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サンジェルマン - (2021/07/10 (土) 03:53:05) のソース

【種別】
人名(劇中でのアルファベット表記はSt.Germain)

【元ネタ】
18世紀頃にヨーロッパに実在した記録がある(あるいは、今なおどこかに存在する?)貴族、Comte de Saint-Germain。
本編でも語られるような数多の伝説を持ち、かのナポレオン3世が関心を抱いて関係する資料を警察に集めさせたほど。
また、薔薇十字団員を自称している。
これらの資料は火災により全て焼失しており、サンジェルマンの足跡の殆どは現代では失われている。
[[Wikipedia-サンジェルマン伯爵>https://ja.m.wikipedia.org/wiki/サンジェルマン伯爵]]

【初出】
新約十二巻

【解説】
[[魔術師>魔術師(まじゅつし)]]として究極の力を持ちながら、[[魔神>魔神(まじん)]]の一員に加わるのを拒んだ人物。自称「第三の分類」。
ダイヤモンドの傷を直したという伝承に由来する[[シャンボール]]という術式を使う。

その本質は、寄生性質を持つある種の微生物の群体。
元々はある1人の人間の魔術師だったが、彼が自らの肉体を分解したことで誕生した。
普段は乾燥した『黒い丸薬』状の物体として保存されているが、
人間がこの丸薬を口にすることで、その肉体を乗っ取って新たな「魔術師・サンジェルマン」として活動を始める。
乾燥状態であれば、人間の寿命を超える長期間でも保存可能。
このために「時代時代で断片的に目撃される、不老不死の存在」であるかのように見える、という仕掛けである。
[[オティヌス]]の説明によれば、まずサンジェルマンに関する伝説や噂話が存在し、その伝説を再現する具体的な手法が確立された結果が
ここで言う「サンジェルマン」なのだという([[ネクロノミコン>死霊術書(ネクロノミコン)]]に似た成立経緯である)。

サンジェルマン自身には[[魔力>魔力(まりょく)]]の源となる生命力がないため、
魔術を使うためには、まず宿主の肉体を乗っ取って生命力から魔力を練る必要がある。
このため、学園都市製の[[能力者>能力者(のうりょくしゃ)]]に感染すればその時点で競合現象が発生し、最悪の場合死に至ることになる。

確立後、他人に人格を感染・増殖させることで西暦500年あたりから現在まで活動を続けてきた。
感染された人間の大半は、燕尾服に片眼鏡という揃いの服装に変化する。
(劇症型だからなのか、幻想殺しがあったからか、上条の場合は例外で左側の顔と手が黒くなっている)
どれだけ増殖しても全個体は完全に同期・並列化されている。
新約十二巻で出番が多かった金髪の個体も「本体」ではなく、
単に外見が[[フレンダ>フレンダ=セイヴェルン]]に似ているというだけの理由で[[偽藍花>加納神華(かのうしんか)]]との交渉役に選ばれたに過ぎない。

あくまで「感染からの個体の同期・並列化」までを成功とみなしている事から、個々の研磨を怠っており、視覚などによる知覚は割と雑な傾向がある。
感染された人間は魔術を行使できるため、その圧倒的な物量は『シャンボール』の術式の特性と[[ダイヤノイド]]という地の利も相まって[[上条当麻>上条当麻(かみじょうとうま)]]に苦戦を強いた。
感染者の中には能力者も混じっていたようで、超能力者の魔術使用による副作用で負傷(ひどければ死亡)してしまう個体もあった。

創約二巻では、自分を丸薬にした原初の「魔術師サンジェルマン」が登場。
劇症型サンジェルマンウイルスに冒された上条の問いかけに応える形で意識を表した。
「魔術師サンジェルマン」が『サンジェルマン』の術式を組んだ元々の理由とは、「他人に夢を与えるため」。
自身の利益や名声は求めておらず、街中に現れてちょっとした余興で皆を驚かせられれば十分だったという。
彼は「嘘から始まった技術」であるサンジェルマンが、それを追いかけて偉業を成し遂げるような
誰かが現れるきっかけとなることを望んでいた。
しかし、現実には「魔術師サンジェルマン」の周囲には現実の利益や名声を求める俗物たちが群がってしまい、
結局彼らを騙し切れなくなったことで断罪を求められ、自らの肉体を捨てる羽目になってしまった。

【作中での行動】
「上条当麻の目の前で藍花を死なせる事で上条当麻の性質を歪める」という魔神らに対する嫌がらせを目論み、上条の前に姿を現す。
偽藍花を唆し、あらかじめ用意していた[[アンの盾]]と呼ばれる霊装でもって、間接的な偽藍花の殺害を画策していたが、フレンダ=セイヴェルンの『遺産』によって失敗。
[[インデックス>禁書目録(インデックス)]]に感染経路を断たれて増殖が不可能になり、最後は加納の拳で撃破された。
[[僧正]]曰く、何度[[位相]]を操作して世界を改変しても、必ずどこかのタイミングで自然発生してくる厄介な存在だったらしい。

新約二十二巻リバースでは丸薬の状態で久々の再登場を果たし、直後[[アンナ>アンナ=シュプレンゲル]]に食べられる。
創約一巻で、アンナに毒性を高められた「劇症型」が、アンナのキスで上条の体内へ侵入。
創約二巻では、幻想殺しによって活動が抑えられながらも上条の肉体を浸蝕し、瀕死の状態にさせた。
が、アンナとの戦闘の際、上条に説得され魔術師として彼に協力することになる。
上条と互いに交代しながら戦い、上条は幻想殺しを、サンジェルマンは魔術を使いながらアンナの攻撃を捌いた。
アンナを撃破した後、上条の体が限界に近づいたため、
サンジェルマン自らの意思で上条の体内のウイルスを幻想殺しに集め、上条に命を譲って自滅した。

【口調】
丸薬の経口摂取で感染した「サンジェルマン」は宿主によって口調が変化するが、
原初の「魔術師サンジェルマン」は、男性的で冷静な口調で話す。
 例)『誰にものを言っている。地脈の地雷なら私に任せろ、君は目に見える脅威と戦うだけで良い』
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