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木原唯一(きはらゆいいつ)」を以下のとおり復元します。
【種別】
人名

【初出】
新約四巻

【解説】
[[木原一族]]の一人。既成品丸出しのリクルートスーツの上からぶかぶかの白衣を着た若い女性。
知的好奇心が旺盛で、対[[フロイライン=クロイトゥーネ]]用に[[垣根帝督>垣根帝督(かきねていとく)]]を起動させる際に、
[[第三学区]]の施設へ赴き、垣根を街に開放する事にリスクがあるにも関わらず、
『木原』側のシナリオを破壊してくれる程の活躍してくれれば唯一自身、研究意慾が増して助かると告げていた。

[[木原脳幹>木原脳幹(きはらのうかん)]]の弟子で、彼が[[アレイスター=クロウリー]]に素直に従うのを快く思っていない。
脳幹を尊敬し「偉大な方」とまで表現するが、夜食の用意を断られた際には、
ダンディ、その声がたまらないと言いながら脳幹の首に抱きついたりする。
脳幹自身には「時々人を上に見ているのか下に見ているのか分からない」と注意されている。

[[無能力者>強度(レベル)]]の新たな可能性として『[[人的資源>人的資源(アジテートハレーション)]]』を「プラチナのタグ」、
『八人目』の可能性を秘めた[[滝壺理后>滝壺理后(たきつぼりこう)]]を「経過は極めて良好」「ゴールドのタグ」と評価している。
[[『人的資源』プロジェクト>『人的資源(アジテートハレーション)』プロジェクト]]は[[暗闇の五月計画>暗闇の五月計画(くらやみのごがつけいかく)]]を転用し、
彼女が自分自身の知的好奇心を[[薬味久子>薬味久子(やくみひさこ)]]に植えつけたのが発端であり、
薬味久子が垣間見た記憶から考えると、薬味の元の人格は善人のそれに近いものであったと思われる。

[[上里翔流>上里翔流(かみさとかける)]]に瀕死の重傷を負わされた脳幹に対して、
どんなに残酷でも、どんなにえげつなくても、“目的”を果たすという“木原”らしい行動であるコールドスリープ措置を施す。
そんな成長した教え子を垣間見た脳幹から「自分を超える“木原”」になる様に託されると、
必ず脳幹を越え、『木原』の枠組みすら超えた&bold(){唯一}の存在になると心に誓い、新たな対立軸としての産声を上げるのだった。

かくして上里への復讐鬼へと変貌を遂げた唯一は[[ファイブオーバーOS>ファイブオーバーOS(アウトサイダー)]]で使われたリアルタイムの軍事迷彩技術、磁性制御モニターのサンプルを入手・使用することで[[生徒会長>化粧院明日香(けしょういんあすか)]]の姿を借り、上里への接近を画策する。
上里が生徒会に頻繁に出入りをしていることから『[[理想送り>理想送り(ワールドリジェクター)]]』の情報を集めるには最適な立場だろうとの判断だった。
上条、上里、[[秋川未絵>秋川未絵(あきかわみえ)]]の推察によって「生徒会長が生徒会長ではない」という結論に達した時、
[[上里の右手>理想送り(ワールドリジェクター)]]を切り落として奪うと同時に本性を表した。
本来であれば単なる切り貼り程度で使いこなせる代物では無いのだが、唯一はこれを[[肉体的>サンプル=ショゴス]]、[[精神的>弱毒性サンジェルマンウィルス]]に解決。
上里および[[上里勢力>上里勢力(かみさとせいりょく)]]への復讐という
唯一の目的を果たすべく、上条、上里両名の前に立ちはだかる。
血管内を移動する血液に気泡を与えて死を招く体術、サンプル=ショゴスの力、サンジェルマンウィルスによる魔術、理想送りをそれぞれ思うがままに振りかざして上条達を追い詰め、
最終的に上条にサンジェルマンウィルスを投与し、体内からの崩壊を狙う。
が、その一部始終を見ていた[[御坂美琴>御坂美琴(みさかみこと)]]が激昂。
脳幹の置き土産となった[[対魔術式駆動鎧>対魔術式駆動鎧(アンチアートアタッチメント)]]を装備した彼女の一撃を受け、[[窓のないビル]]まで吹き飛ばされていった。
そして突如現れたアレイスターと結託。上里翔流・御坂美琴の両名に狙いを定めることになった。
ちなみに血液に気泡を発生させる体術に関しては、[[木原数多>木原数多(きはらあまた)]]が[[半端な形でコピー>木原神拳]]していたらしい。

復讐鬼と化してはいるが、随所で(良い意味で)『木原』らしくない善性を見せている。
例えば『理想送り』の調査のために[[生徒会長>化粧院明日香(けしょういんあすか)]]になりすました際、本物の排除には「7000万人に1人のレア度SSRの寄生虫」などと突拍子もない嘘を吐いてまで隔離という穏便な手段を選択している。
また目撃者に対しても、確実性のある殺害という手段ではなく、非殺傷兵器を用いた直近記憶の抹消という手間を掛けている。
しかし一方で、己の復讐に関係のない人間を巻き込むなど、脳幹ならば良しとしないであろう行動も行ったりしている。
これは師である脳幹の「ロマン」を引き継ぎつつも、脳幹を超える&bold(){唯一}となるべく「先生とは違う選択肢を取ってみよう」という考えから唯一が下した判断である。

