「ふぅ、とりあえず掃除は終了、と。昨夜はどこかの猫たちがケンカしてうるさかったから今頃眠気が」


トゥルルルル


「……っと、電話、電話」


ガチャ


『ザイフリート。娘の様子はどうかね』

「はい、旦那様。良くも悪くも《いつも通り》でございましょうか」

『そうか……。私も妻も、この期に及んでジークリンデに魔女の血筋を継いで欲しいなどという願望は押し付ける気はないのだがね』

「はい……」

『こうして無事を確認できるだけでも喜ばしい。ザイフリートには感謝しているよ』

「恐れ入ります」

『あとはせめて、当主を任せるにふさわしい相手を見つけて、次の世代を産んでくれればいいのだがねえ』

「旦那様。このザイフリート、その件に関しましては命に代えて果たすつもりでございます」

『ふむ、まあ過度な期待はせずに見守っておくとするよ。それまでの間ジークリンデの世話をよろしく頼む。あとできればニート脱出も』

「うっ、その件に関しましても命に代えて(汗)」

『それとザイフリート。ひとつ忠告があるんだがね』

「なんでございましょうか、旦那様」

『猫は勝手に増えるからくれぐれも気をつけてくれたまえ』ガチャ

「!!!?!?」

《猫は勝手に増える》
《猫は勝手に増える》
《猫は勝手に増える》
《猫は勝手に増える》
《猫は勝手に増える》

ガーン…ガーン…ガーン…ガーン…ガーン…

「ただいま帰ったのですよ」

「(ガーン…ガーン…ガーン…ガーン…ガーン…)」

「ザイフリート?」

「はっ、お嬢様!!」

「???」

「お、お嬢様の発情期はいつでございますか──ッ!!」


記録はここで途絶えている

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最終更新:2014年01月18日 07:59