-[[千早メニュー]]へ ---- 溜まった仕事を必死になんとか片付けて今日は残業せずに帰れることになった 帰り道になんだかいつもより疲れたなと思っていると 同僚からお土産として高級な入浴剤を貰った事を思い出した あれ使った風呂に入ったらさぞかし極楽だろうなと思うとなんだか猛烈に風呂に入りたくなった ならば善は急げということで自宅へと駆け出した 息を切らしながら自宅に辿り着き例の入浴剤を取り出すといい匂いがして気持ちが高鳴る ウラァアア!と脱衣所に駆け込み妙な気配がするが気にせずに服を脱いで放り投げる 腰にタオルを巻いて入浴剤を片手に勢いよく風呂場の戸を開ける すると、ほのかに立ち上る湯気からと「えっ?」と聞き覚えのある声が聞こえた 湯気が晴れるとそこには全裸の千早がマットに座ってこちらを向いていた 千早と目が合い入浴剤のボトルと腰のタオルがハラリと落ちる 一瞬の間を置いて響き渡る悲鳴を背にごめんなさぁい!と風呂場を飛び出した 数分後、風呂から上がった千早が妙に気まずくこっちをチラチラ見てくる ご、ごめんなと素直に謝ると千早からすごくいい匂いがすることに気がついた それになんだか髪や肌がいつにもまして艶やかだ な、なんですかとたじろぐバスローブ姿の千早に 「あれ、なかなかいい感じのやつだったろ。まだあるから好きに使っていいぞ」と 言いつつ彼女をほかほか温かく観察したい今日この頃の俺 ---- 家でぼんやりしていると地元の友人から電話がかかってきた 互いに久しぶりに話したからついつい世間話に花が咲いた 「結婚?そんな話あーへんがや。お前だってそうだらぁ?」やら 「ほっかぁ…だもんで、こっちはこっちでよぉけ苦労するわけだがね」 「たぁけ!あんなぁ、俺だってえばりたいっつの!ああ今度あの番組見てみりん」と 懐かしさからかついつい慣れ親しんだ方言で長電話をしてしまった 一時間くらいしてようやく電話が終わると千早が 「プロデューサー、さっきの電話で何て言っていたんです?」と興味深そうに訊いてきた どうやら俺が方言で話しているの見たのは初めてで驚いたらしい 「ああ、今さっき言ってたのはだな」と簡単に地元の方言を教えてみる じゃあ千早も少し方言で話してみるかと持ちかけると「えっ?恥ずかしいですから いいですよ」と遠慮するので まぁまぁほれ言ってみとしばらく押すと少し気が変わったのかその気になったようだ 「プ、プロデューサー、今度一緒にあっこの店へ夕食べにい……行こまい」と しどろもどろに言う千早にムッハーと悶えつつほんわかのほほんと観察したい今日この頃の俺 ---- 空気が乾燥するこの時期、私は外出から帰ったら緑茶でうがいするのを心掛けている。 Pが風邪の予防になるし喉にも良いから、と教えてくれて、早速ペットボトルの緑茶でうがいしていたら、 「もっと経済的にいこう」 と、安いパックの緑茶を買って毎日、煎れて作ってくれた。 ある日、外回りの営業から事務所に帰って、いつもの様に冷蔵庫から保管しておいた緑茶でうがいをしてみたが、 いつもと異なる、違和感に私は戸惑う。 口に含んだ時の舌に広がる深い味と鼻に突き抜ける心地良い香…ありたいていに言えば、美味しいお茶なのだ。 P、お茶の葉変えたのかしら、とよくよくみればいつも使っているペットボトルのデザインが微妙に違う…? 「あ…!そ、それ…。」 と後ろで驚く声。振り返ると萩原さんが立ちすくんでいた。そう、私は彼女のお茶と間違えてしまってたのだ。 私は慌てて彼女に詫びた。だが彼女は 「冷蔵庫の中のお茶、千早ちゃんのだったんだぁ…たくさんあったから誰のだろうと気になってた。」 と、反対にお茶仲間が出来たみたいに喜んでいる。 言えない…実は殆ど、うがいで使い捨てている、なんて言ったらお茶好きの彼女はどんな顔をするのか…。 「美味しかったでしょ?このお茶の産地はねー…。」 嬉しそうに生き生きとお茶を語る彼女を見て、萩原さんてこんな顔で笑えるんだ…ー、 と、意外な一面を見れて少し驚いていると、そこへタイミング悪くPが帰って来た。 「う゛ー、外は埃っぽいなぁ、おっ調度良い、それよこせ。」 と半場、強引に私の持っているお茶を取り上げて、止める間もなく流しでうがいを始めてしまった。 「プ、P!うがい用はこっちのお茶です!」 私は叫んだ後、しまった、と気付いたが後の祭だった。背中に流れる冷や汗がむず痒い。 数分後、私達は必死で穴の中の萩原さんに土下座していた。 申し訳ありませんP…。私がそもそも萩原さんのお茶でうがいさえしなければ…くっ…! ----