【名前】ティア=ラスター=ホルシュタイン
【性別】女
【所属】魔術
【能力】『昇華術式』、『母なる荒波(ティアマト)』
【能力説明】
『昇華術式』
中国において鍛冶屋の妻の爪と髪を混ぜて作成した『莫邪刀』。ケルト神話において海獣の骨から作成した『ゲイボルグ』。北欧神話において死骸が世界の材料となったユミルに、メソポタミア神話において同じく世界の材料となった女神ティアマト。
このように、『昇華術式』は『身体の一部や死骸そのものからより高度なものを作成、昇華する』というコンセプトの術式。
相手の体の一部を武器に組み込む、付着させる等の行為を行った場合、ただ床や壁に打ち付けるだけで攻撃が当たらなくてもダメージを受けるという、『蓮の杖』や呪いの藁人形に似通った効果を持つ。
身体の一部は人体のパーツが大きければ大きいほど効果が上がり、生者の物でなければ意味がない。
このための専用の武器があり、対象の骨肉を抉り、削り、内部に溜まるよう特殊な加工を施した『十字剣』や、槌頭が特殊なトラバサミの技巧を組み込み、接触の際対象を抉ることが出来る『槌』を使用する。
『詠唱を施した後、付着した体組織に口づけする』という条件だが、『複数の体組織を奪った後に感染魔術を使用する事で標的にどの部位から仕掛けられる感染魔術なのかを悟られにくくする』『「武器に組み込む」や「付着する」ことそのものが「特殊な手順」であるということを利用しての錯覚や誤認をさせる』等の対策を用意している。
死骸全てを素材にした場合はまた話が変わる。『武器』に昇華した場合も『世界』に昇華した場合も決まって血肉の赤と骨の白が奇跡的な配色でまじりあった見かけのものとなる。
『武器』に昇華した場合は生前、相手が使っていた術式を読み取り、それを発動させる。霊装が必要な術式の場合は霊装と混ぜ合わせる事でクリアしている。今のところ対人の白兵武器及び弓やクロスボウなどの火薬を使わない飛び道具などが限界。
『世界』…つまり配置式の結界に昇華した場合はその内部において体のパーツを起点とした属性攻撃を行う。今のところ、ベースは北欧神話のユミルとメソポタミア神話のティアマトの2
パターンのみ。行われる攻撃も四大属性の簡易的な攻撃のみ。
『人間一人』を素材にした場合、最大で半径25mを覆うことが出来る。素材を複数使うことにより範囲と規模、威力を高めることが出来、現在5人までなら素材にして組み込むことが出来る。
『母なる荒波』
メソポタミア神話にでてくる女神ティアマトをモチーフにした霊装。外見は美しい女神像と蛇が絡みあった杯。魔力を通すことで海水が溢れ出す。
効果としては海水の生成、操作。少なくとも人間を粉砕する程度の威力はだせる。
隠された効果があり、『母なる荒波』の海水に触れた人間は身体を『ティアマトが生み出した11の怪物』に変えられて使役される。一度に改造、使役できる人間の数は11対までが限度。
弱点は風。これはティアマトの最期が体内に暴風を叩きつけられ口が閉じられなくなり、ティアマトの体の中へ剣を突き通されたことに由来している。
【概要】
表向きは『シルク・ド・ラ・クローヌ』の団長を、裏では魔術結社『
革命者の王冠』の首領を務める魔術師。20歳。魔法名は『Ambulans999(その旅路の果てを創る者)』
『屍骸作成者(ネクロマンサー)』の異名を持つ魔術師だが、本人曰く「『昇華術式』を死体漁り何かと一緒くたにするな」とのことでこの異名は彼女にとって不快そのもの。そう呼んだ人物はいずれも『昇華術式』の犠牲になっている。
性格は敵に対しては苛烈かつ冷酷に対処するが、味方や付き従うものに対しては非常に寛大。例え下っ端の意見や見解であってもそれが『この先の作戦に役立つ』『自身や結社の為になる』と思えば迷うことなく尊重する。
また、無関係な他人を巻き込むことを良しとせず敵以外に苛烈になりきれない。特に子供に弱い。
