【名前】ノヴァティアーヌス
【性別】男
【所属】魔術サイド/魔術結社『飼葉桶の子守歌の聖譜』
【能力】十字教聖書の分析と水系統の術式を得意とし、戦闘時は術式・『地母神の羊水』をベースに戦う。
【能力説明】
  • 『水子の杯』
水の象徴武器(シンボリックウェポン)である杯を象った霊装。
術式の核となる水を生み出し、同時に水を操る指揮棒としての役割も果たす。
『水子の杯』は指定した『貯水池』から遠隔で水を汲み取ることができ、杯を逆さまにすることで杯の口から水を発生させる。
名前が示す通り死産児の一部を材料として組み込んでおり、『水子の杯』を胎児、『貯水池』を母とし、臍帯に見立てた『目には見えない給水ホース』を構築して両者を繋ぐことによって、母から胎児が養分を受け取るように『貯水池』から『水子の杯』へと水を送ることができる……という仕組みになっている。
一定時間に汲み上げられる水の量には上限があり、上限を超えた水量を流そうとすると不可視の給水ホースに負荷がかかり、丁度水圧に耐えられなくなったホースが破裂するように霊装の機能そのものが砕け散ってしまう。
  • 『地母神の羊水』
古代バビロニア神話に登場する地母神・ティアマトをモチーフとした水系統の術式。
『ティアマト』はアッカド語で全ての神々を生み出した『生命の母』を示し、シュメール語では『塩水』の意味を持つ。
また旧約聖書に登場する『テホーム』というヘブライ語の単語は『原始の海』を意味し、それは『塩水(ティアマト)』と同じ語源から発生した言葉でもある。
この術式ではティアマトの有する『母』の性質を抽出し、塩水を『原始の海』、すなわち『羊水』として解釈することによって、塩水から様々な『魔獣』を産み落とす。
霊装となるのは前述の『水子の杯』で、術式の核となる水を生み出すと同時に水を操る指揮棒としての役割も果たす。
上記の解釈を適用することにより、この『杯』で生み出した水(=海水、つまり塩水)を『羊水』として機能させ、水中で『ティアマトの子』を育み、出産する。
『ティアマトの子』はティアマトが産んだとされる魔獣の姿をモチーフとしたもので、バリエーションは以下の一一種類。
  • 『ウシュムガル』……角の生えた竜。
  • 『ムシュマッヘ』……七つの頭を持つ大蛇。
  • 『ムシュフシュ』……毒蛇の頭とライオンの上半身、ワシの下半身、蠍の尾という異形の獣。
  • 『ウガルルム』……巨大な獅子。
  • 『ウリディンム』……上半身は人間、腰から下はライオンの姿。
  • 『ウム・ダブルチュ』……嵐を操る竜。
  • 『ラハム』……海底の泥を操る大蛇。
  • 『ギルタブリル』……上半身と足の部分は人間で、腰から下はサソリといった姿。
  • 『クサリク』……翼を持つ牛人間。
  • 『バシュム』……角を有する毒蛇。
  • 『クリール』……半魚人。
『この世の万物は土くれから造られた』という聖書の記述から、『ティアマトの子』は粘土のような材質で構成されている。
ゴーレムのように自律稼働するが、単純な命令しか受け付けない。
『ティアマトの子』を羊水内で形成し産み落とすまでには時間がかかり、形成時間を高速化するほど強度・出力は減退する。
  • 術式『ガラリヤの水上歩行』
『神の子』が水上を歩く奇跡を行ったという新約聖書の記述に基づいた水上歩行術式。
水をボード状の形に整えて上に乗り、ホバーボードのように空中を飛翔するという応用技も可能。
あくまでも『水上を歩行しているだけ』なので、空を飛んでも撃墜術式の効果を受けないという利点がある。
【概要】
三〇代前半くらいのイギリス人男性で、十字教系魔術結社・『飼葉桶の子守歌(ヌンク=ディミティス)の聖譜』所属の魔術師。
魔法名は『福音に献身する者(Impubes124)』。
既婚者、ただしとある事故で妻とその腹の中の子供を一度に亡くしており、現在は独り身である。
妻の遺体は海に水葬し、死産した子供の遺体は分解して霊装に組み込んだらしい。
