戦争を描いた名作洋画10選

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今回は、戦争を題材にした洋画の中で特に名作と呼ばれているものを10本ピックアップしました。


(1)地獄の黙示録

ジョゼフ・コンラッドの小説『闇の奥』を原作にした1979年公開のアメリカ映画。
1970年、ベトナム戦争後期。アメリカ陸軍空挺将校のウィラード大尉は、妻と離婚してまで再び戦場に戻ってきた。
彼は、MACV-SOGの一員として、CIAによる要人暗殺の秘密作戦に従事してきた経験が豊富だった。
その実績を買われて、サイゴンのホテルに滞在中、アメリカ軍上層部に呼び出され、元グリーンベレー隊長のカーツ大佐の暗殺指令を受ける。
カーツは、アメリカ軍の命令を無視して暴走し、カンボジアのジャングルの中に独立王国を築いていた。
ウィラードは、カーツの暗殺を命じられる。
1979年度のカンヌ国際映画祭で最高賞であるパルム・ドールを獲得。
アカデミー賞では作品賞を含む8部門でノミネートされ、そのうち撮影賞と音響賞を受賞した。
それ以外にもゴールデングローブ賞の監督賞と助演男優賞、全米映画批評家協会賞の助演男優賞、英国アカデミー賞の監督賞と助演男優賞などを受賞している。
【スタッフ】
監督:フランシス・フォード・コッポラ
脚本:ジョン・ミリアス
   フランシス・フォード・コッポラ
   マイケル・ハー(ナレーション)
原作:ジョゼフ・コンラッド
  『闇の奥』
製作:フランシス・フォード・コッポラ
【キャスト】
ウォルター・E・カーツ大佐:マーロン・ブランド
ビル・キルゴア中佐:ロバート・デュヴァル
ベンジャミン・L・ウィラード大尉:マーティン・シーン
ジェイ・“シェフ”・ヒックス:フレデリック・フォレスト
ランス・B・ジョンソン:サム・ボトムズ
タイロン・“クリーン”・ミラー:ローレンス・フィッシュバーン
ジョージ・“チーフ”・フィリップス:アルバート・ホール

(2)プラトーン

1986年公開のアメリカ映画。
1970年代の「ディア・ハンター」や「地獄の黙示録」に次いで、1980年代にベトナム戦争を描いたオリバー・ストーンの代表作である。
ベトナム帰還兵であるオリバー・ストーンが、アメリカ陸軍の偵察隊員であった頃の実体験に基づき、アメリカ軍による無抵抗のベトナム民間人に対する虐待・放火、虐殺や強姦、米兵たちの間で広がる麻薬汚染、仲間内での殺人、誤爆、同士討ち、敵兵に対する死体損壊など、現実のベトナム戦争を描く。
第59回アカデミー賞 作品賞、第44回ゴールデングローブ賞 ドラマ部門作品賞受賞作品。
【スタッフ】
監督:オリバー・ストーン
脚本:オリバー・ストーン
製作:アーノルド・コペルソン
製作総指揮:ジョン・デイリー
      デレク・ギブソン
【キャスト】
クリス・テイラー:チャーリー・シーン
ボブ・バーンズ2等軍曹:トム・ベレンジャー
エリアス・グロージョン3等軍曹:ウィレム・デフォー
バニー:ケヴィン・ディロン
ビッグ・ハロルド:フォレスト・ウィテカー
レッド・オニール:ジョン・C・マッギンリー
ラー:フランチェスコ・クイン

(3)プライベート・ライアン

1998年公開のアメリカ映画。
第二次世界大戦時のノルマンディー上陸作戦を舞台に、1人の兵士の救出に向かう兵隊たちのストーリーである。
アカデミー賞では11部門にノミネートされ、興行面でも全世界で大きな成功を収めた。
【スタッフ】
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:ロバート・ロダット
   フランク・ダラボン(クレジット無し)
製作:イアン・ブライス
   マーク・ゴードン
   ゲイリー・レヴィンソン
   スティーヴン・スピルバーグ
【キャスト】
ジョン・H・ミラー:トム・ハンクス
マイケル・ホーヴァス:トム・サイズモア
リチャード・ライベン:エドワード・バーンズ
ダニエル・ジャクソン:バリー・ペッパー
ジェームズ・フランシス・ライアン:マット・デイモン(青年時)
                 ハリソン・ヤング(壮年時)