元々はおまじない程度の魔術を扱うこと以外は普通の家庭で育ってきた。父がいて、母がいて。姉がいて、弟がいて。それなりの環境である普通の家庭に満足していた。
ある日、その幸福な家庭はとある猟奇殺人鬼が行った無差別銃撃事件により破壊された。父も母も姉も弟も殺された中、ティア一人が必死に生き延びた。
あわや殺されそうになった時、たまたま通りかかった魔術師によって助けられ、それ以来その魔術師がいる魔術結社において下っ端として働くことになった。
自身が所属していた魔術結社は血生臭い物では無く、『魔術によって人々の生活を助ける事で成長を促す』事を目的にしていたが、生き抜く術としてある程度の攻撃魔術は修めていた。
その魔術結社も過激派魔術師に蹂躙されてしまい、ティアは其処で捕虜兼生贄候補となる直前だった。そんな彼女の手に合ったのは自身を嘗て助けてくれた魔術師が遺した魔術……『昇華術式』によって作成された短剣の霊装だった。
その短剣と自身が使える有りっ丈の魔術によってその場を生き抜くことに成功。一人になって、そして自分の半生を振り返り、彼女は悟った。
「人間は争う事で最も大きく成長する。命がけの争いの中で人間はより強靭に、より急激に成長する」と。
そして『昇華術式』を完成させ、その魔術結社に単独で忍び込み、疲弊していたところに追い打ちをかけて壊滅。以後はその魔術結社の資金と生贄となる予定だった少年少女たちと手を組み、『革命者の王冠』の基盤を造り上げた。
『革命者の王冠』が表向きはサーカスの形をとっているのは偽装だけでなく、昔家族で見たサーカスが彼女の最高の思い出であるからだが彼女自身はそのことに気付いていない。
恋愛感情は人並みにあり好みのタイプは「心が綺麗な人」。タイプに一致するなら男でも女でも構わないバイセクシャル。
今現在『人類の霊的進化ひいては世界そのものを昇華させる』方法として二つの案を練っている。
一つ目が『さまざまな民族、国家間を争わせる』こと。もう一つが『人類共通の敵を創り上げ、世界中の人間を団結させる』こと。
【特徴】
うなじより少し上くらいまでの長さのウェーブのかかった黒髪で、青い縁の眼鏡の奥にある金色の目はどこか清廉さを漂わせる。
金糸のダマスク柄が編み込まれた体を覆う深紫色のマントの下の衣装は『サーカスの時の仕事着』と言い張っているがそれ以外の時にも普通に来ている。
マントの中身は黒いボディタイツの上からスリングショット染みた胸だけを覆う布と股間を覆うプロテクター。そして籠手に、金属が絡み合ったブーツ。
ぶっちゃけかなり際どい衣装。彼女の名に違わない、母なる海を連想させる豊満な胸とあいまって淫靡な雰囲気を醸し出している。
そんな淫靡な雰囲気と清廉さを併せ持った女性。
【台詞】
「初めまして。私が『シルク・ド・ラ・クローヌ』の団長及び魔術結社『革命者の王冠』の首領。ティア=ラスター=ホルシュタインです。……『ホルスタイン』ではありませんからじろじろと胸を見ないでください。」
「新入りさん、君の発案はとても素晴らしい物です。今回の作戦に採用しましょう。そう臆しないでください。大事なのは『誰が言ったのか』ではなく、『何を言ったのか』なのですから。」
「子供って、良いものですね。まさに天からの授かりものと言いましょうか……心も綺麗ですし。」
「伊達に魔術結社、それも傭兵団の首領を務めていません。これしきの危機など朝飯前、といったところです。」
「私、『死骸作成者(ソレ)』で呼ばれることに我慢できないんです。ですから、ね?―――――――――――――――――――――――――『昇華術式』の犠牲となりなさい。」
「絶望の中ですら光を見出してこその人間。死の狭間でこそ得るものもあるのです。この私がそうであったかのように。では、死合いましょうか。どうかその狭間で『貴方の可能性』を見せてくださいね。『Ambulans999(その旅路の果てを創る者)』。」
【SS使用条件】
ご自由にどうぞ
最終更新:2014年02月02日 16:30