池沼唯の地獄流し
夏なので地獄少女とのクロスオーバー書きました。
一応未見の人にも通じるようには書きましたがクロスオーバーなのでご注意を……。
先日、ついに姉が人を殺した。
殺されたのは姉と同じ軽音楽部員であり、私の数少ない友人の一人である中野梓ちゃんだ。
私はその場にいなかったが、後に話を聞く限り、どうやら部活中、真面目に練習もせずにお菓子やアイスをねだり、ギターを着せ替え人形にしていた姉を見かねて注意した梓ちゃんに怒った姉は、お仕置きだと称してギターで殴ったそうだ。
極度の肥満体で大柄な姉から繰り出される一撃を、小さな梓ちゃんの体は耐えられなかった。
姉は梓ちゃんが頭から血を流して倒れた後も「ゆいつおい(^q^)」とキャッキャとはしゃいでいたそうだ。
すぐに軽音楽部の皆さんが先生と救急車を呼び、その場で出来る限りの応急手当をしたが、その後梓ちゃんが再び目をさますことはなかった。
私は頭が真っ白になった。
姉の事はもともと好きではなかった。池沼だからではない。姉は、池沼な上に性格も歪んでいた。怠惰で傲慢で、常に自分勝手で、他人の気持ちなど一切わからない姉。
歳を重ねるごとに醜く肥え太るとともに、悪辣さも増していく姉を私はずっと疎ましく思っていた。
しかしそれでも姉を見捨てなかったのは、幼いころに両親が自殺した私に残る唯一の肉親だからだ。そのか細い絆だけが私と姉をつなぐ唯一のものだった。
しかし今ではこの獣を野放しにしていた事を悔いている。
姉が梓ちゃんを殺してから、私は孤独になった。
学校では多くの人が私を存在しないかのように振る舞った。残りの人は、私に対して攻撃を始めた。
これは当然の報いだと思っている。むしろ姉を野放しにしていた私の罪にしては軽すぎるほうだろう。
それでも私は軽音楽部の皆さんに謝罪をしたかった。
しかし、誰ひとりとして謝罪を受け取ってくれるものはいなかった。
律さんには「憂ちゃんのせいじゃないのはわかってる。けど今は会いたくない」と拒否された。
澪さんは、その時梓ちゃんの傍にいながら、守れなかった自分を責め続けて部屋にこもっている。
紬さんとは連絡も取れず、家を尋ねても追い返されてしまった。
もう私は誰にも頼れない。心の拠り所の無くなった私は自分を責め続けるしか無かった。
姉は精神病院へ強制入院となった。刑事罰は問われなかった。
姉くらいの重度の池沼では、責任能力は問えないと判断されたのだ。
実際、事件の後姉に梓ちゃんを殺したことを問い詰めても、「あーう! あずなんちんだれすか!('q') あずなんわるいこ!(^q^)」とわけのわからないことを言うばかりで、自分のしたことを理解していないようだった。
姉は法律では裁けない。その事が周りの私達への風当たりをさらに強くした。
家には「殺人鬼」、「池沼」、「悪魔」といった落書きや張り紙がされ、生ゴミや動物の死骸が投げ入れている。最初のうちは綺麗にしていたが、いくら片付けても翌日には元通りに戻っているので最近はもう諦めてそのままにしている。
学校へ行けば、机や黒板には家と同じような誹謗中傷の落書きがされ、教科書などの私物は全てなくなるか、落書きされてボロボロにされているかのどちらかだった。下駄箱はゴミ箱になっていた。
これも私の罪と受け入れ過ごしてきた。
ある日、学校の帰りに見知らぬ男達に無理矢理車の中に押し込まれ、連れて行かれた場所で私は輪姦された。
男たちは携帯電話を開き、とあるインターネットのページを見せながら、「お前の姉は人殺しだ。妹であるお前が報いを受けるのは当然だ」と言った。
そのページには、姉と私の個人情報や顔写真が姉のこれまでの悪行と共に詳細に綴られていた。
姉は未成年であり、池沼であったために名前や顔はテレビでは公開されていなかったが、インターネット上には既にあちこちに出回っていたのだ。
ボロボロの体のまま家に帰った私は、シャワーを浴びた後いつものように簡単に食事を済ませた。
洗い物をしている時、私は学校で聞いたある噂を思い出していた。深夜0時に、「地獄通信」と呼ばれるホームページにアクセスし、恨みを晴らしたい人の名前を書くと、地獄少女が現れて地獄に送ってくれる。というありがちな都市伝説だった。
