夢魔
ようこそお出でくださいました。
ここは私の夢(くに)です。
私?名前はそう、種族名となってしまいますが、リリムとでも。
☆
始めは、小さな予兆だった。
予兆?違和感とでもした方が正しいのか。
悪夢が多くなった。
具体的な内容なんて、覚えていない。
ただ、朝起きると気持ち悪い寝汗でシーツが濡れている日が続いた。
「心理学者(カウンセラー)の診察を受けてみるか?」
だなんて、リリーに言われたが、それは大袈裟だと断った。
どうも、学者の理解に及ばぬ範疇で事が起きている気がしたのだ。
そして、実際その予感は的中する事となる。
その日も、僕は無用心にベッドに入った。
残念ながら、まだ休暇中であり、ナポリにある仮の住まいで寝泊りをしている。
呆れる程平和だし、軍隊も警備を行っているこの街ならば何も警戒する必要は無い。
そもそも、僕の様な若い、一括の傭兵を暗殺したところで何の見返りも無いので、そんな事をする人間は居ないだろう。
だから、いつもする様に布団を胸まで被り、じきに眠りに着いた。
最終更新:2009年09月23日 18:23