「『救済委員<ジャスティス>』だと・・・?」
「ああ、そうだ!!」
重徳は突如部屋に侵入して来た男に対して応戦の構えを取る。対する荒我は拳を振り上げたまま言葉を続けている。
「風紀委員になれなかった落ちこぼれ連中が風紀委員の真似事をしてるってのは聞いたことはあるが・・・お前がそうか」
「はぁ?俺は落ちこぼれなんかじゃ無ぇよ!そもそも風紀委員になるつもりはハナッから無かったぜ、俺ァ?」
「・・・だったら、何でここにいる?このタイミングで出て来たってことは、風紀委員や『
シンボル』の連中とつるんでんだろうが」
「風紀委員?『シンボル』?んなモン知らねぇな。確かにあいつ等から情報はもらったけどよ、ここにいるのはあいつ等とは関係無ぇ。
そもそもテメェを見付けたのも、この廃墟を手当たり次第に探しまくっていたら偶然居たってだけの話だぜ?今日の俺はツイてるな」
「あいつ等とは関係無いだと?」
「そうだ!!テメェ等は俺の大事な教科書やノートを潰しやがった。きっとテストの結果は散々の出来だろうぜ!絶対に許さねぇ!!」
「・・・・・・」
命のやり取りにさえ発展している現状において、まさかテストなどという日常の話題が出るとは思わなかった重徳は色んな意味で言葉を失う。
「・・・成程。お前も成瀬台の・・・」
「その通り!!それによぉ、テメェをブッ飛ばす理由はもう1つある」
「?」
「テメェ・・・元スキルアウトで今は対無能力者狩りなんだろ?と言っても、今は現スキルアウトみてぇだが」
「・・・だったらどうした?」
「俺も元スキルアウトで今は『救済委員』の対無能力者狩りの1人だ!」
「!!」
荒我の思わぬ告白に驚く重徳。目の前にいる男は自分と同類、あるいは似通った人間だと言っている。
「だからこそ許せねぇ!!俺と同じような奴が、こんな狡い真似しかできねぇ事実になあ!!テメェのその捻じ曲がった根性、俺がステゴロで叩き直してやらぁ!!」
そう言い捨てると同時に重徳の殴り掛かる荒我。重徳は未だ椅子に座っている状態。初動ではこちらが有利。そう判断した荒我であったが、
グン!!
「うおっ!?」
荒我の右の拳が重徳の顔面を捉えようとした時、急に体のバランスが崩れたのである。
正確には、左足に預けようとした体重の移動が何らかの力によって別方向に向かってしまったのだ。
重徳に届く前に失速する荒我の拳。その右腕を、
「フン!!」
「うわっ!!」
重徳は掴み取り、荒我の勢いも利用した投げを放った。荒我はその先―窓―を突き破り、外に吹っ飛ばされる。
「(何だ今の?急に体の動きが・・・何かの能力か?そういや風紀委員の奴等が何か言っていたような・・・)」
荒我は何とか受身を取り、ダメージを軽減する。そこに荒我と同じく窓から外に出て来た重徳の声が響く。
「お前も風紀委員から情報をもらってんなら、俺の能力くらい知ってんだろ?まあ、さっきの速攻は無用心だったがな」
その声には、その態度には先程まで裏切りの恐怖に苛まれていた震えは一切含まれていなかった。それこそが、
重徳力本来の姿なのか。
「俺の能力は『重力操作』。と言っても、厳密には地球の重力全体を操作するってわけじゃ無ぇ。
つまり、俺や俺が目視した奴の重心や力点を部分的な重力操作で強制的にずらし、動きを変化・制限する能力だ。
多人数戦には向かねぇ能力だが、1対1(サシ)の喧嘩でなら強ぇぜ?ステゴロ・・・素手の喧嘩ならよ。
まあ、これも素手の喧嘩には変わりねぇよな?元々俺の能力はサポート型だしよ」
「へっ・・・上等だ、クソが!!」
ご丁寧に能力を説明する重徳の態度を挑発と受け取る荒我。
「さぁ、来いよ同業者!!これでも前のスキルアウトに居た頃は全スキルアウト中最強の男って言われてたんだぜ?お前程度のゴロツキ、数分で片付けてやるよ!」
「舐めんじゃねぇぞ!!うおおおおお!!!」
更なる挑発に我慢できずに突っ込む荒我。迎え撃つ重徳。1対1(サシ)の殴り合いはまだ始まったばかりである。
「うおおおおおおお!!!」
「でぇいやああああ!!!」
ここは大通り。先程まで大勢いたスキルアウト達の立つ姿は無い。いずれも気絶しているか、退避したものかのどちらかである。
そんな場所で一際大きな声をぶつけ合いながら戦闘しているのは寒村と捩野の2人である。
100mを3秒台で駆け抜けると謳われている脚力を発揮し突っ込んでくる寒村に対して、
捩野は自身の能力『物体補強』で強化した鉄パイプで応戦する。
「ぐおっ!!?」
寒村の突っ込む速度に合わせた鉄パイプのカウンターを寒村の喉元に突き付ける捩野。カウンターを喰らった寒村はその場に仰向けで倒れてしまう。
「死ねや!!」
「何の!!」
容赦無い追撃を仕掛ける捩野。追撃の鉄パイプの先を顔面寸前で掴み取る寒村。一時的に拮抗する両者の力。しかし、
ボキッ!!
