【ミリマスSS】かつて守るべきものだった者


【ミリマスSS】かつて守るべきものだった者


執筆開始日時
2020/06/12


概要


「じゃあ隅子さんにコーヒー1つ、よろしくね。」

マスターからホットコーヒーがのったお盆を1つ受け取り、『隅子さん』と呼ばれたお客さんのもとに運ぶ。

『隅子さん』とはお客さんの本名ではなく、マスターが付けたあだ名だ。いつも店内の奥の奥、薄暗い2人がけの席に座る女性。だから『隅子さん』。ただのオヤジギャグ。

街中から少し外れた小さな個人経営の喫茶店。客足はまばら。もう少し明るい席に座れば穏やかな昼時のコーヒーブレイクを楽しめるのに、彼女はいつもその席に座る。窓から差し込む光や店内の照明を背にして、まるで身を隠すように。

まぁ『まるで』とは言ったが、俺だけは知っている。本当に彼女は身を隠していることを。はぁ...とため息を一つき、俺は彼女にコーヒーを差し出した。

「お待たせいたしました、コーヒーをどうぞ。」

彼女は開いていた手帳をパタンと閉じ、こちらを向いた。少し目深に被ったベレー帽から、彼女の顔が覗く。細くまっすぐな眉に切れ長な目、言葉にするなら容姿端麗。客観的には。

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  • 作者◆uYNNmHkuwIgM氏
  • シリアス
最終更新:2020年06月22日 19:03
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