あっけらかんとした性格で一見暗い過去を背負っているようには見えないが、実の子供(それも死産児)の遺体を霊装にするという狂気そのものの所業を行っていることから、まともな感性の人間ではないということは明白。
家族を失ったことで頭のネジが数本飛んでしまったようで、それ以来『子供』に対して異常なまでの執着を見せるようになった。
『飼葉桶の子守歌の聖譜』に所属したのも妻子の死がきっかけとなっており、「今度こそこの手に『子供』を抱いてみせる」という偏った妄執に囚われている。
また、れっきとした男性なのだが、『子供』への執着が強すぎるあまりか、術式・『地母神の羊水』を長年扱っているうちに地母神ティアマトの持つ『母』としての性質に浸食され、ついには身体が女体化してしまった。
魔術師としての腕はそこそこといった所。
聖書釈義の研究や聖書の読解・分析を得意としており、結社内では主に研究職を担っていた。
しかし結社が財政難に陥ったため活動資金を稼ぐべく出稼ぎに出され、最近は雇われ魔術師としてヨーロッパ周辺を様々な任務に就いている。
【特徴】
外見年齢二〇代後半くらいの女性。
ウェーブがかった肩下までの銀髪に、涼しげな切れ長の碧眼。
スタイル抜群でモデル並みの美女だが、青いビキニの上に透明なレインコートを着ただけ(+素足にレインブーツ直履き)という痴女のような格好が全てを台無しにしてしまっている。
レインコートは前のボタンを全て留めてミニ丈のワンピースのように着用し、常にフードをかぶっている。
また、結婚指輪と思しき銀のリングを通したネックレスを首から下げている。
……と、外見は女性にしか見えないのだが、実は生物学上は男性。
術式『地母神の羊水』に浸食されて女体化してしまい、現在は肉体的には女性に近くなっている。
内面は普通に男性的なので、傍から見れば『やけに男勝りな姉ちゃん』といった印象を受ける。
どうしてわざわざセックスアピール全開の変質者っぽい格好をしているのかと問えば、「せっかくなので女の武器をフル活用してみた」などというふざけた返答が返ってくる。
【台詞】やや粗暴な男口調。人称は「オレ」、「お前、テメェ」、「アイツ」など。
「オレがノヴァティアーヌスだ。確認するが、アンタが今回の依頼人っつーことでいいんだよな?」
「ん? さっきから何ジロジロ見てんだお前。……ああ、ワリィな。言い忘れてたが、こんなナリでも一応男だ。ついでに言うと妻子持ちの亭主でもある。ま、後ろの補足は正確には過去形になっちまうがな」
「一応結社の体裁は取っちゃいるが、命令系統がグチャグチャで組織的行動も何もあったもんじゃねえってのは一理あるな。その分好き勝手できるから末端のオレとしちゃあ楽でいいけどよ」
「言っとくが別に露出狂ってわけじゃねえぞ。色気っつー女の武器を最大限に活用してるだけ。それに基本術式が水系統だから何着たって最終的にはヌレヌレのスケスケになっちまうってのもあるな」
【SS使用条件】
ご自由に。


【結社名】『飼葉桶の子守歌(ヌンク=ディミティス)の聖譜』
【概要】
イギリスに拠点を置く十字教系の魔術結社。
結社としての規模は中ぐらいといったところだが、あまり統率が取れておらず、組織としての利点を削いでしまっているお粗末な状態らしい。
主な活動地域はヨーロッパ。
拠点はイギリスに位置するが、構成員はヨーロッパ各地に点在し、国籍も様々。
『神の子』が降誕した馬小屋及び『神の子』が寝かされた飼葉桶を魔術的に再現し、『神の力の一端』を身に宿した子供、すなわち聖人を量産するシステムを構築することを主な目的に活動している。
イギリス清教から「危険思想を持った異端者の集団」と称されているように、変人が多い魔術師の中でも特に異常な精神構造の人間が集まっている。
今のところ表立った被害を出していないためか、組織として成り立っていないと判断されたのか、もしくは下手に刺激すると返って厄介なことになると踏んでいるのか、いずれにせよ、危険度が高いとして複数の勢力にマークされているものの現時点では放置されている。

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最終更新:2014年02月17日 22:05