身長:152cm 体重:42kg 誕生日:不明 血液型:不明 趣味、特技:木登り #contents アンソロ2巻にも登場している、本家SAGA1からの古参キャラ。この蒼狼はSAGA1のカードである。 初出は『天蠍宮の宿命』 もちろんはいてません。それどころかsaga1ではパワーアップする度に脱げていき最強形態では全裸に首輪だけに。 saga2では2段にブレイクする際に服を着込んだが、3段ではやはり全裸に首輪だけに。 saga1の2段、3段の大きさが嘘のように、それ以外では平たくなっている。 ちなみに原作者中井まれかつさんのお気に入りキャラである。 ---- 70 名前: 藤咲 投稿日: 02/10/21 22:33 ID:??? **リルとわんこ 「雨やまないかな・・・」 今日フェンリルは美鈴に頼まれて夕飯のお使いに行った。 肉屋の店長が「お利口だね」と牛骨(安全なやつ)をおまけしてもらったところまでは良かった・・・が、その後雨に降られ公園の屋根の下で身動きが取れなくなった。 この公園を抜ければすぐ家だけど、ご主人様に頼まれた本を濡らしてしまうといけないので無理は出来なかった。 「くぅ~ん」 「!?」 突然、座っているベンチの下からか細い鳴き声が聞こえてきた。 急いで下を覗き込むと段ボール箱に入った一匹の子犬がいた。 「捨て犬か・・・」 段ボール箱を引き出して中を見てみると薄汚い毛布が子犬と一緒に入っていた。 子犬は見るからに衰弱していてこのまま放っておけば・・・。 「・・・・・・」 何故か見捨てることは出来ず、毛布に子犬を包むと脇に抱え家である神社に向かって駆け出した・・・。 「う~ん、大丈夫ですぅ。すぐに良くなりますよ♪」 神社に着くとすぐにそっち関係に詳しそうなディーナに診てもらった。 幸い白魔法を使うまでもなく充分な栄養を与えればすぐによくなるそうだ。 「ありがとう・・・」 安らかな寝息を立てている子犬を見ると自然と頬が緩んだ・・・。 「ふ~ん、コイツが拾ってきた子犬か・・中々賢そうだな」 ご主人様が優しそうな表情で子犬の頭を撫でている。 「それで・・・あの・・・・・・此処においてもいい?」 こんなこと許してもらえるか不安だったけど、美鈴に後押しされて口にしてみた。 「いいよ。今更1匹や2匹増えても変わらないしな」 ご主人様はフェンリル、ブランシュ、秋緒を交互に見て苦笑いをした。 「子犬と一緒にするなよ・・・」 秋緒は小さな声で不満をもらしたが誰も気にしなかった。 「・・・・・・がう?」 夜布団の中でうとうとしていると何かがフェンリルの布団の中に潜り込んできた。 「くぅ~ん」 子犬だった。 何を思ったのか鼻を擦り付けて甘えてきた。 「がう・・・・・・」 追い出すわけにもいかなかったので潰さないように優しく抱きしめて目を閉じた。 ・・・そう言えばフェンリルも昔捨てられたんだっけ。 だから捨て犬の気持ちはよく分かる。 どうして、なんで、何がいけなかったの? 1人で彷徨っている間ずっと考えていた・・捨てられた理由を。 でも・・・答えが見つかる前に今のご主人様に拾われた。 この子犬は自分と同じだ・・・だから放って置けなかったんだ。 混迷を極めるこの戦いの中、自分もいつ何時一人ぼっちに戻るか分からない。 もしも生き抜いたとしても生命サイクルの違うご主人様と一緒にいられるのは・・・。 だからこそ今を大事にしたい! 何の因果か巡り会ったみんなと一緒にいる今を。 「・・・お前もフェンリルの仲間」 「くぅん?」 急に話し掛けられて不思議そうな顔をする子犬の温もりを感じつつ眠りに落ちた・・・。 「あれ、何かしら?」 美鈴はフェンリルが買って来た買い物袋に入っている紙袋を見つけた。 「本ですね。題名は・・・(ドサッ)」 床に落ちた本の題名「堕とされし巫女-巫女さん凌辱決定版-」「ミミっ子大好き♪」「調教新書」「新撰組惨殺録」「にゅうたいぷ11月号」「明日の献立」・・・。 ---- **フェンリルの一日 「・・・がう、起きるか」 フェンリルの一日は陽が昇る前に始まる。 今日は境内の掃除当番の日なので手早く巫女装束を身に付け草履をはき竹箒を持って外に出る。 