未来「翼と百合営業する話」【ミリマス 】
執筆開始日時
2020/06/26
概要
◆
「せんぱーいお疲れさまでーす。タオル持ってきました」
「あ、ありがと翼」
「どうしたんですか、センパーイ。顔が赤いような……」
「き、きのせいだよ」
翼に先輩と呼ばれて、でへへってなったのは内緒。
ちょっと間ができたので私から切り出してみる。
「ちょっと悩んでて、なかなかうまくなれなくて。レギュラーになれるかなぁ」
「大丈夫です。センパイなら絶対わたしを甲子園に連れて行ってくれます」
「あっ私野球部なんだ」
「素に戻るのキンシ!」
「ごめんごめん」
翼はまた後輩モードに戻る。
「それでセンパイ、最後の大会前に伝えたいことがあるんです」
「うん、なんだい?」
我ながら、なんだいってなんだろ。でも翼は気に留めなかった。
「気が付いたらセンパイのことを目で追ってるんです。マネージャーなんだから、部員のみんなを見なきゃならないのに……。試合でセンパイが活躍したら、自分のことみたいにうれしくてほこらしくて」
「そ、そうなんだ」
「はい。センパイは一生懸命で誰よりもがんばっていて……。ねぇ聞いてください」
翼は一瞬間をおいて言った。
「わたしはセンパイのことが好きです」
翼は真剣に私を見つめてくる。なんかこう、ぞわぞわするような、居づらさを感じるようなこの感じ。思わず黙っちゃう。
「……」
翼は返事を待ってるのか、黙ったまま。
「……」
ついに耐えきれなくなった私は、ついやってしまった。
「でへへ~」
いつものように手を頭にやって照れ笑いすると翼がムウッと不満そうな顔をしてきた。
「でへへじゃないよ! 返事待ってたのに」
「いや、こう……あんまり思いつかなくて」
「まったく未来は~。まぁいいや。未来ってあんまりセンパイって気がしないし」
「そう?」
「身長だってわたしの方が高いんだもんねー」
翼に身長が負けてるのはなんか悔しい。
「そんなに変わんないよ。あっ分かったアホ毛の差だー」
「アホ毛って言うなー。これは跳ねちゃうだけー」
翼と2人で笑いあってると、「あっそうだ」と切り出した。
「未来の理想の告白は?」
「えっ私の理想?」
「そうそう。女の子だったら理想はあるよね」
翼は楽しそうに言ってくるけど、なかなかこれっていうのが思いつかない。
「う~ん。難しいかも……」
「そう? だったら今日の宿題。未来はお家で理想の告白を考えてきて」
「宿題、かあ」
私が苦笑いしていると、翼が注意してきた。
「ちゃんと宿題はするんだよ」
「私はちゃんとやってるよ! やってないときは宿題自体の存在を忘れているだけで」
「それもどうなの?」
「翼だって宿題ちゃんとやってるの?」
「そういえば次のライブたのしみ~」
「すっごく分かりやすくごまかした!?」
そういうことで、私は理想の告白について考えることになったのだった。
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最終更新:2020年07月03日 18:09