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サミュエル=リデル=マグレガー=メイザース」を以下のとおり復元します。
【種別】 
人名

【元ネタ】 
同名の実在した魔術師。 
[[Wikipedia-マグレガー・メイザース>http://ja.wikipedia.org/wiki/マグレガー・メイザース]]

【初出】
新約十二巻(名前のみ)
新約十八巻の再現映像で登場

【解説】
[[魔術>魔術(まじゅつ)]]業界においては著名な[[魔術師>魔術師(まじゅつし)]]の一人。
『[[黄金夜明>黄金夜明(S∴M∴)]]』の「三人の創設者」の一人であり、結社内の二大派閥・メイザース派のトップ。
そこらの魔術師を捕まえて有名人を挙げてみろと質問すれば、 
10本指が埋まる頃には『[[薔薇十字(ローゼンクロイツ)]]』や[[サンジェルマン]]と並んで名前が挙がるとされる。

古いスコットランド式軍服の上から魔女のとんがり帽子や外套を羽織り、マフラーを巻いた中年男性。
右に重心を傾けて立つ癖がある。
妻は[[ミナ=メイザース]]。夫婦仲は良好だった模様。
天才という言葉を補って余りある変人として知られており、
ハイランダーの末裔、スコットランド貴族グランストラエ伯爵を自称し、
スチュアート王朝の再興を切望していた。
まだ若手の魔術師だった[[アレイスター>アレイスター=クロウリー]]の才能を見出し、スカウトした人物でもある。

様々な偉業を成し遂げたが、特に有名なのが古い「[[原典>魔道書(まどうしょ)]]」の翻訳。
「ヴェールを脱いだカバラ」、「術士アブラメリンの神聖なる魔術の書」、「ソロモンの大きな鍵」といった現物ではあまりに難解、かつ猛烈な知識の毒を持つ「原典」を誰でも読める分かり易い形に変換し、
欧州全域にカバラを中心とした魔術文化を蔓延させ、魔術の洋の東西を切り分けた。
最終的に[[近代西洋魔術>近代西洋魔術(きんだいせいようまじゅつ)]]という「現代魔術の基礎理論」を確立したのはアレイスターだが、
このようにメイザースもまた、魔術の基礎理論を独自に構築できるだけの実力を持っていた。
地の文では、[[魔神>魔神(まじん)]]やアレイスターとも並び上回る天才と評されている。

当時の時代らしく軍服に憧れ銃剣巨砲に目を輝かせたり、一点に集中すると周りが見えなくなってしまったりと天才特有の「子供の部分」がある反面、
組織の長らしく人としての情の部分を切り離すことができる人物。
期待に応えられなければ慰めず、躊躇なく鞭を打つ。
ましてそれが「見込みのある」魔術師ならば、崖の下に突き落とし、這い上がってきた者だけを認めていたため、組織の中で最も恐れられ、時に暴君や独裁者などと呼ばれていた。

戦闘では周囲に浮かせた4種の[[象徴武器>象徴武器(シンボリックウェポン)]]を自在に操り、多種多様な魔術を行使する。
属性魔術自体の「圧」は幻想殺しで打ち消せる程度だが、[[バードウェイ>レイヴィニア=バードウェイ]]のように縛りを設けてない分非常に自由度と操作性が高く、
範囲攻撃、時間差攻撃、即死攻撃、精密攻撃、移動、防御など戦闘における様々な分野を象徴武器の操作だけでこなす。

召喚魔術のレベルも恐ろしく高く、[[コロンゾン]]を召喚し契約したり、
最強格の悪魔「[[蠅の王>蠅の王(ベルゼビュート)]]」を召喚して攻撃に使用したり、
[[御使堕し>御使堕し(エンゼルフォール)]]級の純度の[[大天使>天使]]を、&bold(){全四体同時に召喚}して使役した。

総評すると魔術の基本を極限まで極めた、「力」より「技術」で圧倒する達人。
アレイスターは「基本の[[四大元素>四大属性]]を完全に御することで世界の全てを表現する」、
「あれに超常で挑むのは、太陽に向けて懐中電灯を向けるくらいの空回り」
と述べており、「特別な才能を必要としない技術」という魔術の理念を体現した魔術師と言えるだろう。

