魔法名を告げると同時に透明化が解除され、霊装は義手形体から長槍形体へと変化する。
ベディヴィアの槍の一突きが他の一突きに匹敵するのは「穂先が九つあったから」という解釈の具現。
これは第五元素の「万物に似ている」という特性と液体金属の流動性を活かした変形機能である。
義手形体時に比べて一回りほど巨大化した上に、多関節的な八つの小さな槍も現れ、合計で九つの槍になる。
本体の母槍は彼女自身が振るい、他の八つの子槍は自動制御によって振るう。
また子槍は、本体から分離させることで空間を自在に飛び回り、あらゆる角度から攻撃することが出来る。
移動や魔術を発動などして込めた分の魔力が尽きかけると、本体と再び合体し魔力を充填する。
単純な手数が増えただけでなく、風槍を穂先から生み出し射程距離を伸ばした状態で振るったり、
穂先に暴風を纏ったり、槍を一本に纏め上げる事で数十メートルの槍の形成も可能になったりと応用力も向上。
もちろん風槍を前方に射出する機能も残っており、その威力は義手状態に比べて高くなっている。
母槍の九孔解放と八つの子槍の暴風を合わせた攻撃は、竜巻としか言い様がないほどの威力と規模に達する。
【概要】
必要悪の教会に所属している魔術師。愛称はマチ。魔法名は「比類なき死闘を望む者(luctantur241)」
戦闘という行為に対して非常に貪欲であり、強者との死闘を常日頃から渇望している奇妙な女の子。
闘うことを心から喜び楽しみ、闘えることは至上の幸せだと感じる変わり者。
相手が強者であればあるほど感情が昂ぶり、表情と動作がすごく活き活きとする戦闘狂。
一対一の真っ向勝負の場合、他人の力を借りる事は基本的に無く、如何なる状況も自力で打開する。
リベンジされる事を望むため、教会から討伐命令が下されていても、相手は絶対に殺さない主義。
この信念の問題上、彼女が任務に就く際は、必ず誰かとペアを組むことを強いられている。
クライヴの事は、強くて格好良いと思っており、信頼もしているのだが、子供扱いされるのは嫌な様子。
よく鍛錬に付き合ってくれるオズウェルの事も気に入っている。向けられている恋愛感情には全く気付いてないが。
自らの生死に関してはさほど重要視していない様子で、負けて死んでも別に構わないと思っている。
すごい負けず嫌いで、戦いに敗れると今度こそ勝利する為に訓練し、後に相手のいる場所へと向かう。
無邪気にして無垢、自由奔放な性格。大人しくしているのが苦手で、常に体を動かしてないと落ち着かない。
羞恥心は殆どなく、男性に裸を見られても全く動じないが、触れられそうになると流石に拒絶する。
それなりに場数を踏んでいるので、初対面の相手でも強いのか弱いのか一目見ただけで判別できる。
実は痩せの大食いで、巨腹の男と大食い対決をしても余裕で勝てるほどの胃袋の持ち主。
【特徴】
18歳。160cm。45kg。
やや長めで所々が跳ねている金髪。ぱっちりとした碧眼。快活で愛嬌のある顔立ち。
屋内で優雅にダンスを踊っているよりは、屋外で元気に走り回っている方が相応しい、開放的な雰囲気の美少女。
ランジェリー系の衣服とデニムホットパンツ、黒のニーソックス、戦闘時には左手に籠手を装着。
右腕が義手。健康的な色の肌のあちこちに戦闘で出来たであろう傷痕が残されている。
【台詞】
「ねえねえ、そこの強そうなお兄ちゃん。あたしと勝負しない?」
「オズ君。トレーニングの相手、今日もお願いして良いかな」
「むう。クライヴさん、いい加減にあたしを子供扱いするのは止めてよー」
「にへへ、やっと見つけた。さ、勝負しよ。今度こそあたしが勝ってみせるから」
「死ぬかも知れない恐怖なんかより、今、こうして戦える喜びの方が何千倍も大きいよ」
「にへへ、驚いた? これがあたしの霊装の本当の姿だよ。
こっからは本気の全力全開だから、簡単に勝てるだなんて思わないでね」
「正しいとか正しくないとか、そんな事はどうでも良いんだ。そういうの、よく分かんないし。
あたしにとって大事なのは、楽しい戦いが出来るか出来ないか。ただそれだけだよ」
【SS使用条件】自由