(4)戦場のピアニスト

第二次世界大戦におけるワルシャワを舞台としたフランス・ドイツ・ポーランド・イギリスの合作映画。2002年公開。
ユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの体験記を脚色して映像化した。
カンヌ映画祭では最高賞であるパルムドールを受賞した。
アメリカのアカデミー賞では7部門にノミネートされ、うち監督賞、脚色賞、主演男優賞の3部門で受賞した。
主演のエイドリアン・ブロディはこの作品でアカデミー主演男優賞を受賞した。
【スタッフ】
監督:ロマン・ポランスキー
脚本:ロナルド・ハーウッド
   ロマン・ポランスキー
原作:ウワディスワフ・シュピルマン
製作:ロマン・ポランスキー
   ロベール・ベンムッサ
   アラン・サルド
製作総指揮:ティモシー・バーリル
      ルー・ライウィン
      ヘニング・モルフェンター
【キャスト】
ウワディスワフ・シュピルマン、ウェイディク:エイドリアン・ブロディ
ヴィルム・ホーゼンフェルト陸軍大尉:トーマス・クレッチマン
ドロタ:エミリア・フォックス
ユーレク:ミハウ・ジェブロフスキー
ヘンリク:エド・ストッパード

(5)ヒトラー ~最期の12日間~

2004年公開のドイツ、オーストリア、イタリア共同制作による戦争映画。
ヨアヒム・フェストによる同名の研究書、およびヒトラーの個人秘書官を務めたトラウドゥル・ユンゲの証言と回想録『私はヒトラーの秘書だった』が本作の土台となった。
トラウドゥル・ユンゲ本人が最後に登場している。
1945年4月のベルリン市街戦を背景に、ドイツ第三帝国総統アドルフ・ヒトラーの総統地下壕における最期の日々を描く。
混乱の中で国防軍の軍人やSS(親衛隊)の隊員が迎える終末や、宣伝相ヨーゼフ・ゲッベルス一家の悲劇、老若男女を問わず戦火に巻き込まれるベルリン市民の姿にも焦点が置かれている。
第77回アカデミー賞アカデミー外国語映画賞にノミネートされた。
また、2005年のBBC Four国際映画賞を獲得し、2010年にはイギリスの映画誌である「エンパイア」誌による「国際映画100選」で48位に選ばれた
【スタッフ】
監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
脚本:ベルント・アイヒンガー
製作:ベルント・アイヒンガー
【キャスト】
アドルフ・ヒトラー:ブルーノ・ガンツ
トラウドゥル・ユンゲ:アレクサンドラ・マリア・ララ
エヴァ・ブラウン(ヒトラー:ユリアーネ・ケーラー
ヘルマン・フェーゲライン:トーマス・クレッチマン
ヨーゼフ・ゲッベルス:ウルリッヒ・マテス
マクダ・ゲッベルス:コリンナ・ハルフォーフ
アルベルト・シュペーア:ハイノ・フェルヒ
エルンスト=ギュンター・シェンク:クリスチャン・ベルケル

(6)ホテル・ルワンダ

ルワンダ虐殺を扱った2004年制作の映画。イギリス・イタリア・南アフリカ共和国合作。
1994年、ルワンダで勃発したルワンダ虐殺によりフツ族過激派が同族の穏健派やツチ族を120万人以上虐殺するという状況の中、1200名以上の難民を自分が働いていたホテルに匿ったホテルマン、ポール・ルセサバギナの実話を基にした物語である。
フツ族の過激派が巻き起こした混乱状態の中で、ホテルの副支配人だったポールは自分の家族を救うことだけを考えた。
しかし、虐殺が始まったことを知り、その重大さに気がついた彼はホテルにツチ族やフツ族の難民をともに受け入れることを決断する。
無力ながらも踏みとどまり続ける国連軍や有名ホテルとしてのステータスを盾に人々を過激派からかばい続ける一方で、ホテルの支配人として培った人間関係を利用して彼は1268人の難民の命を救うことに奔走する。
【スタッフ】
監督:テリー・ジョージ
脚本:テリー・ジョージ
   ケア・ピアソン
製作:A・キットマン・ホー
   テリー・ジョージ
【キャスト】
ポール・ルセサバギナ:ドン・チードル
タチアナ・ルセサバギナ:ソフィー・オコネドー
オリバー大佐:ニック・ノルティ
ジャック・ダグリッシュ:ホアキン・フェニックス

