「ザイフリート! ねえ、ザイフリート」
「はい、なんでございましょうか、ジークリンデお嬢様」
「ジークちゃんはおなかが空いたのですよ。ご飯はまだなのかしら」
「お嬢様、前回と台詞が全く同じです」
「…………」
「…………」
「うにゃあお。もう我慢できないのですよ。猫缶がいい」
「……お嬢様、一字一句同じです。ものぐさにもほどがございますよ。そもそも少しでも家事を手伝ってさえいただければ、食事ももっと早くご用意できますものを(クドクド」
「にゃーん(はー、めんどくさい)」
「(ハァ)お待たせいたしました。急いで作ったものでお口に合いますかどうか……お嬢様、どうなさいましたか?」
「うふふ、ザイフリートがおいしいご飯を作ってくれるおかげで、ジークちゃんは毎日幸せなのです」
「!!」
そして──
その日の夕食から、ジークリンデの分のおかずが少しだけ豪華になった。
「ささ、お嬢様、ご遠慮なさらずにお召し上がりくださいませ、ささ☆」
「(ちょろいわ……)」
最終更新:2014年01月18日 07:58