新約16巻では、御坂を討って対魔術式駆動鎧を奪還するため、そして何より上里を討って復讐を果たすため、学園都市に数多の[[エレメント]]を放つ。
脳幹が遺した浪漫であるA.A.A.のデッドコピーが製造されないよう、その痕跡を執拗に追い続けていた唯一だが、この点を上里らに付け込まれる。
上里が[[暮亞>田妻暮亞(たづまくれあ)]]の力で対魔術式駆動鎧「に見せかけたシルエット」を夜明け空に映し出したことに憤慨。
隠れ家であった[[窓のないビル]]の地下へ続く入り口を開けて上里たちを呼び込み、その最奥で待ち構えて決戦した。
彼女なりのアレンジを加えた唯一の対魔術式駆動鎧を用いて死闘を繰り広げたが、とうとう最後まで真っ当に勝利を収めることは叶わず、皮肉にも上里に繋がれた「自らの右手」で殴り飛ばされた。
その一撃が決定打となったかと思われたが、自らの口に仕込んでいたスイッチを起動することで窓のないビルの直下にあるブースターを点火。
自分もろとも上里達を消し炭にしようと最期の足掻きを見せた。
これは『理想送り』を強引に繋いで使用した上里によって阻止されたものの、上里は「願望の重複」により自滅、『新天地』へ飛ばされ、肝心の『理想送り』は再び唯一の元に戻った。
「上里への唯一の繋がりである『右手』を残し、彼を取り戻す可能性を残す」という半ば脅しに近い条件で上里勢力を服従させた唯一は、最後に1人残された部外者の上条を指し「そのガキを殺せ」と呟くのだった。


上里勢力を乗っ取り『暴君』として君臨した唯一は、勢力内の有力メンバーを直衛に配して肉体的にも精神的にも虐げ続けるのだが、これは一種の実験であった。
彼女が「師を超えた唯一」になるため、そうなったと自己評価するためには、「偉業の達成」を果たす必要があった。
そこで彼女が考えた「偉業」は、「全人類を『木原に脅えて木原を組み込んだ誰か』に作り替える」こと。
言ってみれば相互監視社会を超えた相互犯行社会を作るための実験である。
ただし、物語の終盤に「あるいはもっと別の方法で上里勢力の少女達が元々持っていた残虐性を引き出しても構わない」と地の文で描かれている。

去鳴ら上里勢力の少女たちを恐怖で支配する過程で、彼女たちは唯一を嫌悪し、恐怖し、忌避しながらも徐々に似通っていく。
木原唯一という異物と接し、木原唯一という異物を理解することで、しかし「木原唯一」とはズレた存在となる。
こうして希釈拡散した『木原唯一に媚びて木原唯一となった思考』はやがて学園都市全域に及び、去鳴たちが木原唯一を恐怖したように、学園都市の住人も去鳴達を恐怖し始める。
あとはこれを繰り返すことで、世界を覆うほど広がった『木原』という思考はアメーバのように形を変えて、唯一本人ですら驚くほど変化するだろうとの事。

さらに、こうして移植された『木原』によって新たな『木原』を無尽蔵に生み出すことで全人類を『木原』にしてしまえば、[[宿敵>アレイスター=クロウリー]]の『[[原型制御>原型制御(アーキタイプコントローラ)]]』も無効化できる算段であった。
『原型制御』は人類を好きな形で切り分けて対立させる力だが、全人類が『木原』という共通因子を持ってしまえばどれだけ切り分けようと意味がない。
「『木原』を捨てる=地球人類の滅亡を意味する形」に世界を整えてしまえば、もう誰も何が起きようとも『木原』を切り捨てられない『錆びた歯車(バッドマジョリティ)』の位置を陣取れる・・・との事。


上里翔流の帰還に際して、上里勢力が木原唯一に従う理由も無くなったため、理想送りは奪還された。
去鳴を初めとした上里勢力の精鋭達に囲まれた唯一は、大して興味もない声色で、大きな実験の一つを終わらせたような顔で「ゲームセット」と呟いていた。
その後の唯一の消息は描かれていない。

【口調】
特筆するものはなく、大抵は敬語で会話する。
・・・が、『新たな対立軸』として芽吹いた後は「好悪で言えば○○、善悪で言えば○○」といった言い回しや「ロマン」の言葉を用いている。

新約4巻で[[木原円周>木原円周(きはらえんしゅう)]]が思考を再現した際には、
 「そんな訳でーえ、体内の二酸化炭素揺さぶって全身の血管ぶち破ってやるぜえ!!…っていうのが『木原』らしいので一つよろしくっ!!」
などと中指を立てて言い放っている。むしろ木原唯一の『素』はこっちなのかもしれない。
新約15巻では復讐のためとはいえ、[[普段の彼女からは考えられない口調>化粧院明日香(けしょういんあすか)]]で話していた。

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