その後、自室でパソコンを開き、インターネットをしていた。しばらくして午前0時を回ったのを確認して、ある一つのホームページにアクセスした。
真っ黒の背景に、「あなたの怨み、晴らします。」と書かれ、その下には入力フォームと送信ボタンだけがあるページだった。
私はそのフォームに姉の名前を入力し、送信をクリックした。
直後に、私の部屋であったはずの場所は、見知らぬ場所となり、一人の少女が現れた。
澪さんに似た黒く長い髪にセーラー服を着た、日本人形のような少女だった。
その子は学校で噂になっていた、地獄少女だった。半信半疑だったが、どうやら噂は本当だったようだ。
地獄少女は私に藁人形を渡して、地獄送りについて説明された後どこかに消えてしまった。
曰く、藁人形の糸を解けば姉を地獄に流せるが、糸を解けば私自身も死後地獄に落ち、永遠に苦しみ続けるそうだ。
翌日、私は姉に面会しに行った。
梓ちゃんの事を反省しているか尋ねたが、姉は何も変わらず、自分が良い子であるという主張と、アイスをねだるという事を繰り返すばかりだった。
「お姉ちゃん、先に地獄で待っててね」
私は迷いなく、その糸を引いた。
どこからか、「怨み、聞き届けたり」と声が聞こえてきた。
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「あーう、ここどこでつか?('q')」
唯は自宅の近所の公園を歩いていた。
入院させられる前は毎日のように通い、いじめられていた場所だが、唯は既に忘れているようだ。
唯の世界はもはや、精神病院の狭い病室の一室だけになっていた。
「あう! ぎーた、ぎーたでつ!(^q^)」
公園にはギターが落ちていた。以前唯が着せ替え人形にし、中野梓を殺した凶器にもなったギターだ。
唯はギターの傍にかけよると、そこには同じように以前唯が愛用していたカスタネットや、豚の弁当箱も落ちていた。
「うんたん! ぶーぶー!(゚q゚) ゆいにあいにきたでつか! いいこでつね~(^q^)」
唯はギターを手に取ると、いつものようにうんたん♪するためにストラップを肩に掛けて構えた。
「ぎーた、ゆいとうんたん♪ちましょーね!(^q^) みーな、ゆいのうんたん♪きく!(^q^)」
そして「うんたん♪(^q^)」と第一声を発しようとするが、その声は発せられることなく、後頭部に鈍い痛みが走った。
「いちゃい!(>q<)」
唯は何が起こったかわからず、辺りを見回すが、公園には唯しかいなく、何が起こったか唯は理解できなかった。
「あーう('q')」
考えてもわからないので再びうんたん♪しようとすると、今度は顎に衝撃が走った。
「ゔーゔー(`q´)」
唯は思い通りにうんたん♪できず、不機嫌になっていった。怒って唸り声を上げるも、反応はなくシーンとした静寂しか帰ってこない。
唯が周りを威嚇していると、落ちていたカスタネットや豚の弁当箱が勝手に動き出し、唯を攻撃し始めた。
「いちゃ、ゆいいちゃい!(゚q゚#) うんたん、ぶーぶーやめる! ゆいぶつだめー!("q"#)」
いくら唯が叫んでもカスタネットや弁当箱はやめることはなく、何度も唯にぶつかっていった。
「あ゙ー! あ゙ー! うんたん、ぶーぶわるいこ! おしおきでつよ!(#`Д´#)」
唯はギターを構え、カスタネットや弁当箱に攻撃しようとするが、今度はギターが勝手に動き出し、唯の頭を殴打した。
「ぎゃああああああああああああ(#@q☆#)」
「どしてゆいぶつれす!? ゆいよいこ! やめる!(#"q"#)」
何故自分が殴られるかわからない唯は、頭をかばうように抱えながら喚き散らすが、ギターたちは応じることがなく攻撃を続けている。
ギターの一撃が唯の右腕をへし折り、カスタネットは左腕を潰した。弁当箱は足を食いちぎった。
唯の四肢は砂糖菓子のようにいとも簡単にボロボロと崩れ去り、醜い達磨のような姿になってしまった。
「やめちぇ……ゆいなーもちてない……(#TqT#)」
