アットウィキロゴ

part4-3

#



423 :名無したんはエロカワイイ :sage :2007/11/21(水) 23:05:56 ID:vFrU5nEr0(2)
「さすがに高級地鶏は味が違いますね。プロデューサーさんには感謝ですね」
「色からして違いますからね。小鳥さんに頼んで正解でした」
鍋を挟んで対面に座る彼の言葉に小鳥も同意する。
彼の実家から送られてきた名門料亭高級地鶏水炊きセット二人分。
アイドルの中から誰かを招待するのは問題だし、男同士で鍋を食べるのは不毛だ。
「でもプロデューサーさんから『俺の家に来て下さい』と言われた時は驚きました」
「すいません。順序立てて言うべきでした」
そこで唯一の選択肢として浮上したのが小鳥であった。さすがに社長と自宅で鍋は嫌すぎる。
「いやぁ、鍋は大勢で囲む物だと思っていましたけど、二人で食べてもいいですね」
「会社の飲み会でのお鍋は賑やかですからね。二人で食べるのは気心知れた相手とだけですから」
彼にそう答えつつ小鳥は思う。私と二人だから楽しいと思っていてくれたら、と。
二人で鍋を食べるのは親しい人とだけ。少なくとも小鳥は他の男性と二人で鍋を食べたことはない。
「そうですね。小鳥さんくらいですよ、俺も一緒に鍋を食べる女性は」
「あら、あの娘達とは行っていないんですか?」
彼の言葉に小鳥は首を傾げる。アイドル達と彼はよく食事をしている。
スケジュールの都合上なのだが・・・・・・二人で鍋を突くこともあると思っていた。
「鍋はゆっくりと食べるものじゃないですか。そんな時間は・・・・・・書類は溜まるし」
「スケジュールが詰まってましたからね。さすが敏腕プロデューサーさん♪」
小鳥の言葉に机の上に積んである紙束を思い出して彼はため息をつく。
「落ち込まないで下さい。残り少しですからうどんを入れますね?」
「お願いします。すいません、ご飯がなくって」
水で解したうどんを入れつつ小鳥は苦笑する。確かにお米がないのには驚いた。
以前に来た時から残り少ないと思っていたが、なくなったら買わずに外食していたとは。
「お店でばかりだと栄養が偏りますよ。注文は好物だけでしょ?」
「分かりますか?」
「分かりますよ。あまり偏った食生活だと押し掛け女房しちゃいますよ♪」
彼の言葉に苦笑する。そして、幾分かの本気を込めて言ってみる。
「小鳥さんなら大歓迎ですよ」
「あ、言いましたね? 本気にしますからね♪ はい、おうどんが煮えました」
彼の言葉に小鳥は思わず明るい声が出る。女性として見てくれているのが分かったのは大収穫。
「ふう、洗い物終わり・・・・・・寝ちゃってる」
洗い物を終え戻ってくると彼はこたつで横になって寝てしまっていた。
「う~ん、風邪は引かないと思うけど、起こすのは可哀相だし・・・・・・」
こたつ布団に入っていない上半身に布団を掛けてあげ、時計を見ると一一時。
一人で帰るには遅い時間だ。車で送ってくれるはずだったのだが・・・・・・。
そのまま狭いのを無理やり彼の横に入って自分も寝ころぶ。
「早く起きて下さいよ。きゃっ」
頬を突きながら言ったのが悪かったのか彼に抱き寄せられる。
「ちょっとプロデューサーさん、心構えが、いや、そうでなくて」
自分で自分の言っていることに呆れながら彼を見ると寝たまま。
それはそうだ。もし、これくらいの積極性があれば、もっと違う現在を迎えている。
「もう。誰にでもやっていたら、怒りますからね」
小鳥は諦めて上着を脱ぎ、彼の腕を枕にする。熟睡状態の彼を起こすのが無理なのは経験済みだ。
リモコンで電気を保安球にして、裸足になり、寝る体制を整える。
「お休みなさい、プロデューサーさん」

「すいません、本当にすいません」
「もういいですから。時間がありませんよ」
目を覚ました途端から謝罪し続ける彼にそう言って、小鳥は朝ご飯の後片付けをする。
今回もお泊まりになるのだが・・・・・・小鳥的には何か違うと思う。
「それにあの時間から帰っても大変ですから。鍵は後でお返ししますね。あ、忘れ物」
「え、あ、車の鍵」
慌てて出ようとした彼に車の鍵を渡し・・・・・・今回も頬にキスをしておく。
「こ、小鳥さん!?」
「謝ってばかりで朝の挨拶をしてないから挨拶代わりです♪ いってらっしゃい」
小鳥の言葉に彼は何か言い返そうとしたがすぐに部屋を出て行った。
「もう、本当に押し掛けちゃおうかな♪」
そう言いつつ小鳥は自分の唇に手を当てる。彼からしてもらえる日は来ると信じて。

