【名前】オリヴィエンナ・パウスフィームド
【性別】女性
【所属】魔術
【能力】逆光の剣《フラガラッハ》
【設定】
 ケルト神話に出て来る魔剣。海神マナナン・マクリルより光神ルーに与えられた短剣で、ルー自身が作ったという説もあるが明記されていない。回答者、報復者という意味を持ち、英語でアンサラーと呼ばれる。
 この剣の刃を見た敵は力失せ、誘われるように斬り伏せられてしまうという。その一撃は鎧で止める事は不可能であり、どんな鎖も斬り裂くとされる。抜こうと思うだけでひとりでに鞘から抜け、ルーの手に収まるという。また、敵に向かって投げれば剣自らが敵を倒し手元に戻って来る。更にフラガラッハに付けられた傷は治癒されないとも。勿論、レプリカである逆光の剣にオリジナルほどの性能は無い。
 使用しない時は銀色に輝く石球の状態で、万が一の暴発を防ぐ為に外部からの魔力を遮断する呪符で包まれている。石球の大きさな小石程度。霊装の材料には「奥深き森」でしか採掘出来ない、世界の力が凝縮し物質化した特殊な魔石が使われる。他の鉱石でも一応は製作可能だが、その場合は全体的な性能が二段階ほど低下してしまう。
 能力は単純な光弾だが、魔力充填だけでは発動しない。魔力を充填してから使用された相手の魔術の魔力情報を記憶すると、石球は発動準備段階に入ってオリヴィエの周囲に浮遊する。そして再び同じ魔術が発動された瞬間、魔力を感知した剣は自動的に光弾となって魔力元(すなわち、魔術と魔術師)へとレーザーの如く発射され、魔術を無効化してから魔術師を射抜く。捕捉するのは二つまでで、霊装が魔術を発動した場合は魔術と霊装を狙い、魔術師本人は狙わない。常時発動しているタイプの魔術に対しては、魔力情報を記憶した瞬間に解放される。相手の魔術が発動されなければ目覚めないというカウンターに特化した迎撃魔術霊装。一発限りの使い捨てで、狙いが当たろうが外れようがフラガラッハは超電磁砲のコインのように消滅してしまう。攻撃自体は小さな小石程度の傷しか作らないが、急所を貫通させれば致命傷となる。
 ただし、この魔術霊装は「同一の魔力情報を感知した場合のみ発動する」という特性故に、別の魔術が発動された場合は発射されないという欠点がある。また、一度でも魔力情報を記憶してしまうと術者本人でも情報を消去出来ない。つまり、せっかく迎撃準備に入っても、相手がフラガラッハの記憶した魔術を行使しない限り無意味だということ。
 一つの魔術を多用するタイプの魔術師に対しては効果的だが、複数の魔術を使用するタイプの魔術師とは相性が悪い。仮にオリアナと戦闘するような事があれば間違いなく劣敗する。また、たとえ命中しても再生能力があるなどの理由から致命傷とならない相手とも相性が悪い。他に、軌道が直線的なのでタイミングを見切り高等な身体制御術式を使えば回避は一応可能という点がある。フラガラッハが無効化できるのは記憶した魔術だけであり、それとは別に、疑似光化したフラガラッハと同等、或いはそれ以上の魔術に妨害されてしまった場合は相殺・消滅させられてしまう。多少相手の魔術が下回っている場合でも、フラガラッハの威力・速度・強度は減衰させられてしまう。術者自らがフラガラッハを発射する事も出来るが、疑似光化・魔術無効などの特殊効果が発揮されず普通の攻撃になってしまう。
 逆光の剣を有効的に発動させるには、同じ魔術を使わざるを得ない状況に相手を誘い込む技術が必要になる。そこで彼女はフラガラッハの他に投擲用の霊装を巧みに使って相手と距離を大きく離し、遠距離型の魔術を使わざるを得ない状況に敵を誘い込む事で、同一の魔術を発動させる確率を上げている。
 因みに、空飛ぶ剣と逆光の剣はどちらも「フラガラッハ」という名称の霊装だがそれぞれ別物。
 実戦には一応使えるが未完成品であり、まだまだ調整が必要とのこと。発射後に消滅せず手元に戻ってくる事、一度記憶した魔力情報の消去が出来るようになる事、そして霊装を石球ではなくちゃんとした「剣」にする事が当面の目標。

