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フィアンマ - (2019/10/10 (木) 13:53:55) のソース

【種別】
人名(通称)・役職名

【元ネタ】
イタリア語。fiamma:火・炎

【初出】
名前のみ十三巻
実際の登場は十六巻

【CV】
森川 智之

#contents

*【解説】
[[ローマ正教]]禁断の組織『[[神の右席>神の右席(かみのうせき)]]』所属の魔術師。
二つ名は『右方のフィアンマ』。対応している[[天使]]は『[[神の如き者(ミカエル)>神の如き者(ミカエル)]]』。
生まれつき『世界を救う力』をその体の内に抱える、『もう一つの右手』を持つ男。

*【人物】
セミロングの赤髪にあまり鍛えている様には見えない体つきの、
中性的な容姿の青年。

一見爽やかな雰囲気だが、目は常に笑っておらず、
その印象以上に不自然で異様な威圧感を放っている。

『[[神の右席>神の右席(かみのうせき)]]』のリーダー格であり、他の三名も最終的な判断はこの男に任せていたらしい。

暗部中の暗部とは言え、仮にも一介のローマ正教徒であるにも関わらず、
『全ての人々を平等に救う』という十字教共通の指針を蔑ろにするような言動を数多く見せており、
敵味方にどれだけの人的・物的被害をもたらそうと一顧だにせず、
あくまで自身の目的を最優先にして行動している。
(『人間』の定義が非常に狭い[[テッラ]]ですら、極力同胞のローマ正教徒には配慮を見せていた)

一応、本人は一連の行動に対し「誰かがやらなければならない」「絶対的な善の到来を意味する」
ものだと述べているが、明確に十字教徒とは一線を隔す在り方については
ローマ教皇をして「本当に十字教徒なのか」、[[ヴェント]]ですら「悪意の捉え方がねじ曲がっている」など相当な言われ様である。

「強大な力を持ちながらも自己に忠実で他を省みず、結果として取った行動が善行になる」という点では、
上条に通じるものがあり、全体的に上条の持つ負の側面だけを浮き彫りにしたような存在だと言える。

*【能力・スキル】
司る位置が『右』であるだけに『神の右席』の中で最大の力を持ち、
巨大な[[霊装>霊装(れいそう)]]として機能する[[バチカン]]や、
聖ピエトロ大聖堂の補助を得た[[ローマ教皇]]をも一蹴してしまう程の実力を有している。

『[[神の右席>神の右席(かみのうせき)]]』として振るう天使の力は、
『[[神の如き者>神の如き者(ミカエル)]]』の持つ奇跡の象徴である『[[聖なる右]]』。
しかし、圧倒的な力を備えているものの人間であるフィアンマには『右腕』の力を完璧に引き出すことはできておらず、
その力は本来のものに比べればちっぽけで、一振りで空中分解しそうになるほど不安定で不完全なもの。


また、薄める原罪を取捨選択することで、ある程度「知恵の実」を残しており、
神の右席としての力に加えて「人間用魔術」も火属性に限られるが使用できる。
加えて、「一つの属性を操るということは、広義において他の属性に影響を与えることである」という理論に基づき、
火属性を介して他の属性を操作することで、実質的にあらゆる属性の魔術を行使できる。
ただしこの手法は[[四大属性]]の歪みのせいで不完全だったらしい。

フランスや[[ローマ正教]]に加えて、[[ロシア成教]]すらも裏から操って[[第三次世界大戦]]を引き起こした張本人でもあり、
ロシア成教とローマ正教、[[イギリス清教]]と[[学園都市>学園都市(がくえんとし)]]などの勢力図の中に、
一個人である「右方のフィアンマ」の名前が入るほどに、その力は強大。

*【作中での行動】
『世界を救う力』を内包する『聖なる右』の力を完全にし、それを用いて「世界の救済」をしようと動いており、
内包する力を出力するための『材料』として[[幻想殺し>幻想殺し(イマジンブレイカー)]]の宿る[[上条当麻>上条当麻(かみじょうとうま)]]の右腕を、
そしてこれを制御する為の『知識の宝庫』として[[インデックス>禁書目録(インデックス)]]を制御する[[外部端末の霊装>『自動書記』の遠隔制御霊装]]を、
更に天使を下ろした[[サーシャ=クロイツェフ]]を『素材』として回収しようとしている。
[[第三次世界大戦]]は、彼がこれらの目的を達成するために様々な手を用いて勃発させたもの。
それまでは基本的に自ら行動することはなかったらしく、初登場の際にはローマ教皇に「『奥』から出てきたのか」と驚愕されている。

戦争そのものや、結果的に得られる利益などには全く頓着していない。
第三次世界大戦を引き起こしたのは飽くまでも、設定した敵に合わせて適切な出力を行う「聖なる右」の性質を逆手に取って、
第三次世界大戦や、[[黄金の腕]]の出現に伴って発生するであろう世界中の「悪意」を浮き彫りにし、
これを敵として設定することで「世界を救う力」を引き出そうとしたものである。

