「ふふっ…………どうだ、ヴァン?気持ち良いか?」
「……ヴァンっ…………大好きっ……」
「ヴァンの背中、広くて暖かいわね……可愛いわ…………」
リリーが豊満な胸で僕のペニスを擦り上げ、天華が僕と濃密なキスを交わし、天理が僕を後ろから抱き締めている。
僕は、これが夢であるのだと思っていた。
しかし、リリーが定期的に与えてくる快楽、大きな胸に包まれている実感。天華のねっとりと絡み付いて来る唾液を湛えた舌、口内。天理の膨らみに乏しい胸や柔らかな四肢の感触。
それらは全て、現実のものである。
僕は夢心地でありつつも、彼女達を操る様な形でこんな事をさせてしまった事への背徳感。
また同時に、彼女達の征服感。
そして何より、今までの欲求不満が解消された事への、底知れぬ快楽。
それらを、一時に感じていた。
この状況を説明するには、まず二日前にまで時を遡らねばなるまい。
「ふーん、あんたはあんな美人三人と旅をしている。それなのに、まだ天華ちゃんにしか手を出していないんだ」
今年で二十八になる言うのに、少女同然の姿をしている大佐が腕を組み、僕に顔を近付けつつ嫌味ったらしく言った。
「そりゃあ、そうですよ。天華とも、半ば彼女が必要だったからしただけです。それに――あ、これは……」
大佐がやはり腕を組み、僕を睨んで来る。
無言で「言え」と言っている様なものだ。
くそっ、余計な事を口走ってしまった。
「リリーなんかは、一度も男性経験が無いんです。アレだから。――だから、彼女達に手を出すなんて有り得ません」
強引に締めくくり、大佐から逃れようとする……が、出来ない。
襟首を捕まれ、完全に動きを封じられる。
なんでこんなに力が強いんだ?このロリ大佐は。
「全員、あんたの事が好きなのは明らかでしょ?だったら、良いじゃない。リリーちゃんの初めてを受け取ってあげても。天華ちゃんに、肉体的な方法で深い愛を伝えても。天理ちゃんに、正しい男を教えてあげても」
大佐は捲くし立てる様に言い、溜め息を付いた。
――僕に出来ると思っているのか?
「それに、あんた自身実は欲求不満が溜まっているんじゃない?あれだけの美少女を抱えて、お預けを喰らってるなんて。しかも自主的に。あたしだったら発狂しててもおかしくないわ。そして、彼女達を一人残らず、何一つ残さず犯してる」
うわぁ、このロリ大佐、今明らかな百合発言&犯罪宣言しましたよ。
――しかし、僕は自分自身に聞いてみる。
大佐の言葉は、一理ある……と言うか、真理かもしれない。
僕自身、そろそろ欲望が抑え切れなくなってきた感じもして来た。
七割方、大佐の入れ知恵に依る所だろうが……
それでも、僕は彼女達に何かしらのアクションを取りたいと思っているのかもしれない。
親しく話すとか、手を握るとか、一緒に買い物に行くとか……そんな生易しい事以外で。
「ふふっ、顔つきが変わって来たわね。まあ、それが健全な男子としては当然よ。昔、あいつも同じ手で……うふふ」
大佐はまた何か言っているが、僕としては天華達の事で頭がいっぱいだ。
「そこで、あんたに良いものをあげるわ。これ、所謂媚薬の類。これを軽く振りかけた物を食べると、それだけで数時間後、つまり夕食でこの薬を摂取したとすると、丁度夜寝る時ぐらいに効果が発揮されて……後はご想像の通りよ」
……ヤバイ。
この軍、間違いなくヤバイ。
今すぐにでも連合に連絡して、この国を爪弾きにしないと、ヤバイ。
主に男性兵の士気的にヤバイ。
上がり過ぎてオーバーヒート起こしてヤバイ。
簡単に仕込めて、あーんな事やそーんな事が楽しめる薬だと?この軍はいったい何を開発しておるのだ。けしからん。もっとやれ。
「ふふっ、やっぱりあんたも雄ねぇ。まあ、まだ試作品だから、どこまで上手く行くかわからないけど……何なら、あたしで試してみる?リハーサルって事で」
そう言うと、大佐は上目遣いで誘う様に僕を見つめてきた。
……ロリは無いな。
「いえ、それは…………」
ロリコンじゃないからね、僕は。
「何よ、あたしじゃ気に入らないって言うの?……贅沢ねぇ。私程のテクニシャンはこの国に居ないってのに…………」
……テクニシャン、か。
確かに大佐はこういう経験は無意味に豊富そうだ、上手いのも事実なのだろう。
だが……
「三人となんですから、その時の為に性欲は取っておきます」
うん、そういう事なんだ。
「あはは、三人との乱交パーティは確定事項なんだ。さすが若いねぇ」
馬鹿にされた気がする……が、男の夢だ。乱交は。
今から、胸が躍ってしまう。
ああ、予め言わせてもらうが、薬の話が出てからこっち、僕の理性は完全になりを潜めた。
今や、黒い情熱だけが燃え上がっている状態である。
「まあ、安心しなさい。あんた用もあるわ。特別絶倫になるのが、ね」
さすがこの国の無意味な科学力は格が違った。
これを軍事開発に使えばもっと強国になれるだろうに、実に才能の無駄遣いである。
だが、それが良い。
「ただ、こっちは体質にも依存して来ると思うから……絶対に試しておかないと駄目よ。……あたしが嫌なら、エレンなら良いかしら?あの娘も相当なやり手だけど」
エレンさん……だと……?