【概要】
 イギリス清教の女性魔術師。魔術霊装技師。射殺す逆行の光。弾剣使い。
 所属部署は魔術霊装の製作・解析・調整を主な業務とする工房。彼女はそこで働く魔術霊装技師、通称“魔技師”””である。教会の面々がアウトドア派なら工房はインドア派。霊装の材料を調達しに郊外へ出ることもあるが、基本的に構成員は自分の工房にひきこもって霊装を弄くっている。工房の本拠地は大英博物館《アーセナル》の地下に存在している。
 オリヴィエが工房に所属して最初に製作した霊装はもちろんフラガラッハである。工房に配属されたばかりの新人は、まず工房全体を取り仕切っている「教授」からどんな霊装を作りたいのかと質問される。その質問に対する彼女の返答がフラガラッハであった。何故数多ある選択肢の中からピンポイントでフラガラッハを選定したのか。別に驚くような大それた理由なんて無い。ただ単に、頭にふっと浮かんだのがフラガラッハだったという、それだけの話である。
 教授曰わく、この段階で目標とする霊装の名称を明確に言えるのは比較的珍しいとのこと。近頃は具体的で体験的な効果ではなく、抽象的で概念的な効果を挙げるばかりで、武具の名称はおろか神話の体系すらも決めていない人間ばかりらしい。

 幼い頃に自宅の書斎で読んだ太陽神ルーの物語が強く印象に残っており、教授の質問にフラガラッハと直ぐに返答できたのもこれが原因。投擲用の霊装を使う戦闘スタイルもルーの影響を受けているが故である。
 十三歳の時に両親の反対を押し切ってイギリス清教の魔術学院に入学。その頃から卒業後の専属先は必要悪の教会だと早くも心に決めていたが、卒業後、完全な実力主義であるネセサリウスの一員となるには彼女は実力不足であったため、戦闘力は必要ない工房に取り敢えず所属することにした。自分に力が不足しているのなら、その分を強力な霊装で補えば良いと考え、フラガラッハの製作に尽力する。
 フラガラッハの製作に一応成功し、さぁこれで必要悪の教会に入れるぞと張り切って聖ジョージ大聖堂に赴いたは良いものの、逆光の剣には欠点が多いからもう少し調整しろと言われて所属を拒否されてしまう。今度こそ必要悪の教会に所属すべく、現在はフラガラッハの調整中。
 生真面目で礼儀正しいが、あまり融通の利かない堅物。根気強く粘り強い。あらゆる物事の長所や美点などの「良いところ」を一つは必ず見抜けるが、短所や欠点などの「悪いところ」は他人に指摘されるまで絶対に気付けない。極度の方向音痴で、剣の材料を採掘するため「奥深き森」に入った際は絶対に迷ってしまうのだが、彼女はそもそも自分が迷子になった事にすら気付かずそのまま突き進んでしまう。森に棲む優しい妖精の手助けがなければ永遠に迷い続けて餓死してしまうかも知れない。

【特徴】23歳。身長172cm。体重54kg。男性から見れば格好良いお姉さんに、女性から見れば凛々しいお兄さんに見える中性的な容姿。髪は金色のセミショート。腰まで伸びている後ろの髪を髪留めで留めている。純白のドレスシャツに濃紺のネクタイ、フレンチ・コンチネンタル風のダークスーツ。
【台詞】
【SS使用条件】

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最終更新:2011年09月30日 19:56