別に参拝者が来るわけでもなくわざわざ着替える必要もないのだが、マインドブレイカー(以下;MB)に着るように言われたので大人しく従っている。 巫女装束と言うことで下着を着けなくてもよいのは本人にとって嬉しいようだ。 「・・・朝から嫌なものを見た」 「それはこっちの台詞よ!」 たまたま社務所の前を掃除している鹿島栞と出くわし、双方の間に微妙な緊張が生まれた。 「ふんっ」 だがフェンリルは栞との戦いよりも掃除を優先し足早にその場を去った。 もし掃除より栞との戦いを優先したら美鈴に朝食を抜かれるからだ。 「♪~」 持ち場に着くと鼻歌交じりで竹箒を動かし落ち葉を集める。 うねうねと揺れる尻尾がフェンリルの機嫌が良い事を示している。 昨晩のMBとの熱い夜を思い出しているようだ。 掃除を終え食卓に着くとすぐに美鈴が朝食を運んできた。 基本的に阿羅耶識系が作る朝食は和食であり、それ以外の場合は洋食である。 フェンリルは箸を器用に使い塩鮭の身をほぐす。 栞に馬鹿にされので美鈴に教えを請い、骨がいかれる寸前まで特訓を行い体得したのである。 「あ~ん♪」 「あぁ、んぐんぐ」 今ではこうしてMBに食べさすことも出来る・・・むしろこの為か。 食事を終えると湯上谷舞のお下がりのセーラー服を着て登校する。 この時ばかりは下着を着ける・・・尻尾が上がるたびにスカートがめくれてしい、中身が見えてしまうからだ。 「・・・準備、おっけぃ」 「いざ尋常に・・・勝負!」 毎朝恒例の栞との学校までの競争が始まった。 フェンリルは神社の階段を一気に飛び降りると極端な前傾姿勢で駆ける。 流石に四足走行はしないものの、尻尾でバランスを取りティラノサウルスを思わせる走りを見せる。 対する栞も自慢の脚力を発揮し互角の勝負を繰り広げる。 途中で寝ぼけ眼のミナ・アグリッパを背負いローラーブレードを装着した舞も争いに加わり、校内でトトカルチョが行われるほどの名勝負が繰り広げられる。 「やりぃ!これで新しいティーセットが買える♪」 「葦原さん、校内での賭博は校則違反です!」 「やばっ、美由貴っちだ!」 葦原瑞穂と生徒会長の相楽美由貴とのいたちごっこも既に朝の定番だ。 体育の時間は数ヶ月前まで尻尾用の穴あきスクール水着を着た水泳の授業だったが、秋も深まり尻尾用の穴あきブルマーをはいて汗を流す。 「フェンリルちゃん、速いよ~」 「壱与、遅い」 水泳は得意な美作壱与だったが陸上は苦手であり、フェンリルとの二人三脚は上手くいかなかった。 ドテッ! 「あう・・・痛いよ」 「これで10回目」 昼食は普通美鈴かディーナ・ウィザースプーンが作った弁当を持っていくが、忙しくて作れなかった場合は夜羽子・アシュレイらと共に学食を利用するが、お腹が空いていない時はソフィエルを脅して生野菜を入手し飢えをしのぐ。 「ソフィ・・・」 「ま、またですか!?」 ソフィは思わず腰を引く・・・当然の反応だ。 「いや、たまにはお返し」 そう言ってフェンリルはソフィに毛がふさふさした物体を渡した。 「それじゃ」 「・・・この子どうしよう」 フェンリルの後姿を眺めながらソフィは子猫を抱きかかえ途方に暮れた。 「に~♪」 自習の時は決まって屋上で昼寝をする・・・たまに先客もいたりするが。 「光、サボリはよくないぞ」 「お前だってそうだろ?」 「フェンリルは自習」 「なら、私もだ」 東海林光は給水タンクの上でカバーの付いた本を読んでいた。 中身は甘々な恋愛小説だったりする。 読書中には普段絶対見せない優しげな表情も覗かせたりする。 放課後には飼育小屋で藤宮真由美を手伝いウサギに餌をやる。 「・・・たくさん食べろよ」 「フェンリルちゃん、このウサギは食べないでね」 「がう・・・あっ、望、お前もやる?」 フェンリルはウサギに餌をあげたくてうずうずしている結城望に声を掛けた。 「うんっ!」 望は喜んでフェンリルからレタスを受け取りウサギに餌をやる。 実際はそうでもないのだが見方によってはウサギも可愛い。 「ウギウギ大きく育ってね♪」 学校帰りにはゲー○ーズでハイブリッドな猫耳メイド姿でバイトをしたり、公園でブランシュと鯛焼きを買って食べたりする。 「アイツ見かけない・・・」 「・・・がう。