よう、相棒。まだコンビニ弁当を食ってるか?
#

482 :名無したんはエロカワイイ :sage :2007/11/23(金) 22:37:19 ID:n7k7jhtg0(2)
「う~ん、これで給料の計算も終わり。さて、遅くなったけど、お昼にしようかな」
そう言いながら一人の事務所で小鳥は体を解す。
「ふう、やっぱり座りっぱなしだと辛いわ。あれ、これは?」
ロッカーにお弁当を取りに行く途中でプロデューサーの机の上に置いてある物に目がとまる。
「うわぁ、猫耳のカチューシャに猫の手手袋、おまけに猫足スリッパまで。
そう言えば、雪歩ちゃんには少し大きかったとか言ってたっけ」
手に取ってみるとふさふさで肌触りは最高。思わず常用したくなる。
「私だとぴったり。・・・・・・一人の事務所でアイドル用のアクセサリーが置いてある」
配達物は受け取った、一番早く戻ってくるのはプロデューサーと千早だが・・・・・・しばらくは大丈夫。
一曲歌って、喉の調子を確かめる。今日も喉の調子は絶好調。
「つまり、これは第二回小鳥祭りを開催しなさい、と言う神の思し召しに違いないわ」
そう言ってから、前回の失敗に気付く。ロッカールームに行き、時間をかけて念入りに人がいないことを確認する。
「よし、大丈夫。それでは襟元のリボンを緩めて・・・・・・準備は万端」
そのまま自分の机から何枚かのCDを取り出す。どうせなら人前で歌えない物をと思い、選曲してみる。
猫の手手袋は意外なことに付けたままでも操作の邪魔にはならなかった。
そのままミスコピーした用紙を丸め、即席のマイクにする。ステップを踏むと足裁きも絶好調。
「一曲目と。・・・・・・いえぃ♪ そ~ら、けせらせら、うぅらら♪」
振りまで付けて完璧に歌い上げ、そのまま二、三、四曲目を選んでいく。
「あなた~にだけは、わかって欲しい、謎めく霧も晴れて行く♪
・・・・・・やっぱり歌うのは最高の気分転換ね。って、千早ちゃん達が帰ってくる時間ね」
CDをコンポから取り出して、自分の机にしまう。
アクセサリーを外し、プロデューサーの机に置こうとしたところで気付く。
「あれ、椅子がはみ出てる」
椅子を押し込もうとすると逆に押し出されてきた。
「聴かせていただきました、音無さん」
「ひょえぇぇぇぇ!! 千早ちゃん!?」
椅子を押しのけて机の下から出てきたのは千早だった。
「はい、私だけではありませんよ」
「小鳥さん、やっぱり歌が上手いですね」
千早の言葉に合わせ隣の机の下からプロデューサーが現れる。
「な、なんで、二人がここに? さっき見た時は」
「いや、事務所のドアを開けようとしたら、中から小鳥さんの歌い声が聞こえてきて」
「歌われるのかな? と思いましたので、ロッカールームの方へ行かれている間に隠れました」
彼と千早の言葉に小鳥は天を仰ぐ。喉の調子を確かめるための歌を聴かれるとは。
「え~と、つまり」
「はい、最初から最後まで、机の隙間から振り付けまで拝見させていただきました」
「い、いやぁぁぁぁぁ」
千早の言葉に小鳥は頭に両手を当てて叫ぶ。調子に乗って、投げキッスや招き猫のマネをした。
さらに言うなら、四曲とも振り付けをノリノリでしていたし、炎の宝物の前には、
「プロデューサーさんはとんでもない物を盗んでいきました。それはあなたの心です」
と銭形の物まねをした記憶すらもある。おまけにしっぽまで付けているし。
「小鳥さん」
「なに、千早ちゃん」
「萌え萌えですね」
「お願い、忘れてぇぇぇ」
叫ぶ小鳥に千早は何かを取り出し、スイッチを入れる。
『いえぃ♪ そら、けせらせら♪』
「なんで録音までしているの!?」
「自分の声をチェックするために持ち歩いています」
冷静に言う千早に小鳥は壁に手をついて項垂れる。
「小鳥さん。早く帰ってきた甲斐がありました」
「帰社が早くなる時は連絡を下さい。いや、もう、いいです」
彼にそう言い、小鳥はロッカーにお弁当を取りに行く。歌ったせいかお腹がすいた。お弁当に罪はない。
「あ、小鳥さん」
「まだ何か?」
「萌え萌えです。今度、カラオケに行きましょう」
彼の言葉に小鳥は・・・・・・ずっこける。もう絶対に彼以外のところにお嫁に行けない、と確信して。

