夜符「Perfect maid & Little devil librarian」
花を咲かせましょう。見渡す限りの花を。
新しい季節の。風を受けて
「あら、歌を口ずさみながら掃除なんて、良い事があったのかしら?」
さ、咲夜さん!?
「そんな、化け物が出たみたいに言わないでよ」
でも、咲夜さんだっていきなり背後から話し掛けられたりしたら、驚きませんか?
「私はそんな事無いわ。いつも警戒しているから」
うっ、すみません…私が緩み切ってました…
「ちゃんと謝るのがあなたの良い所ね。小悪魔。
それに比べ、メイド共と来たら…」
あはは。
そう言えば、トルシェは最近どうですか?
あの娘はよく働いていると思いますが
「ええ、彼女は相変わらず真面目ね。
周りにそれが伝染してくれれば良いんだけど」
相手は妖精ですからね。
と言うか、私も最初は妖精メイドがちゃんと働いている様が信じられませんでした。
あの娘、どちらかと言えば私に近いのではないでしょうか
「かもしれないわね。何はともあれ、一人は真面目なのが居て良かったわ」
ですね。でも、給料は皆均等だったり?
「全員無給だけど?私も含めて」
え!?それ、本当なんですか?
「もちろん」
そ、そうだったんですか
「あなたはもらっていたりするの?」
は、はい。パチュリー様から少しですが…
「お金で?」
魔道書でもらえる事もありますが、大体はそうです
「ふーん…つまりお嬢様はパチュリー様にはお小遣いをあげている訳か…」
…咲夜さん?
「そんな心配そうな顔しなくても、パチュリー様からお金を盗んだりはしないわ。
それに、私自身はお金に何ら不自由していないわ」
へ?無給なのにですか?
「あなた、そんな無給無給って、むきゅーとでも言いたいのかしら?」
すみません
「ビンテージワインが一瞬で出来るから、それをよく売りに行ってるのよ。
これほど楽で儲かる商売は無いわ」
能力の有効活用、ですね。金銭的な意味での
「そう、これ以上が無い程に有効活用しているわ」
ところで、咲夜さんはなんでまた図書館に?
パチュリー様はご存知の通り、外出中ですが…珍しく
「もちろんわかっているわ。だからあなたが図書館を掃除している事も。珍しく」
仕方ありませんよ、埃を立ててしまう訳には行きませんし。
最近はパチュリー様がお出掛けされる機会が増えたので、少し多めに出来ますが
「この図書館を全部掃除するつもりなのかしら?一人で」
はい、一日掛けても全部は終わらないんですけど、とりあえずよく使う部分だけでも、と
「でも一度は全部掃除しておきたいんじゃない?」
そうですねぇ。やっぱり掃除出来ない日が大半なんですから
「だから、私が来たのよ」
へ?どういう意味ですか?
「時を止めれば、図書館中掃除する事も出来るでしょう?」
え、でもそんなの咲夜さんに悪いですよ。
図書館は咲夜さんの管轄外ですし…
「管轄外って、私は警察なのかしら?
もちろん、あなたには手伝ってもらうわ」
でも、時を止めてしまったら私も動けないのでは?
「だからはい、これを持っていて頂戴」
これは…スペルカードですか?咲夜さんの
「ですか?って、あなたも持っているでしょうに。
とりあえずその時符を持っていれば、あなたも動けるようになるわ」
おー、スペルカードって意外と凄いんですね
「意外って何よ、意外って。
それじゃ、止めるわよ」
はい、うわー初めてです。時間の止まった世界を見るなんて
「普通は見ないでしょうね
はい、もう止まったわよ」
おー!周りがモノクロにって、本当になるんですねー
色があるのは私と咲夜さんだけなんて、ちょっと感動ですね
「あなたは遠足に来た子供かしら?」
時間旅行なんて、生涯出来るなんて思いもしませんからね。仕方ないと受け取ってもらえませんか?
「それもそうね」
それじゃ、掃除再開と行きましょうか。
あ、水も動かないんだ。でもこれだと拭き掃除が出来ない様な…
「そういう時は部分的に時を動かすのよ」
おー、精密操作も出来るんですね
「私の能力はそんな不完全なものじゃないわ」
流石、完全で瀟洒なメイドさんですね
「あら、何時の間にそんな二つ名を付けられたのかしら?」
今です
「なるほど。
でもその今も、私達二人以外からすれば幻想のものよ?」
不思議な感じですね。それって
「そう、時間を操っているとそんな不思議な感覚を受けてばっかりよ。
だから同境者が居る今は少し嬉しいわ。そして、より不思議な感じを受ける」
じゃあ、これからもちょくちょくこんな体験をさせてもらえませんか?
「ふふ、また思い切った事を言うわね」
ええ、恋と従者生活は思い切りが大事です
「同感よ」
安心しました
「じゃあ、返事はこう返すわ」
え?
「別に良いわ」
…
「はい、もう返事はしたわ」
ええ!?も、もしかしてカードを盗ったりしてません!?
「もちろんしたわ」
うー、咲夜さん意地悪です
「そんなに返事を気にしなくても、今度パチュリー様がお出掛けする機会があったら、わかるんじゃない?」
でも、なんだかんだで中々外出されませんよ?あの方
「じゃあ、あなたが連れ出せば良いんじゃないかしら」
それじゃ、返事がわからないじゃないですか
「そうね」
やっぱり咲夜さん、意地悪です
最終更新:2008年08月11日 19:30