エレンさんと言えば、見るからに清純派美少女だ。
衛生兵長という役職も相俟って、更にそのイメージに拍車をかける。
そのエレンさんが……やり手?
「夜は凄いのよ。こう、男の槍の使い方も上手くて、ね」
……期待しよう。
「あはは、もう三十回目ですよぉ?元気なおちんちんさんですねぇ」
エレンさんに捕まり、早一時間以上。
僕は、ひたすらにエレンさんに苛められていた。
酷い、彼女はSだった。
夜限定の女王様だった。
異常なまでに精力増強された僕のモノは、まるで収まってくれない。
それが、媚薬によって高められた彼女の性欲を爆発させた。
「さんじゅっ、いちぃ……ぷはっ、おいしいぃ…………」
まず、目が普通じゃない。
普段のエレンさんは、優しげな眼差しの中にも芯があって、だけどお淑やかで……
「うふふ、三十二回目は中に出しちゃいますかぁ?それとも、お顔に掛けたいですかぁ?えへへ、どっちでも良いですよぉ」
今や、欲望に濁り切ったヤバイ目だ。
しかも、媚薬無しでもこの域にまで達しれると言うのだから恐ろしい。
どうやら、僕との行為を始めた直後はまだ媚薬が効いてなかったらしい。
「じゃあ、中に…………」
言うや否や、亀頭がエレンさんの可愛らしい口に咥えられる。
嗚呼……中って、口内なのか…………
ま、まあそうですよね。いくら性欲爆発のエレンさんでも、赤ちゃんとか考えちゃいますよね。
「うふっ、びくびくして来ましたね……じゃあ、約束通り中にどうぞ♪」
突然亀頭を吐き出してしまった彼女は、そのまま僕のペニスを割れ目の中に飲み込んでしまった。
え、ええ?本当に膣出し、させてもらえるの?
「あっ、あはっ…………中、びゅーびゅー出ちゃってますねぇ。気持ち良いです…………」
すっかり粘液を湛えたエレンさんの膣内で、精液を吐き出す僕のペニス。
その快感は勿論素晴らしいもなのだが……
「い、良いんですか?」
罪悪感と言うか、何というか、そんなものもあった。
すると、端整な顔を欲望でふにゃふにゃにしたエレンさんが突然真顔に戻り、面白そうな顔を見せた。
ちなみに、まだ繋がったままです。
「あら、聞いていなかったんですか?この薬、避妊効果もあるんですよ♪」
用意周到過ぎる。
何、この全ての環境が揃った理想的な国。
……なんて考えていると、一度僕のペニスを捕まえてしまったのを良い事に、尚もエレンさんは動き、更なる刺激を与えて来た。
「えへへ、実は男の人とするのは久し振りなんです。でも、まだまだテクニックは落ちてませんねぇ」
お願いですから、天使の様な可愛いお顔でそういう発言はやめてください。
明日から、すごく気まずくなります。
結局、朝が来るまで搾り取られたのは言うまでもない。
そして、朝日が顔を出すと魔法が解けた様にエレンさんは眠ってしまい、僕のモノも急速に萎えてしまった。
朝までの白昼夢……いや、昼じゃないんだけど。
そういう事か。
「どう?気持ち良かったでしょ?」
僕と顔を合わせた大佐の第一声がそれ。
……このロリは…………
「何だか、エレンさんが苦手になりそうです」
「まあ、普段あれだけ献身的で従順な子だから、どこかで発散が必要なのよ」
……それがアレ、ねぇ…………
軽くトラウマになっている。
とりあえず、もう二度とエレンさんとの夜の付き合いをする気はない。
今度こそ、殺されてしまいそうだ。
「ま、薬の効果はわかってもらえたでしょ?明日は何もしてもらう事無いし……ふふっ、薬はいくらでもあげるわ」
言って、また小瓶をちらつかせる。
一体どこに保管してあるんだ?軽く劇薬の類だと思うのだが。
「とまあ、明日を楽しんでもらう為の今日の仕事だけど……」
小瓶を何所かに収納した大佐は、一転、厳かに一綴りの書類を取り出した。
