【名前】垣合 植彦 (かきあい うえひこ)
【性別】男
【所属】
科学サイド
【能力】なし
【概要】
第二十一学区の山岳地帯のふもとに『垣合総合医院』を構える開業医。ちなみに独身。
専門は外科だが、いわゆる町医者として内科含めあらかたの分野は修めている。能力開発を行う学園都市内であるため、
専門には遠く及ばないものの薬物についての知識もある程度持ち合わせている。
「指導は厳しいけれど明快で丁寧。」とは研修医の談。総合して、医師としては上の下程度の実力を持つ。
「患者を余計な不安や苦痛から救う」という志を持っており、患者のためには手間を惜しまない。が、スタンスとしてはあくまで
町医者であり、高い専門性を要求するケースでは紹介状を書いてより大きな病院に任せる場合もある。
勤務中は常に微笑みを絶やさないがどこかひょうひょうとしており、現在ではスタッフたちですらめったに感情を爆発させるところを見ない。
が、開業当初は頻繁に悩むような様子を見せており、物にあたることもあったとか。
『在庫管理(ストックキーパー)』
垣合の裏の顔および通称。開業当初、資金繰りに困って借金した挙句返済に難儀していた垣合がとある暗部組織と契約して始めた「副業」。
その内容は、「下部組織の補充用の人員の健康を保ち、暗部での活動に耐えられる状態にする」こと。簡単に言えば治療+軽いドーピング。
手順としては、
1.組織が補充用の人員(一般人とかスキルアウトとか)を何らかの方法(適当に痛めつけるとか)で医院に送る。
2.医院にて治療を行い、痛み止めなどと称して薬を使用、もしくは処方する。
3.後日、組織がそれらの人員を下部組織に取り込み、垣合本人に報酬が入る。
やってること自体は薬の処方程度なため報酬はそれほど多くないが、患者の数が増えるので増益効果は大。
開業当初、垣合はほうぼうからの借金で首が回らなくなってきていた。そこに目を付けたとある暗部組織が頭金持参で依頼(脅迫)し、この関係に至る。
最初こそ弱みに付け込まれたと嫌々やっていた垣合だが、次第にこの「副業」のもたらす利益が形になって現れ始める。
増益→経済的余裕→治療費ダウン→支持拡大→増益→…の好循環になり、ついに借金も返済。増益はなおも続き、医院の規模の拡大も成し遂げる。
そうしていつしか喜びさえ感じながら過ごしていたある日、かつて「出荷」した一人の男から、人員が湯水のごとく使い捨てられる暗部の現実を初めて知る。
自分が心身を治療し健康にしていた人たちは新たな職を得て安定した生活を送れるようになる(依頼の際に聞かされた文言)のではなく、
人として扱われすらせず死んでいくという事実を認識した垣合は大きなショックを受ける。今さら辞めると言えば自分たちの命が危ない、しかしこのままでは
多くの人たちを殺し続けることになってしまう。板挟みの状況で、結局垣合には自分たちの命を危険にさらす勇気がなかった。
以後、自責の念に苛まれ、自己満足と知りつつ自分の給料を削るなどしてひねり出したお金を「置き去り」を保護する孤児院に寄付するなどの慈善活動を行っていた。
関係も継続していたが、第三次世界大戦後に突如として暗部が解体され、契約も解消される。
報酬がなくなったことで以前より利益が少なくなったが、自らの責任であるからと治療費の値上げやスタッフの給料のカットはせず、寄付も減らさずに続けている。
契約以前と変わらない日々に戻った今も自責の念は消えないが、さりとて他人に話せることでもなく、
勤務中は一心に患者と向き合い帰宅後はしばしば布団にもぐって泣く日々を過ごしている。
【特徴】
中肉中背の42歳。白Yシャツネクタイに紺ズボンの格好の上に白衣を羽織っている。
すっとしているがどこか憂いを帯びた顔立ち。仕事柄清潔さを保っており、年と性別の割にきれいですべすべとした肌が特徴。当然短髪。
【台詞】
台詞の最初に「まあ…」などと間をおくことが多い。
「ええ…ことによると血栓があるかもしれません。後ほど紹介状をお渡ししますので、近いうちに精密検査を受けることをお勧めします」
「ああ………、と、過労でしょうね。お薬、出しておきましょう(…ごめんなさい…どうか、無事で…っ)」
「事実、私の浅慮のために大勢の人の人生を奪ってしまった。取り返しはつかないが…うん…だからこれは、本当は償いなんかじゃない。ただ私自身を慰めてるだけなんだろうな…」
【SS使用条件】
もしよければモブ要員にでも。殺してしまってもOKです。
『垣合総合医院』
数年前に開業した、垣合が院長を務める診療所。薬局も隣接。スタッフは20人弱で、救急用の5台のベッドを除けば入院設備はない。
いわゆる「町のお医者さん」的な役割を持ち、外傷から食中毒まで広くカバー。スタッフは子供たちにとっての親の世代が多いが、若い研修医も数人いる。
スキルアウトや、明らかにまともな職業ではないと分かるような患者も方針として受け入れているが、今のところ出産は設備的に不可能。
学園都市なのでそうそう出産する人などいないが。それを除けば大した欠点もなく、
異様に安い治療費と多様な薬剤、そしてくつろげる雰囲気を売りにスキルアウトから研究者まで幅広い支持を得てそこそこ順調な営業を続けている。
最終更新:2012年10月05日 13:14