でも生きている匂いはする」 2人?は前に会った少女の事を思い出し少ししんみりしていた。 そして夜にはMBや仲間達と共に戦場へ赴く。 儚すぎる理想の為、ちっぽけな幸せの為、そして・・・。 立ち止まることはしない、ただ駆け抜けるのみ。 それが自分が倒してきた者に対する唯一の手向けだから・・・。 ---- **『想い』 ◆BFOWkKD/Sw ――― ずっと、独りだと思ってた。これまでもそうだったし、これからもそうだと思ってた。 『彼』に会うまでは。 『…なんだって、こんな場所にいるんだ?』 そう言って手を差し伸べてきたこの人の表情を、未だに忘れる事が出来ない。それにそんな事を言われたのは初めてだったので、思わず私はその手を取っていた。 この人は私のことを支配しなかったけど、他のマインドブレイカーに支配させる事もしなかった。 でも――― 。 「あなたは気付いてないけど――― フェンリルはもう、あなた無しじゃダメなんだから―――」 声に出して言う。 何時からかはわからなかったけど、そうなってた。もう――― 離れたくない。…今は寝てるけど。 私は――― フェンリルは、この人に『支配』されてる。そしてこの思いは、私を繋ぐグレイプニル。 それでも構わない。十分幸せなんだから、構うもんか。 普段はお互いに軽口を言い合ったり、ワガママを言ったりもするが――― この人の命令なら、私はどんなことでもするつもり。 でもたぶん、この人は命令なんてしない。…とても、優しいから。 そっと、彼の頭を撫でる。唇を――― 『蒼狼』ではなく『フェンリル』を受け入れ、可愛いといってくれた唇をなぞり、私は微笑んだ。 「カワイー…」 気持ち良さそうな寝顔。見てるこっちが幸せな気分に浸りながらも指を滑らせる。――― ざり。 …あれ? 「……ブショーヒゲ…」 思わず笑いがこみ上げてくる。そういえば、この人最近徹夜続きだったっけ…。したの、寝る前だったけど…大丈夫かな? 数時間前のことを思い出すと、頬が熱くなってくるのがわかった。なんだか悔しいので、無精ひげをじょりじょりやってみる。 …意外と、気持ちいいかも…。 そう感じたので、もう暫く手を動かしている事にする。…にしてもホント、よく寝る。ひょっとしたら…このまま起きないんじゃないのかな? 不意に、そんな考えがよぎった。 ――― そんな事ない。解ってても、少し怖くなる。だから、私は彼を揺すった。 「ねー、おきて~」 ゆさゆさ。 「ねぇ、おきてってば」 ゆさゆさ、ゆさゆさ。 「がう~……」 ぐに、と彼の両頬をつまみ、引き伸ばす。もちろん、手加減はしている。本気でやったら、この人死んじゃうし。 でも、それでも起きない。ただ寝言でなんかうめいてるだけ。………むか。 「お、き、て、よぉ~~~~っ!」 『エフェクト』を使う時の応用で、少しだけ「ちから」を乗せて大声で呼んでみる。…流石にやりすぎたかな…? 「……ねぇ?」 もう一度小さく揺すると、彼はやっと目を開いてくれた。 私とは違う、漆黒の目。彼はその目で、どんなものを見てるんだろう。私だけを見てくれないかな? 「……んあ」 「あ、やっと起きた♪おはよっ♪」 「ん…ああ…。おはよ、フェンリル」 どこにでもある、おはようの挨拶。こんなささやかなことでも、胸がぽかぽかしてくるから…不思議。 「♪」 たまらなくなり、私は彼に抱きついた。 「っ…フェンリル!抱きつく前に服を着ろっ!つーかせめて下着くらいつけろっ」 「フェンリル、あんな小さな布いらない」 彼のほそい胸におでこを押し付け、言う。だって、邪魔なんだもん。 「んっ…」 今、フェンリルはとっても幸せ。 ―――ずっと、独りだと思ってた。今まではそうだったし、これからもそうだと思ってた。 でも、今は違う。この人が、いつもとなりに居てくれる。 これからは、二人で歩いてくんだ。 ~ fin ~ ---- 105 :名無しんぼ@お腹いっぱい:04/12/28 12:34:50 ID:9GtIuypt フェンリルってそれなりにいろいろなところで出てるけど 全てで性格違うのな アクエリではよくあることではあるけど・・・ メガミで3回アンソロとビギナーズインストラクターくらいだっけ。