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「ただの妖怪には興味ありません。この中に吸血鬼、魔女、時間を止められる人間、アホみたいな視覚を持った妖精、なんか外界から流れ着いた人間が居たら、私の所に来なさい。以上」
 悪魔の館、紅魔館の一室。
 先ほどまで静寂に満たされていたその中に、まだあどけない少女……否、幼女の声が響き渡った。
 その声に呼応し、少し部屋がざわめき返る。
 幼女は、部屋に集まった四人の顔を見回し、満足そうに頷いて次の言を発した。
「パチェ、経過は?」
 背中の黒い翼を生やした幼女は、集まった四人の中でも一番背が低く、線も細い少女に目を向ける。
 パチェと呼ばれたその少女は、小さく咳払いをして返す。
「上々。咲夜とトルシェがよくやってくれているわ」
「そう」
 幼女は、パチェの言葉に静かに頷き、質問の対象を変えるべく、向き直る。
「咲夜、状況は?」
 今度の言葉は、四人の中では二番目に背が高い、エプロンドレスを着た女性に向けられた。
「珍しく、メイド達もヤル気です。ご期待には、十分副える事が可能かと」
 予想通りの返事に、幼女は小さく頷いた。
「――よし!目標は博麗神社!状況を開始せよ!」





 さて、あまりの超展開に、読者諸君は少々どころか、かなりついていけていないと思う。
 だから、数時間程、時間を戻そう。
「――えー、そんな訳で、彼がこの紅魔館、初の執事となります。自己紹介は本人から」
 ……やっぱり、超展開だった。
 しかし、先の超展開に比べれば、この程度は序の口。
 このノリについていけない人は、残念ながらこの読み物を読む第一の試験に落ちたと考えて欲しい。
 正直、ブラウザ戻るを強く推奨。
 ずっとこんなノリだから。
 ――さて、俺の目の前には今、無数に可愛らしいメイドさん達が並んでいる。
 まだあどけない顔をした乳臭……可愛らしい娘から、既に大人の貫禄がある……娘は居ないな。大体が少女と言える外見をしている。
 そして、俺の隣で今、司会っぽい事を始めたのが、そのメイド達を纏め上げるメイド長、十六夜咲夜さんだ。
 実はこのメイドさん達、全員が妖精。
 だから正直な話、彼女らはロリババアである危険性が非常に高い。
 でも、咲夜さんは正真正銘の人間であり、本人談では十七歳だ。
 ここでは、じゅうななさいと表記させてもらうが。
 ――めんどくさい話は後回し、兎も角俺は、こんなメイドハーレムの中で唯一の執事、謂わば黒一点になろうとしているのだ。
「えー……墨樹蔵佳、です。正直自分、口下手なので単刀直入に言わせてもらいます。メイドさんマジ最高。一人残らず俺の嫁になって下さい」
 沈黙。所謂総スカン。
 ふっ、想像してたから怖くないさ。
 そんな安心した直後、右隣から銀色のナイフが飛来した。
 さ、咲夜さん?
「どうやら、軽く記憶喪失みたいね。可哀想だけど、ちゃんと面倒を見て上げる様に」
 俺は間一髪それを回避……出来たんだなぁ、これが。
 ナイフ避けのスキルなんてあったのか?俺?
『はーい』
 素直なメイド達の声。
 おっ、俺好みの声があった。大体後ろの方だな……後で声をかけてみるか。
「で、蔵佳。唐突だけど、あなたには会議に出席してもらうわ」
 は、はひぃ!?
「何よ、その訳のわからない声は」
 な……地の文を読む事が出来るのか!?
 さ、さてはきさま新手のスタンド使いだな!?
「えーと、俺の挨拶も相当カオスだったと思いますが、咲夜さんのお言葉も理解に余る、と言うか……」
 ねぇ、そうだよね?
 読者諸君、俺の感性は正常だよね?
「残念だったわね。お嬢様が、一度外来人と話したいって言ってたのよ」
 あー、OK。大体把握。
「あっさりね」
 だって、これはアレでしょう?ツンデレお嬢様との第一印象最悪の出会い、でもそこからやがて、お嬢様の方から俺を……
「まあ、外来人なんて珍しいでしょからね。珍獣とイコールで結ばれているんでしょう?」
「……どっちも色々とヤバい思考ね」
 む、やはり咲夜さんは地の文を読めるのか……こいつぁ用心しないと。
「とりあえず、読むとかそういうメタ発言はどうかと思うわよ?」
 ああ、そうですよね。
「それで……会議、とは?」
「そう、その説明ね。簡単に言えば、お嬢様のただの思いつきよ。『この紅魔館も、一つの組織なら会議の一つや二つ、するべきよ!』って事で」
 微妙に、咲夜さんの声が高く出されていたのは、お嬢様の真似をしたのだろうか。
 咲夜さんのロリボイス……許せるっ!
「はいはい、許さなくて良いから」
 じゃあ、絶対に許されざるんやな。喜劇なんやな。
「それもやめて」
 注文の多い紅魔館。
「で、その会議ってのには、この館の主要なメンバーが全員揃うわ。ちゃんと、挨拶をしておきなさい」
 ……スルーしないでください。
「はい。わかりました……が、他の人達も、美少……女性なんですか?」
 いかんいかん、本心がポロリと……
「まあ、地の文が読めるからどうでも良いんだけど」
 アッー!い、意外過ぎる欠点!
「あなたは喜ぶべき事でしょうね。全員、極上の美少女揃いよ。私も涎が出てしまうレベルの」
 ………………百合なメイド長……許せるっ!
「許さなくて良いから」
最終更新:2009年06月29日 20:42