【ミリマスSS】紗代子「光の日」
執筆開始日時
2014/12/29
概要
「ううっ、寒い…」 
事務所を出て思わず出た言葉がそれだった。あまりの寒さに体がブルっと震えてしまう。 
顔以外で唯一出していた両手を反射的にジャケットのポケットに入れる。夕方にこんなに寒くなるんだったら手袋を家に忘れなければよかった。 
時間に余裕があったし手袋を取りに戻れ、と数時間前の自分に言ってあげたい。 
「ううっ、さむっ」 
と同じことを言いながらプロデューサーが事務所から出てきた。コートのポケットに手を入れる動作までまったく一緒で何故だか少しだけ嬉しくなった。 
「それじゃあ行くとするか。確か駅の方だっけか」 
「はい。楽しみですね、プロデューサー!」 
「忙しくて見に行けないと思ってたから誘ってくれて嬉しかったよ。ありがとうな」 
そう、今日12月29日は私の誕生日であり、プロデューサーとデートする日でもあった。と言うより、今日突然なったと言うべきか。
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最終更新:2020年05月27日 21:54