コンビニ弁当P、噂は聞いている。コンビニ弁当中心の食生活は命取りになるぞ
#


539 :名無したんはエロカワイイ :sage :2007/11/26(月) 22:45:18 ID:CJf65/bV0(2)
「小鳥さん、本当に助かりました。まさかマンションにトラックが突っ込むとは」
「仕事中で良かったじゃないですか。それに困った時はお互い様です」
プロデューサーの言葉に小鳥はそう思う。もし彼に何かあったら・・・・・・自分がどうなるか予想できない。
「まあ、そうなんですが・・・・・・はぁ、まさか修理中は家には入れないとは・・・・・・」
「だからって、休憩室に住み着こうとしないで下さい。休憩室の改装予定は前にお知らせしましたよ」
彼の言葉に小鳥は苦笑する。大きい荷物を片手に休憩室前で呆然とする彼に声をかけて正解だった。
「でも、独身女性の家にお世話になるのは・・・・・・」
「気になさらないで下さい。さ、晩ご飯にしましょう。それにプロデューサーさんなら大歓迎ですから。」
冗談ぽく言ったが最後は本音だ。今晩のメニューは鮭のムニエル、昆布とじゃがいもの煮物、サラダ。
「小鳥さんは仕事ある日もきちんと作るんですね」
「二人分までなら、まだ時間がかかりませんから。はい、ご飯です」
小鳥からご飯を受け取り、彼は手を合わせる。小鳥も手を合わせ、箸をとる。
「うん、煮物がいい味ですね」
「お口にあって、良かったです。ご飯はお代わりありますから」
彼の笑顔に小鳥は安堵する。何度も手料理を出しているがやはり不安は残る。
「それにしても部屋の広さは似てますけど、小鳥さんの家の方が広く感じますね」
「プロデューサーさんの家は物が多すぎです。仕事柄、仕方がないのでしょうけど」
彼の言葉に小鳥は苦笑するが、昔は自分の部屋も似た感じだった。過去を感じさせるものはほとんど部屋にはないが。
「しかし、ステージ衣装が出てきたのには驚きました」
「忘れて下さい。私も驚いたんですから。じゃないと追い出しちゃいますよ♪」」
そう、予備の食器を出すために物置を開けた時に出てきたのだ、過去の産物が。
自分用に作った物なので他人が使えないため引き取った一着。
「忘れます。今でも似合っていると思いましたけど」
「もう無理ですよ。早く忘れて下さい」
ご飯をかき込む彼に言いつつ小鳥は微笑む。そもそも何度も着たい衣装ではないのだ。

「さて、そろそろ寝ないと明日が辛いですね」
「そうですね。じゃあ、俺はソファで寝ますので」
「いいえ、駄目です。それでは明日の仕事に差し障りますから」
「でも、予備の布団はないんですよね?」
小鳥の言葉に彼は再確認をする。
「だから、一緒のベッドで」
「いや、さすがにそれは」
「そうですね。こんな二十チョメチョメと一緒のお布団なんて・・・・・・」
「いや、問題はそこでなくて、男女が一緒の布団と言うことで」
いつもの言葉で勝負に出る小鳥だがさすがに今回は無理だった。
「では、プロデューサーさんと一緒に私もソファで寝ます」
「なんでそうなるんです!?」
「プロデューサーさんがソファで寝ると朝まで暖房を消せません。それならソファの方が温かいですから」
温暖化が進んだとは言え、夜と明け方はかなり冷える。布団なしでは確実に風邪をひく。暖房は消せない。
「それでしたら・・・・・・」
「もう、とにかく、一緒に布団で寝て下さい。それが一番エコロジーで面倒がないんです」
さらに何か言おうとする彼を小鳥は強引に黙らせる。自分だって恥ずかしいのだ。
とりあえず納得した彼を先にベッドに入らせ、その横に自分も入る。
「ほら、こっちの方が温かいです。なんか新婚初夜みたいですね♪」
「俺は緊張して眠れませんよ」
彼の方に身を寄せ、楽しそうに言う小鳥に彼は疲れたように言う。
「新婚と言えば、小鳥さん、さっきの衣装ですけど」
「もう、忘れて下さい、と言ったはずですよ」
「いや、そうですけど、似合っていると思いますよ」
「じゃあ、プロデューサーさんが着せさせて下さいね♪ ウェディングドレス」
小鳥の言葉に彼は苦笑する。そう出てきた衣装はウェディングドレス。
「いやいや、あんな高そうなのは無理ですよ・・・・・・お休みなさい」
そう言うと彼は安らかな寝息を立てだした。寝付きがいいなぁ、と思いながら小鳥は彼の言葉を思い出す。
「え~と、高そうなのは無理ってことは、結婚は構わないって事かしら?」
彼に問いかけるが熟睡している彼からの返事はない。
「そう受け取っちゃいますからね、プロデューサーさん♪」
そう言って、彼の頬にキスをして小鳥も目を瞑る。今晩は熟睡できそうだ。

よう、相棒。いい眺めだ。ここから見れば、どのコンビニ弁当も大して変わらん

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2007年11月28日 13:37