飛び出した。
―――――
先の見えない不安と絶望的な不景気から道行く人たちの表情は暗く、俯いて歩く人ばかりだ。
唯「わたしが~ぶたさんに~なーても~さんぽーにつれてくの~?♪(^oo^)」
だが池沼現実に生きる唯には陰気に落ち葉を巻き上げる空風も社会情勢も関係ない。
大好きな90年代ポップ最大の迷曲『私が豚さんになっても』を元気に歌いながら公園へ歩いていく。
ひらがなの読み書きもできず言葉もほとんどわからない唯だが、この曲はフィーリングで理解しているのだ。
周囲の人々は突如出現した豚人間におののき、目を合わせないように足早に去って行った。
唯は一目で重度の池沼だとわかるほど醜いし、見るからに汚く凄まじい悪臭を放っているので当然なのだが、池沼追放令が成立した今となってはなおさらだ。
誰も池沼なんかのためにトラブルに巻き込まれたくはないのだ。
唯「あ゛ーあ゛ーあ゛ー!!(^q^)ヒヒヒ」
公園についた唯は注目を集めるため大きな池沼声をあげた。
この公園は今までに何度もうんたん♪を披露して暴行を受けてきた唯専用のステージである。
唯「ゆいは、ゆいでつ!18たいでつ!なかよしがっこーすみれぐみれす!とくいなものは、うんたんでつ!(^Q^)/」
唯は19歳になったしなかよし学校は閉鎖になってしまったが、これからも唯の自己紹介の中身が変わることは無いだろう。
さっそく豚のような身体を左右に揺すり、はち切れんばかりの笑顔でカスタネットを叩き始めた。
唯「うんたん♪うんたん♪うんたん♪うんたん♪ヽ(Q^ヽ* 三 ノ*^Q)ノ」
唯「あーあー!ゆい、うんたんじょーず、じょーず!(^q^)うんたん♪うんたん♪ヽ(Q^ヽ* 三 ノ*^Q)ノ」
唯「うんたん♪うんたん♪…むひぃむひぃ("q")あーう!ゆい、じょーず!あいすくだちゃい(∩^Q^)∩」
…………
唯「あう?(゚q゚)」
いつもならここで「池沼死ね!」という怒声や犬の糞が飛んできて唯を大喜びさせるのだが、今日は沈黙が帰ってくるばかりである。
最近の急速な治安の悪化により親たちは子供を外で遊ばせようとしないし、通行人は唯の前で立ち止まったりせず池沼から一秒でも早く遠ざかろうとしていた。
唯「あうー('q')あう!ゆいは、ぶたさんになりまつ!(^∞^)」
そう高らかに宣言した唯は四つんばいになり、もう一つの特技、豚さんの真似を始めた。
唯「部費!部費!ぶーぶー!ぶーぶー!!!ゆいはぶたさんだよー!(^oo^)v」
もちろん結果はさっきと同じだが、唯はめげずに全身全霊を込めて豚さんを続けた。
唯「ブ”ヒィィィィィィ!!!ブ”ヒィィィィィィン!!!ブ”ビィィィィィィン!!!」
男B「あ、アニキ、いましたぜ、多分あれが通報にあった池沼っすよ」
男A「おぉ~。ありゃまた一段とひどいなw」
二人の目つきの悪い男がニヤニヤと下卑た笑みを浮かべながら唯に近づいてきた。
恐喝や暴力はもちろん、自作自演の暴動を起こすなどダーティワークを幅広く行う政府の下部組織に所属するチンピラである。
唯「ブ”ヒィィィィィィ!!!ブ”ッヒィィィィィィ!!!!ゆいは、ゆいは、ぶたさんでつ!("oo")」
唯は男たちには気付かず、リアクションの無さに泣きそうになりながら鳴き真似を続けていた。
男A「おう池沼ちゃん、ご機嫌やなw」
唯「あう(゚oo゚)あーあー!ゆいは、ぶたさんでつ!(^oo^)」
男B「おーおー豚さん上手やったでぇ~。危うく本物の豚と間違えるとこやったわw」
唯「あうーあうー!ゆい、ぶたさんじょーず!(^Q^)/キャッキャッ ゆいじょーず、あいすよこすれす(^∞^)」
ようやく褒められた唯は飛び跳ねて喜びながらアイスをねだった。ご褒美のアイスの味を想像して唯の口からは大量の涎が垂れている。
男A「アイス?まぁアイスもええけどな、池沼ちゃん、もっといい所に行きたないか?」
唯「あう?いいとこ?(゚q゚)」
男A「あの世って所なんや。アイスもいっぱいやでぇ~w」
唯「あいす、いぱい?(゚q゚)」
男B「おぉ腹いっぱい好きなだけ食えるでw」
唯「あいすいぱい、おしおきない?(゚q゚)」
男A「当たり前やないかwいくら食ってもだーれもお仕置きなんかせぇへんで」
唯「んひぃぃぃぃぃっ!!!("q")あいす、あいすいぱい…あうあうあう("q")」ブブブー
お仕置きなしでアイスが好きなだけ食べられるという夢のような話を聞いて、興奮の余り唯の脳みそはパンク寸前になっていた。
緩んだ肛門からはウンチがモリモリと出てきてオムツが膨らんだ。
男B「くっさwこいつ糞漏らしましたでw」
男A「で、どや?行きたいやろ?w」
唯「あう!あう!あう!ゆい、あのよいくれす!!!\(*>q<*)/」
唯は首が取れんばかりの勢いで頷いた。
男A「よーし決まりや。こっちやで~w」
唯「あう…あいす…あいす…(~q~)」ブリッブリッブリッ
もはや唯の頭にはうんたん♪もうーいも無かった。山積みになったアイスだけを思い、涎とウンチを垂れ流しながら放心状態で男たちの後についていった。
男たちは唯を事務所に押し込むと、後ろ手に鍵を締めて仕事道具を手に取った。
―――――
憂「ふぅ…これだけあれば当分買い物に出る必要はないわね」
憂は大量の買い物袋を提げて家路を急いでいた。袋には唯が大好きなガリガリくんの箱がいくつも入っている。
憂「お姉ちゃん、大人しくしてたらアイスあげちゃおうかな」
家に帰ってアイスの箱を見せ、跳ねて喜ぶ唯のことを想像すると憂の口元がほころんだ。
憂「あら、何だろう」
自宅近くの小さな河川にかかる橋に来ると黒山の人だかりができていた。
「江戸時代じゃあるまいし…」
「近所で有名な池沼だったらしいよ」
「池沼じゃしょうがない…のかなぁ…」
憂(池沼って…まさか…)
頭のどこかで警報が鳴り響き背中に嫌な汗が流れた。憂は買い物袋を地面に放り出し、人だかりに駆け寄った。
憂「あぁっ…お姉ちゃん…そんな…」
人垣をかき分けた先で憂が見たものは、ほんの数時間前まで元気にウンチを漏らしていた姉・唯の変わり果てた姿だった…
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|| おわり
最終更新:2017年03月15日 23:23