アットウィキロゴ
流符「地霊殿前夜」


「そんな訳で雛、明日我が盟友が地下に潜る事になった訳だ」
「…えーと、何処から突っ込めば良いの?」
「ふふっ、止めてくれるな雛。私は盟友の事を全力でサポートしなければならないのだ」
「まず、地下がどうたらとか盟友がどうとか、何の話よ?」
「…ああ、そうか。雛の所には伝わってなかったんだなぁ。天狗もまさか神様が動くとは思わなかったんだ」
「ええ、いつも通りの暗い日常が続くだけで、誰からも何か異変が起こったとかは聞かなかったわ」
「ならば、まずは今回の異変の話をしよう、うん、そうしよう」
「はぁ」
「事の発端は突然湧き出した間欠泉だ」
「…本当に突然過ぎるわね」
「そう、いきなり神社に間欠泉が沸いて、始めはまぁ、巫女も他の妖怪も温泉が出来て良いなぁ~と気楽にしてた訳だけど、なんか地霊も沸いて来るし、よからぬ雰囲気がする。そこで我が盟友、霧雨魔理沙がその調査に行く事になった訳だ」
「ふぅん…で、にとりがやたら滅多に張り切ってるのは、その魔法使いの先導をしたりするから?」
「いーや、今回の件は人間だけに任すのが良いってのがお偉方の判断だ。と言ってもあの胡散臭い妖怪と陰気な魔女が決めただけだが…でも、遠隔操作式、通話&カメラ機能付きのスペシャルなウェポンを作り出したから、それを通じて私が魔理沙をしっかりサポートするんだ」
「最近来なかったのはそれが理由だったのね。少し安心した」
「あー、連絡しないでごめん。私ってば一度発明に夢中になると他の事が考えられないタチで…」
「それはわかってるよ。にとりが発明に熱中出来るぐらい元気だとわかって良かった」
「ははっ、元気だけが私の取り柄だからね」
「でも、にとりがそんな人里の事まで首を突っ込むなんて、珍しいね」
「んー、前までは山から出なかったから、人間とも会わなかったからねぇ。前の神社の件の時に魔理沙に会って、とんでもなく面白いヤツだとわかって、やはり人間は河童の盟友だと再認識したんだよ。盟友である以上は助け合うべきだからね、ヤツとの親睦を更に深める為にも私が人肌脱ごうって訳」
「そうなんだ。
私も人間と会わなくなって久しい中にあの人間に会って、ちょっと懐かしくなったなぁ」
「だろうだろう?だったらこの異変が解決したら雛も大宴会に参加だ!」
「宴会なんて開くの?私、お酒って弱いんだけど」
「だったら料理だけ食べて、適当にだべってれば良いよ。どうせ後半なんて強制的に酒飲まされるだろうし」
「うわぁ…そういうの苦手だな…」
「あー、でももしかしたら神様にそういうのって駄目なのかな?一応、妖怪とか人間とは一線を隔している訳だし…」
「それを言い出したら、穣子なんかも人間の祭に呼ばれたりしているわよ?厄神だけ度外視するなんて許さないわ」
「おっ、雛も乗り気になって来たねぇ、こりゃあ何があっても地下の連中をぶっ倒さないと」
「ぶっ倒すって…一応、相手の言い分も聞きなさいよ?」
「でも地下の連中って、川を汚したりするんだよ?私ゃあ絶対に許せないね、うん」
「それとその異変もまた別の話な気がするけど…」
「でも雛も川が汚されたら困るでしょ?」
「確かに…服が汚れる…」
「だから地下の妖怪は絶対悪!全員ぎったんぎたんにしないと駄目だね!」
「地下の妖怪、か…やっぱり地上の妖怪よりも力の強い連中も居るのかしら?」
「自分から地下に潜った変わったヤツも居るけど、まあ大抵はその特殊な能力とか、嫌な思考から地上の妖怪に嫌われた妖怪が住んでるね」
「例えば、どんな?」
「えっと、確か…我等が生涯の敵、病気を流行らせたり川を汚したりする土蜘蛛とか、確か橋姫って妖怪は異様に嫉妬深かったな…後は鬼、今も地上に鬼は一人だけ居るけど大半は地下に潜ったよ。後は…なーんか兎に角嫌らしい能力を持ったヤツも居たはずだけど…なんだったっけかな」
「にとりが嫌らしいなんて言うなら、鉄を腐食させたりする妖怪なんじゃない?」
「ひゅい!?そ、それは嫌らしいな…下手したらウェポンも壊される!今から急いで防腐の為の特殊塗装を施さなければ!」
「…本当にそうなの?」
「んー、なんか違う気がする」
「だったら、今日はもう休みましょうよ。明日にしっかり備えないと」
「だなぁ。それじゃ雛、今日はこっちで寝させてもらうよ」
「え?なんでまたこんな寝心地の悪い場所で…」
「雛にはいっぱい心配かけちゃったから、せめてでも、だよ。明日も、もしもの時の為に間欠泉の近くに行っておかないといけないから、此処を離れないといけないしね」
「…気遣い、ありがとう」
「いやいや、河童は義理と人情の妖怪だからね。親友の事は何よりも気にかけないと」
「親友は魔理沙じゃないの?」
「魔理沙は盟友、雛は親友さ」
「どっちがランクは上なの?」
「それはどうしても口に出さないといけないかい?」
「いや、口じゃなくても良いわよ」
「そう、だったら半分口、半分行動で示させてもらおう。私はとりあえず、魔理沙と一夜を共に明かした事は無いよ」
「にとり、その言い方は誤解を招くって」
「いや、それは誤解じゃないよ」
「…え?」
「なーんか、異常にテンションが上がっちゃってこのままじゃ寝れそうに無いんだ。付き合ってくれるよね?」
「え、ええ!?そ、そんな女同士で…」
「何、そんな力は必要無いさ」
「でも、体の構造的に…そりゃ、私だってにとりが相手なら別に構わないんだけど…」
「あ、でも雛ってあんまり体力無いよね…まあ、無茶しなければ大丈夫でしょう」
「う…ん…優しくしてくれるのなら…」
「よし!じゃあ例のウェポンの塗装を始めよう!」
「…え?」
「いや、一人じゃ間に合わなさそうだから、雛にも手伝ってもらおうって…大丈夫、徹夜にはならないでしょ」
「…にとりの馬鹿!!」
「ひゅい!?」
「もうにとりなんて知らない!樹海で首吊って川に流れて天狗に食べられちゃえ!!」
「うおう!?私、何か変な事言ったっけ」
「馬鹿馬鹿馬鹿、最低、この間抜け河童!」
「行っちゃった…うぅー、一人じゃ徹夜確定だぁー。雛ー帰って来てくれー」



続く


のかもしれない






名前:
コメント:
最終更新:2008年09月23日 17:56