池沼唯って何?-災害的池沼-
純「池沼唯ってなに?」
憂「えっ?……ちょっとわかんないかなぁ」
わからないはずがない、池沼唯は憂の姉だからだ。
でも憂はとっさに姉の存在を隠してしまった。
憂「いきなりどうしたの?」
純「や、そこに書いてあるからさ」
拙い文字で池沼唯にご注意とデカデカと書いてあった。
憂「ゲームか何かのキャラクターじゃないかな?」
純「そうかも!帰ったら調べてみよーっと」
とりあえずこの場をやり過ごしホッと憂は胸を撫で下ろしたが、不幸にもそれは来た。
池沼唯「うーい!うーい!(^p^)」
憂(えっ!?お姉ちゃん!?)
純「何あれ?人間?」
たまたま池沼唯はこの近くの公園で遊んでいた。
不意に現れて周りを不幸にするその存在は、もはや災害級と言っても過言ではない。
そのdisaster唯は、時々転びそうになりながら確実に憂に近づいて来た。
純「う、憂……、呼ばれてるみたいだけど……」
憂「し、知らないよ!それよりさ、今日はこっちの道通らない?」
純「別にいいけど、何で早歩き?」
早くその場から離れようとした憂は、脇道に入って無視しようとした。
池沼唯「うーい!(^p^)/」
憂「いたっ!」
だが池沼唯は意外と早かった。
憂の後ろからタックルするように抱きついて来た。
走って来たために滝のように流れる汗、それに加えて鼻水とよだれが、憂の制服に付着した。
純「う、憂の知り合い?」
憂「うん……」
純は腰が引けていた。
池沼唯は抱きついて離れそうにない。
しぶしぶ憂は白状した。
純「だよね、知らない人に抱きつくわけないもんね……、ごめん憂、私帰るね」
──────
いつも池沼唯が関わるとこうだ。
和ちゃんだって、世話係になってクラスで孤立した。
中学で学校から池沼唯を無理やり入部させられた部活だって、今年廃部になった。
人の幸運を食ってこいつはプクプク太ってく。
みんな口には出さないがそんな池沼唯が憎くて憎くてしょうがない。
憂はそんな人間の一人だった
池沼唯がいるから姉妹共々親に捨てられて。
幼いのに、池沼唯の身の回りの世話をさせられたり。
多分一番近くにいた分、一番被害を被ったのだろう。
物心ついた時には周りに池沼唯しかいなかった。
純が最後の友達だったのだ。
その純すらもこの池沼唯のせいで、離れていった。
憂「離して!!」
池沼唯「あぅ?(゚p゚)」
憂は大きく身をよじって、池沼唯から離れた。
憂「気持ち悪いのよ!」
池沼唯「うーぃ('p')」
憂「近づかないで!!」
再び近づこうとする池沼唯に、怒鳴った。
池沼唯「うーぃ、ごめんなたい("p")」
憂「悪いと思うなら私の前から消えて!私の目の届かないどっかに!!」
憂は泣いていた。
悲しいからではない。
今までの不満を全てを爆発させ、感情が怒りでごちゃごちゃになっているのだ。
日の落ちて、少し影のさした路地に憂の怒号が響く。
憂「はやくどっか行けって言ってんのよ!!」
憂は近くに落ちていた空き缶を池沼唯の方に蹴り飛ばした。
池沼唯「う、うーぃ(;p;)」
空き缶は池沼唯には当たらず、秋の風を切ってどっかに行ってしまった。
それでも池沼唯には十分な威嚇になったようで、池沼唯はトボトボと、時折振り返りながら秋の夕闇に消えていった。
憂(そうだ、これでよかったんだ)
荒れた息を整えながら、自分を肯定する言葉を並べた。
憂(それより純ちゃん、いつも通り接してくれるかな?はぁ、明日やだな)
その日憂は唯のことは忘れて、明日の不安を抱えて眠りについた。
==おわり==
最終更新:2017年03月15日 23:24