【名前】ミキストリ
【性別】男性
【所属】魔術
【能力】原典と写本
【説明】
円盤状の原典で『土の太陽』に関する記述が強調されたもの。
その基となるのは、原初の時代がテスカトリポカと獰猛なジャガーの大群によって滅亡したという神話。
原典の迎撃用記述内容は『猛獣と戦士の攻撃』。
動物の心臓を対価として『猛獣』を生み出し、人間の心臓を対価として『戦士』を生み出す。
猛獣の攻撃は基本的に、鋼鉄をも容易く切り裂き噛み砕く鋭い爪牙で行われるが、特筆すべきはその俊敏さ。初速で時速110kmにまで達し、その速さを維持したまま壁や天井を自由に走り回ることが出来る。ただし、物理的な防御力に優れている相手とは相性が悪い。
戦士の攻撃は、手に持っている黒曜石の剣「マクアフティル」で行われる。猛獣と比べると全体的に非力だが、猛獣が一つの心臓で一匹しか生み出せないのに対して、戦士は一つの心臓で四人も生み出せる。一人一人がエリート戦士としての身体能力、技巧を有し、単純なものに限られるが、テスカトリポカの術式も一部使用出来る(風の槍や球体の岩石を生み出す)。
センセーショナルに色づけされた写本には眷属を生み出すほどの力は無いが、宗教防壁を築いていない人間が読んだ場合、得体の知れない魅力に惹き付けられ、時間が経過、また繰り返し読む度にテスカ神に対する信仰心が増す。同時に、生贄になることを強く望むようになり、最終的には、読者本人の精神状態にもよるが、原典を所持するミキストリの元へ、生贄にしてくれと頼みこみに行く。その際、役目を終えた写本は自動的に消滅する。
ミキストリは自分の書いた写本に読者を洗脳する力がある事を知らず、御供要求してくる人間が来る度に「俺の熱い思いが伝わった!」と喜んでいる。
【概要】
テスカ神を布教する為に各地を旅しているインディオの魔導師。
元々はテスカトリポカを信仰する中南米の民族の少年で、崇拝されるだけだった原典を盗み、家族を含めた民族全員を人身御供した過去を持つ。
テスカ神を熱狂的に崇拝する狂信者で、人身御供を好むテスカ神を喜ばせる為に、旅先で出会った人々を次々と生贄に捧げている。
最初はただ、祭壇に生贄となる人間を寝かせ、黒曜石のナイフで心臓を抉り取るというものだったが、伝統的な儀式に本人が飽きてしまったため、現在は様々な形式で御供を行っている。
可笑しい事も悲しい事も笑う人格破綻者。生贄に捧げられる事は名誉であると民族時代に教えられたため、自分の行っていることは人間的にも社会的にも正しいと信じており、罪悪感や背徳感は欠片ほども抱かない畜生。
別段過去に性格を歪ませるようなトラウマがあったわけではなく、彼の悪性は先天的なものと言う他ない。
アステカ民族という外界とは切り離された環境で生まれ育ったため、本来ならば成長過程で学び得る筈の既存の倫理観と道徳観念を持ち合わせていない。そのお蔭で、己の所業の異質さ異常さ異端さに思い悩むこともなく、湧き出る欲求のまま行動することに何の躊躇いも忌避も感じていない。
お喋りでお調子者。失敗してもくよくよせず、物事を素早く割り切る。基本的にポジティブな思考で人生を人一倍楽しみ、何事も自分にとって都合よく捉える前向きな性格もあって、時代遅れの民族出身でありながら、一般社会にごく短期間で馴染むことに成功している。
テスカ神の信者が増える事を望んではいるものの、相手の心に既に「信ずるべき神」が存在している場合、無理に布教はしない。布教する対象はあくまで、宗教観の無い、または薄い一般人に限られる。
動物愛好家。特にネコ科の動物が好きで、よく動物園に行ったり動物番組を見ている。手先が器用で、身に着けている指輪やペンダントは彼のお手製。ケーナも作り、いつでもどこでも吹けるよう常に持ち歩いている。
【特徴】
年齢21歳。身長175cm。体重66kg。
中南米出身者特有の逞しく野性的な褐色の肌と、黒と黄色のボディ
ペイントが特徴的なラテン系の美青年。
鋼の鞭を思わせるしなやかな筋肉と、夜色のやや長めの髪。
派手な豹柄のアレンジ民族衣装を身に纏い、琥珀色の猫目石の指輪を嵌め、本物の豹の牙のペンダントを釣り下げている。
【台詞】
「おっ、ネコちゃん。可愛いなぁ。ほらほら、餌あげるからこっちおいでー」
「俺をそこらの快楽殺人犯と一緒にしないでほしいなぁ。あいつらと違って、俺には『テスカトリポカ様』を喜ばせるっていう、正当で綺麗で素晴らしい理由があるんだから」
「ははは、何言ってんの。俺たち人間にとって、神の生贄に選ばれるってのは、凄く名誉な事なんだよ。それなのに『まだ生きたい』だなんて、君、面白い子だね」
「君ってさぁ、信仰してる神様っている? 特にいないんならさ、これ読んでみてよ。一ページでも良いから目を通してくれると嬉しいなぁ」
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