とある日の土曜の夜、稜と正美は部屋で、トランプをしている。
稜と正美の部屋にて…
「2ペア!」
「ストレート…」
「…」
「これで10戦中、6勝4敗だな?」
「おかしい…なんで?」
「さぁな?」
二人は純粋に楽しんでいた。
その時…
「稜!」
「麻美!?」
「どうしたの?!」
麻美が息を切らし、二人の元へやってきた。
「狐月が!」
「狐月が?」
「狐月が倒れたの!!」
「は!?」
「なんで!?」
「鼻血を出しすぎて!!」
「「…」」
「どうしよう!!」
「貧血だろ…ただ単に…」
「どうして!?」
「…その格好…」
「え?あ…稜のエッチ…」
麻美はわざとらしそうに頬を赤くさせ、内股になった。
「なんでだよ!」
「だって稜が、『俺の部屋来るときはこの格好で来い』って言ってたじゃん!!」
正美の格好は、素足にオーバーコートを羽織っただけというかなり無防備な格好だった。
「いってねぇこというな!!」
事の発端はつい2時間ほど前のことだった。
狐月の部屋にて…
「…」
狐月は部屋で、黙々と本を読んでいた。
そんな時、来客を知らせるチャイムが鳴った。
「はい、どちら様でしょう。」
狐月がドアを開けると、狐月の彼女、麻美が立っていた。
「ま、麻美さん?どうしたんですか?」
「上がるわよ?」
「ええ、どうぞ。」
狐月は麻美を、部屋に入れた。
「それで、どうしたんですか?」
「あのね…」
麻美はいきなり、思いつめた表情になった。
「はい…」
「…お風呂貸して?」
「はい!?」
「ダメ?」
正美は上目遣いで、狐月を見つめた。
「い、いえ、た、ただその…なんでそんなことで深刻そうな表情で?」
「え~っとそれは、乙女にとってお風呂は重要だから!」
「では先にどうぞ。」
「え~!?一緒に入らないの~?」
「!?わ、わわわ、私と、ま、麻美さんで、ですか?!」
狐月はパニック状態になり、気が動転している。
「良いでしょう?あたしたちそういう関係なんだから」
「…(ま、麻美さんと…一緒に入浴一緒に入浴一緒に入浴)(以下略」
「ちょっと狐月!!」
「え!?あ!なんでしょう?」
「さっきのは冗談よ?」
「…ですよね…」
こうして二人は、交代で入浴を終え、狐月は寝巻き姿で本を読み、麻美はバスタオル一枚で狐月のベットに寝転んでいた。
「ねぇ狐月…」
「どうしました?」
「今日…泊まる」
麻美は、イタズラっぽい笑みを浮かべた。
「!?」
「いい?狐月」
「でもなぜ?」
「…稜たちに、負けたくないから…」
「?」
「稜たちはあんなに進んでるのに…あたしたちは…」
「別の私たちは競争しているわけではないでしょう。」
「でも…稜たちはあんなに…え?…ん…」
狐月は不安がっている麻美を、そっと抱き寄せキスをした。
「…これでも、進んでないって言えますか?」
「もう…こういうときだけは積極的になるのね、生意気…」
「それはどうも。」
「もう…お返し!!」
「う、うわ?」
今度は麻美が狐月に抱きつき、胸を押し付けた。
「なに驚いてんのよぉ?ほれほれぇ~!!」
「ま、ままま、待ってください!!わ、わわわわわわ、私たちには、は、早すぎます!!」
狐月の心拍数と脈拍はこの瞬間、普段の数倍は上昇していた。
「あはは!!!狐月可愛い!!えいっ!!!」
「わ!?わわわわわ!!!!」
麻美は腕に力をいれ、狐月を力強く抱きしめた。
「ま、麻美さん!!(む、胸がぁ)」
「なぁに?狐月?」
「もう…駄目だ…」
「へ?…きゃぁぁぁぁぁ!!!」
狐月は今まで押し殺してきた興奮に耐え切れず、鼻から大量の鼻血を噴いてしまった。
「ど、どうしよう?と、とにかく、稜のところに…」
そして現在、稜と正美の部屋にて…
「…で俺のところに?」
「ええ」
「ええじゃねぇよ!!早く救急車呼べよ!!」
「斑くん、かわいそう…」
「ったく、あいつはどこぞの海賊漫画のコックかよ…」
そしてとある病院にて…
「はぁ~…なんとかなったかぁ…」
「ごめんね?稜」
「別に…元はと言えば、狐月に女子とのスキンシップの免疫がなかったのが原因だからな」
「あたし狐月の様子見にいってくる!」
「おう、俺たちは帰るからゆっくりと」
「…バカっ!!」
こうして、稜と正美は帰宅した。
二人の部屋にて…
「すごかったね?斑くん、麻美に触れただけでまさかあんな大事になっちゃうなんて…」
「慣れてねぇからだろ、そういうことにさ」
「…稜は…慣れてるの?その、そういうことに…」
正美は不安な顔で、稜を見た。
「小さい頃…てか小学生のときから、麻美にはそういう事されてたからな、慣れてるっちゃあ慣れてるな」
「そうなんだ、だから稜は平気なんだね」
「かもな?」
すると、正美はベットに上に寝転がった。
「ねぇ…」
「ん?」
「また、バレンタイン日に、保健室でしたこと、ここでしよう?」
「は!?」
「ねぇ!お願い!!」
「マジかよ…」
「ダメ?」
「どうなっても知らねぇぞ?」
「全部稜に任せるよ!」
「言ったな?」
こうして、二人は甘い夜をすごした。

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最終更新:2012年03月23日 15:45