志保「三麺娘とソバの話」
執筆開始日時
2020/12/31
概要
1.前ほどの話
例えレッスン終わりだったとして、冬の夜風は体に酷く沁みる。
コートに手袋、マフラーもして、ダメ押しに帽子を被ってても、ちょっとした衣類の隙間からびゅうびゅう沁み込んで来るんだから。
「くしゅん!」
「だ、大丈夫ですか静香さん?」
「ん、平気」
「はぅ……それならいいのですが。今日はまた一段と冷えますね」
と、続けたエミリーの口からも白い吐息。
彼女も寒さが堪えているんだろう、鼻先がすっかり赤くなっちゃってる。
それを見て、私もぐしゅっと鼻をすする。
すると前を歩いてた貴音さんが振り返って。
「二人ともよければもう少しこちらへと。……私の後ろを歩いていれば、少しは風よけにもなりましょう」
「そんな! 出来ませんよ貴音さん」
私はすぐにそう返した。
だってそうでしょ? いくらビル風を冷たく感じたって、先輩を風よけにするだなんて!
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^エミリー スチュアート ^最上静香 ^四条貴音 ^北沢志保
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最終更新:2021年02月12日 23:48