この期に及んでも、唯は自分の罪を認めようとしていない。いや、唯は既に自分が何をしたかも忘れてしまっていた。
唯が感じているのは、何もしていない良い子の自分が何故このような責め苦を受けなければならないのかという理不尽さだけだった。
「しただろ。いつも周りに迷惑をかけてきただろ」
唯が涙を流しながら懇願していると、どこからともなく一人の男が現れた。長い前髪で片目を隠した美青年だ。
男が合図すると、唯の目の前の空間に映像が現れた。唯が小さい子からアイスを奪い取る映像や、学校で漏らして周りを困らせている映像だった。
「ゆいよいこ! みーなゆいほめる! ゆいなーもしてない!(#"q"#)」
それを見てもなお、唯は自分が良い子だと主張して憚らない。
「妹を苦しめたじゃないかい」
女が現れて唯に言う。まるで花魁の様に着物を着崩す、妖艶な美女だ。
同時に再び映像が現れた。今度は唯の吐瀉物と排泄物を掃除する憂の姿と、その傍らに全裸で脳天気に豚の真似をする醜い唯が写っていた。
「ゆいわるくない! ゆいよいこ! うーいがわるいこでつ!(#`q´#)」
「後輩を殺しただろ」
老人が現れて唯に冷たく言い放った。和装を上品に着こなす禿頭の老人だ。
老人は唯に向けて数発の火の玉を放った。
火の玉は唯に命中し、唯を数m吹き飛ばした。吹き飛ばされた先には人影があった。
375池沼唯の地獄流し2017/07/05(水) 02:42:59.50ID:ZOVwIKRq0
「唯先輩……痛いですよ……ギターで殴られると、人は死ぬんですよ……」
それは頭から血を流し、虚ろな表情をしている梓だった。
「あ、あずなん……(^q^;)」
いつも脳天気な唯もその尋常でない雰囲気を感じ取ったのか、唯は逃げ出そうとした。
しかし四肢のない唯では動くことは出来ず、芋虫のようにただ体をうねらせるできなかった。
「唯先輩……私もっと生きたかった……」
梓はギターを頭の上まで大きく構えると、唯の頭に向かって振り下ろした。
「んぎゃあああああああ(#@q☆#) てんてんいちゃい! ゆいあやまりまつ! ゆいわるいこ! ごめんなたい!(#×q×#)」
醜い悲鳴を上げ、ついに謝罪の言葉を口にするが、それも構わずに梓はギターで唯を殴打している。
唯は何度も「ごめんなたい、ごめんなたい!(#"q"#)」と口にしながら、のたうち回っている。
暴行中、突然唯は叫び始めた。
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁーーーーーー!!!!(#`∞´#) ゆいよいこ! ゆいなーもしてないの! みーなゆいいじめるわるいこ! しーね! しーーーーーーーーーねーーーーーー!!!(#`pq´#)」
「だってさ、お嬢」
男がそう言うと、長い黒髪の少女が現れた。地獄少女だ。
憂の前に現れたときとは違い、菊柄の黒い振袖を着ている。
「闇に惑いし哀れな影よ。人を傷つけ貶めて 罪に溺れし業の魂」
「いっぺん、死んでみる?」
「やああああああああああああああ!(#×q×#)」
地獄少女がその右手を水平に上げると、チリンチリン、と鈴の音が鳴り、唯の体は完全に闇に飲まれていった。
そして場面は代わり、地獄の渡し船の上に唯と地獄少女はいる。
「ゆいよいこれす……みーなゆいつきでつ……あいすいぱい……("oo")」
横たわった四肢のない唯はうわ言のようにつぶやき続けていた。
「これから先、あなたは何も食べられない。一生お仕置きされ続けるのよ」
船頭の地獄少女は冷たくそう言うと、お仕置きという言葉に反応した唯が暴れだした。
「おしおきだめー! おしおきやめる! ゆい、あやまりまつ! ごめんなたい! おしおきやれす……うーい……たちゅけて……("oo")」
「この怨み、地獄へ流します」
唯は、地獄へ行った。
憂は洗面所の鏡に自分の胸を映していた。そこには、地獄流しの証である刻印が刻まれてる。
「お姉ちゃん……待っててね。私が地獄に行ったら、またいっぱいお仕置きするから」
(lll´q`)おしまい(-q-lll)
最終更新:2017年08月15日 08:29