野心家、というより「子供の部分」に逆らえない性格であり、アレイスターをスカウトした理由もそこにあった。
彼はアレイスターが作った革新的な魔術様式を認めると同時に、
[[ウェストコット]]ら先人達が作り上げた『黄金』の基礎理論の一つ一つをアレイスターが開発したモノと置換していき、
ゆくゆくはその革新的な技術を自らの物として、それらを時代にもたらした大魔術師として、自らの名を歴史に打ち立てようと企てていた。

しかし「[[ブライスロードの戦い]]」でアレイスターに反逆され、彼が用意した偽造文書によりウェストコット派と内部抗争せざるをえない状況に追い込まれる。
戦闘の末にアレイスターと刃を交え、[[ブライスロードの秘宝]]の一撃やクレイモアの斬撃を受けながらも、最期はアレイスターと相打ちになる形で戦いを終えた。。
そして、アレイスターから受けた呪いにより成功の目を見ることなくその生涯を終え、
遺体は名前を伏せて[[ウェストミンスター寺院]]に埋葬された。

...と、アレイスター(と読者)からは思われていたが、新約二十巻ラストでメイザースおよび黄金メンバーら本人が当時の全盛期の状態で登場。
理屈や経緯は不明だが生きながらえており (コロンゾンが関わっていることが示唆されている)、
同じように生存していた『黄金』の構成員達を引き連れ、アレイスターと対峙した。
「[[リリス>ニュイ=マ=アサヌール=ヘカテ=サッポー=イザベル=リリス]]は救われるべきではなかった」と断じ、『復讐者』という性質を失ったアレイスターを蔑んでいた。

そして「黄金」のメンバー達と共に残りの[[クロウリーズ・ハザード]]を殲滅し、アレイスターを殺害すべく行動を開始した。
圧倒的な魔術の腕とウェストコットを思わせる不死性でアレイスター一行を追い詰めるが、反撃により[[ベリッジ>エドワード=ベリッジ]]を倒されたことで秘密を暴かれる。

彼ら復活した「黄金」メンバーの正体は、コロンゾンによって作成されたイギリスの防衛装置。
ミナ=メイザースのようにタロットカードに人格を写すことで、意思を持つ「原典」として復活した。
前述の不死性も、何人にも破壊出来ない「原典」の特性によるものである。
つまり彼らは本人ではないが、「設定」として過去の当人の人格、術式を持っている。
生まれた経緯上作成したコロンゾンの指示に抗えないが、
「再現」とはいえ腐ってもメイザース。魔道書の翻訳者である彼は独自解釈でタロットの番号を入れ替え、「黄金」の中で唯一コロンゾンの支配を脱却した。

命令であるアレイスターの殺害はメイザース自身の意向もあり従っているが、だからといってコロンゾンの味方をしているわけではなく、むしろ出し抜こうとしている。
彼の本当の目的は過去と同じくコロンゾンを使役し追い返すことで、他の「黄金」メンバーを解放し、完全な自由を得ること。

その後紆余曲折あった後、平原でアレイスターとの一騎打ちに臨む。
アレイスターは彼に「オリジナルでないのなら過去の因縁はないはず」と問いかけ、
メイザースは「作り物だとしてもそこに留まるかどうかを決めるのは俺自身、コロンゾンもアレイスターもどうでも良いが、『反抗』の結末は俺が決める」と返す。
そして過去のトラウマを乗り越え聖書を手に取ったアレイスターに対し、あえて自身も同系の魔術を使用し、決闘が始まる。
天使の召喚など「神の子」に由来する魔術同士を即興でぶつけて無力化しあい、拳での殴り合いにもつれ込む。
「原典」の不死性により徐々にアレイスターを追い詰めたが、
真理に辿り着いたアレイスターの魔術によって[[地脈・龍脈]]からのエネルギーを断たれ、タロットへと戻っていった。
そしてメイザースと呼ばれた何者かは、笑いながら消えていった。
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