以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2007/02/22(木)02:43:02.74ID:v9fCgzg0
- 【クリスマス】
みーちゃんと一緒に、イルミネーションで彩られた大通りを歩く。
さすがにクリスマス当日ともなると人通りが多くて、ミーちゃんと手を繋いで歩いていた。
「うわー……すごいね」
「……ん」
こういうとき、みーちゃんはあまりしゃべらない。……別に、いいけど。
大きなツリーのある広場に出ると、そこはまさに光に溢れていた。
サンタクロースやトナカイの形をしたモニュメントや、遠くのほうに見える時計台。
それに、広場の真ん中に立っている大きなツリー。
そのどれもが、色とりどりの、眩いくらいの光を放っていた。
「わー! すごい! すごいね!」
「あー……これはすごいな」
みーちゃんも少し驚いたようで、きょろきょろとあたりを見渡していた。
「寒いから嫌だ」っていうのをむりやり連れ出してきただけのことは会った。
「……消費電力すごそうだな」
「なんでそういうこというのっ!」
そのとき、広場の向こう側に、見覚えのある顔をみつけた。
心臓が小さく跳ねる。とっさに、わたしはつまづいたふりをした。
わたしより十センチも背の高いみーちゃんが抱きとめてくれる。
「っと。……大丈夫か?」
「……うん。ありがとう」
もう一度横目で見ると、広場の向こうの彼女は、男の人と二人連れだった。
腕を組んで楽しそうに笑っている。
みーちゃんのことなど、もう忘れてしまったみたいに。
どきどきしながら、みーちゃんの腕を取る。
どうか気付かないでほしい。あの人の方を。
貴女が本当に好きだった人だと知っているから。
「あ、あっち何かあるね。いってみよ?」
そう言って、みーちゃんの腕にしがみつく。決してふり向くことがないように。
「んー」
あの人に背中を向けて歩き始める。
一瞬だけふり向いて見てみると、彼女の顔はもう人ごみに紛れて分からなくなっていた。
「どした?」
「……ううん、何でもない。行こっか」
過去は遠ざかる。未来はどうなるか分からないけれど、
今はわたしだけが、この人の隣にいる。
《了》
最終更新:2007年02月23日 19:10