(7)シンドラーのリスト

1993年のアメリカ映画。
第二次世界大戦時にドイツによるユダヤ人の組織的大量虐殺(ホロコースト)が東欧のドイツ占領地で進む中、ドイツ人実業家オスカー・シンドラーが1100人以上ものポーランド系ユダヤ人を自身が経営する軍需工場に必要な生産力だという名目で絶滅収容所送りを阻止し、その命を救った実話を描く。
ホロコーストに関する映画の代表的作品として知られる。
第66回アカデミー賞では12部門にノミネートされ、そのうち作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、美術賞、作曲賞の7部門で受賞した。
【スタッフ】
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:スティーブン・ザイリアン
原作:トーマス・キニーリー
   『シンドラーの箱船』
製作:スティーヴン・スピルバーグ
   ジェラルド・モーレン
   ブランコ・ラスティグ
製作総指揮:キャスリーン・ケネディ
【キャスト】
オスカー・シンドラー:リーアム・ニーソン
イザック・シュターン:ベン・キングズレー
アーモン・ゲート:レイフ・ファインズ
エミリエ・シンドラー:キャロライン・グッドール

(8)西部戦線異状なし

1930年のアメリカ映画。
原作は第一次世界大戦の敗戦国ドイツ出身のエーリヒ・マリア・レマルクが1929年に発表し、世界的な大ベストセラーになった同名の反戦小説である。
戦争の過酷さをドイツ側から描く、アメリカ映画としては異色の作品。
第3回米国アカデミー賞最優秀作品賞、および最優秀監督賞を受賞した作品で、アメリカ連邦議会図書館が1990年、アメリカ国立フィルム登録簿に新規登録した作品でもある。
【スタッフ】
監督:ルイス・マイルストン
脚本:マクスウェル・アンダーソン
   デル・アンドリュース
   ジョージ・アボット
製作:カール・レムリ・Jr
【キャスト】
カチンスキー:ルイス・ウォルハイム
ポール・バウマー:リュー・エアーズ
ヒンメルストス:ジョン・レイ
カントレック:アーノルド・ルーシー

(9)大脱走

1963年公開のアメリカ映画。
1943年3月にチュニジア戦線で乗っていたスピットファイア機がドイツのメッサーシュミット機の機銃掃射を受け、パラシュートで脱出した後にドイツ軍の捕虜となったポール・ブリックヒルが、送られた捕虜収容所で体験した脱走計画の詳細を著した本が原作。
戦闘シーンのない集団脱走を描いた異色の戦争映画。
【スタッフ】
監督:ジョン・スタージェス
脚本:ジェームズ・クラヴェル
   W・R・バーネット
原作:ポール・ブリックヒル
製作:ジョン・スタージェス
【キャスト】
ヒルツ スティーブ・マックイーン
ヘンドリー:ジェームズ・ガーナー
ラムゼイ:ジェームズ・ドナルド
バートレット:リチャード・アッテンボロー
マクドナルド:ゴードン・ジャクソン
ダニー:チャールズ・ブロンソン

(10)ライフ・イズ・ビューティフル

1997年のイタリア映画。
第二次世界大戦下のユダヤ人迫害(ホロコースト)を、ユダヤ系イタリア人の親子の視点から描いた作品。
カンヌ国際映画祭で審査員グランプリを受賞。
第71回米国アカデミー賞で作品賞ほか7部門にノミネートされ、そのうち、主演男優賞、作曲賞、外国語映画賞を受賞した。
また、トロント国際映画祭の観客賞やセザール賞の外国映画賞も受賞している。
【スタッフ】
監督:ロベルト・ベニーニ
脚本:ヴィンチェンツォ・チェラーミ
   ロベルト・ベニーニ
製作:エルダ・フェッリ
   ジャンルイジ・ブラスキ
製作総指揮:マリオ・コトネ
【キャスト】
グイド・オレフィチェ:ロベルト・ベニーニ
ドーラ:ニコレッタ・ブラスキ
ジョズエ・オレフィチェ:ジョルジョ・カンタリーニ
エリゼオ・オレフィチェ:ジュスティーノ・ドゥラーノ



どれも一度観たら忘れることはない名作揃い。
戦争は人々から奪うばかりで決して何も与えはしないと、何回も映画で訴えられているのに、なぜ戦争は終わらず、続くのでしょうか。
そんなことを考えてしまいます。
最終更新:2018年01月31日 21:57