[[エリザリーナ独立国同盟]]にて彼の対策を話し合おうとする上条達の前に突如出現し、その圧倒的な力を見せつけた。
[[エリザリーナ]]、[[レッサー]]、上条らを反撃の間すら与える事なく叩きのめし、
民を救おうと出てきてしまったサーシャを一撃で無力化させ、助太刀に現れた同じ「神の右席」の[[前方のヴェント>ヴェント]]すら一蹴する。
しかし幻想殺しはその性質上容易に運ぶことはできず、サーシャを連れ去りその場を後にした。
『右腕』の力も、インデックスの中の知識を活用する事により空中分解寸前で固定化する事に成功、時間制限の問題もほぼ無くなっている。

さらにはその後[[ベツレヘムの星]]の建造及び浮上と[[ミーシャ>ミーシャ=クロイツェフ]]の召喚を執り行い、
空中に満ちる[[天使の力>天使の力(テレズマ)]]、[[天体制御>天体制御(アストロインハンド)]]で調整された空、そこに浮かぶベツレヘムの星。
これらを利用した大規模術式により世界の歪みを直し、[[四大属性]]の配置を正すことで『右腕』の更なる安定と強化を成し遂げた。

22巻では上条当麻と戦闘し上条当麻の右腕を切断・吸収した事で『神上』にまで至った。
だが、謎の透明な『何か』によって上条の右腕が再生したため、
吸収した右腕から幻想殺しや器としての強度などの機能が劣化した。
(これは上条当麻の右腕にしか幻想殺しが宿らないという性質によるもの)
その後の戦闘により、世界の善意が悪意に打ち勝った影響もあって、
徐々に第三の腕の力が弱まり、幻想殺しで破壊できる程度の出力となってしまう。
結果、様々な策を用意して行われた「世界の救済」は成功することなく、上条の拳を受けて敗北した。

その後、一つだけ残っていた脱出用コンテナに上条の手で乗せられ、ベツレヘムの星から脱出。
上条の言葉通り「世界」について改めて学ぶ事を決意した。
しかし、脱出後に突如姿を現した[[アレイスター>アレイスター=クロウリー]]に不意打ちで右腕を切断され大幅に弱体化し、
僅かに残された第三の腕の力でアレイスターに挑むもあえなく敗北。
雪原にて倒れ伏し、今にも息絶えそうな所で、[[オッレルス]]と[[シルビア]]に保護された。

新約では4巻にて初登場。東欧の街[[バゲージシティ]]において、[[オティヌス]]の前にオッレルスと共に立ち塞がる。
オティヌスが上条の右手を潰したために、フィアンマがベツレヘムの星において取り込んだ幻想殺しが機能し、出力する右手はないものの
『世界を救う力』が肩口にかき混ぜた砂糖水のような姿で渦巻いていた。
オッレルスからも魔神オティヌスを押し返す切り札として考えられており、
また「極めて強大な力を持つ」ともされており、未だその力は絶大であるようだ。

新約8巻ではまたもオッレルスとタッグを組んでオティヌスと対峙する。
新約6巻において実験していたという詳細不明のステルス術式を使用して魔神オティヌスを完全に欺き、[[妖精化]]を打ち込むことに成功する。
属性の歪みや神上の消失、遠隔制御霊装の有無、力の象徴である右手を失うなど全盛期と比べれば大幅に弱体化しているものの、
魔神でさえも騙し切るステルス能力を有し『妖精化』を易々と使いこなし、オティヌスの数億を超える爆発の直撃を食らいながらも
口から出血する程度で済むなど、フィアンマの絶対的な実力は揺らいでいない。
ロシア編における彼の、全盛期の実力の凄まじさが改めて窺える。

その後、新約13巻で『[[真のグレムリン>グレムリン]]』の1柱・[[僧正]]に追われる上条と美琴を助ける為に、
パワーアップした『[[変異型妖精化]]』の術式を携えて僧正と対峙した。
が、全く効かずに一瞬で返り討ちにされてしまい、たった一瞬、わずか3ページの攻防の果てに宙を舞い、芝生に叩き付けられる姿は上条をも唖然とさせた。
魔神の強さを読者に見せ付ける為の&bold(){噛ませ犬}にされてしまったと言えるかも知れない。
(裏を返せば、それだけ[[僧正]]が強すぎるという証左になった。
これが[[魔神>魔神(まじん)]]ではない一介の魔術師が相手ならば、足止めどころか撃破すら可能だっただろう)
ちなみにそれ以来は一切の描写がなく、新約二十二巻リバース終了時点でもなお生死不明。

*【口調】
一人称は「俺様」。傲岸不遜な態度で話す。
 例)「『前方』『左方』『後方』の地位など、再び誰かをあてがってしまえばそれで済む。この俺様が生き続ける限りはな」

*【補足】
上記の台詞は十六巻からの抜粋である。
この台詞から、「『右方』の座にいる人物は『神の右席』設立当初から変わっていない」
「『右方のフィアンマ』が生きている限り『神の右席』は存続できる」
と考えることができる。
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