「仕事内容。簡潔に言えば、危険分子の事前処理。あんたとリリーちゃんで事足りると思うわ。いや、寧ろあんた達でないと無理ね」
僕たちは、以前にも暗殺や殲滅戦をこなして来た。
あまり気持ちの良い仕事ではないが、軍人もまたいくらでも手を汚している。
軍直下で仕事を請け負うのは、あまり綺麗事を並べる余裕も無い程にシビアな事なのだ。
結果として、僕たちは無事に屋敷を一つ全焼させ、とある将校を死に至らしめた。
その日はもう、家で眠ってしまった。
家と言えども、当然ながら大佐の家だ。
無意味に広い大佐の私室と客室を借りているのだが、どちらも何故かダブルベッドが用意されている。
……アイリスさんの話では、大佐はダブルベッドで一人で寝るのが好きらしい。
だから、これは不自然な事ではないのだ。
しかし、僕にはどうも作為的なものがある風に見えてしまう。
…………考え過ぎか。
三食はアイリスさんが面倒を見てくれる。
大佐の実妹であるアイリスさんは、年の頃では二十五、先輩と同じぐらいになる。
国の研究機関に所属しているが、出席はかなり不定期で、とりあえず僕はまともに出席している姿を見た事がない。
……ふと思うが、研究機関。
下手をすれば、この薬は……なんて暗い予感は、純朴そうな彼女の笑顔が洗い流してくれた。
エレンさんも、こんな笑顔を見せてくれるが…………
夕食。
僕は、予め非常に小癪な事をしておいた。
塩の瓶の中身を、媚薬に摩り替えておいたのだ。
そして、三人の料理にそれとなく振り掛ける。
アイリスさんが、塩分を取るのが好きでは無い事はわかっている。
まさか、アイリスさんまで巻き込んでしまう様な事は無い様、十分配慮していた。
だが、完璧に寝られた計画こそ、予想外の綻びが出来てしまうものである。
「やぁやぁ、こんばんは。久し振りに姉のお帰りでーす」
大佐が帰って来た。
そして、大佐はアイリスさんの分の食事を分けてもらうと、躊躇いも無くそれに塩を――否、媚薬を振りかけて、僕が静止する間も無く食べてしまった。
「た、大佐、実はその塩……」
誰にも聞かれないよう、小さく、小さく。
「ん?どうしたのよ?……なんか塩分足りないわね」
「そりゃあそうですよ!それ、塩じゃないんですから」
「え?じゃあ何?」
「その……例の媚薬です」
「…………!?」
「ご飯に振り掛けるって事で、塩に擬態させて……」
「ああ、アイリスは塩嫌いだから……って、関心してる場合じゃないわよ!どうしてくれるのよ、思いっきり食べちゃったじゃない!」
「し、知りませんよ。大佐が勝手に食べちゃったんだし」
「…………くっ、何はともあれ仕方ないわ。ま、あんたの邪魔はしないようにしたげる」
「えっ?」
「アイリスー、あーん」
突然アイリスさんに、自分の料理を食べさせる大佐。
「ね、姉さん……私、そんな子供じゃ…………」
突然の姉の凶行に顔を赤らめるアイリスさん。しかし、しっかり料理は受け取る。
な、なんか羨ましいぞ?
「別に、性欲をぶちまける対象は異性でなくても良いのよ。あたしは、この子と乱れさせてもらうわ」
再び小声。
…………姉妹丼ってやつですか。
「そんじゃ、あたしはここいらで退散するわ。後はごゆっくり」
恐らく、僕だけに向けられている言葉。
それと共に、大佐はまた風の様に去っていった。
ベッドメイキングでもするのだろう。妹との淫行に備えて。
「……自由な人だな」
ぽつりと言ったリリーの一言は、大佐を端的に、的確に表していた。
その数時間後、以津真姉妹が僕の部屋を訪れ、リリーも僕に迫って来た事で冒頭に繋がる。
この先は、まだ書く気にはなれない。
何時か、気持ちの整理が付いた時にでも。
最終更新:2009年07月12日 23:39