「クッ!!」
「どりゃああああ!!」
「何!?」
強化した鉄パイプをその力のみで粉砕する寒村に一瞬怯む捩野。
その隙に寒村は、さながらブレイクダンスを踊るかの如く下半身を体幹の力のみで持ち上げ回転させる。
その勢いを伴った蹴りが捩野の尻に直撃、バランスを崩している間に体を起こす寒村。
そのまま追撃をかけようとした瞬間、捩野が拳銃を引き抜き、寒村に向けて発砲する。
その銃弾が自身の体の急所を外すように体を動かす寒村。
そのために腕や脚が銃弾で貫かれるが、『筋肉超過』によって即座に治癒するために無傷も同然状態となる。
「っとと。ふ~む。やりおるな、若僧・・・でよいのか?マスクでよくわからんが」
「ったく、その再生能力は厄介だな。浴びせた銃弾の傷跡がもう塞いでやがる」
相手の腕に感嘆の言葉を漏らす寒村。相手の再生能力に呆れている捩野。
両者は先程からこうやって一進一退を繰り返しているのだ。
「それもこれも全てはこの筋肉のおかげ!!どうだ、貴殿も我輩のように筋肉を苛め抜いてみんか!!?」
「誰がやるかっての。そんなお遊戯に時間を使う余裕なんざ俺には無ぇっつーの」
「そうか・・・残念至極である!!」
寒村の勧誘を間髪入れずに断る捩野は、何故か残念そうな顔を浮かべる寒村に気を払いながら、
どうやって目の前の筋肉バカを仕留めるか胸の内で算段を付ける。
「(再生能力っつーてもどこでも再生できるわけじゃ無ぇ筈だ。でなけりゃ、銃弾を急所に浴びねぇように『避ける』必要は無ぇ。
となると・・・やっぱ頭か心臓か。特に演算を用いて能力を発揮している以上、頭をフッ飛ばせば・・・。)」
思考を纏めていく捩野。
「(だが、この筋肉バカは見掛けによらず俊敏だ。力もバカ強ぇ。ガタイの差もある。近接戦闘じゃあ、どうやったって頭を狙うのは困難。・・・だったら)」
そして、捩野は1つの決断を下す。
「(遠距離からの狙撃。これしか無ぇ。生憎機関銃しか持っちゃいないが、こいつの俊敏さを考えりゃ絶え間無くぶち込めるヤツの方が良さそうだ)」
敵を潰す必勝の策の発動を。
「ハアアアアアアア!!!」
「あそ~れ!」
一方、大通りから少し離れた場所では勇路(上半身裸)と五十部が戦闘を繰り広げていた。
空高く跳び、空中からの足技をぶつけてくる勇路に対して、着地の瞬間を狙った一撃必殺の刺突を狙う五十部。
しかし、五十部の一撃は悉く急所を外してしまう。
「(くそっ!コイツ・・・なんてバランス感覚してやがんのよ!しかも、不安定な筈の空中で!)」
「はいさー」
それは、勇路の卓越したバランス制御技術。彼は、どんなか細きロープの上でも絶対にバランスを崩したりしない。
その制御技術が空中戦においても遺憾無く発揮されている。五十部の攻撃をかわす、あるいは急所外で受け、『治癒能力』によって即座に再生している。
「うるさいうるさい!!あんた、さっきから何か知らないけど奇声をあげてるわね!もしかしなくても、この私を馬鹿にしてんのか!?」
とは言っても、勇路の足技を悉く回避している五十部もまた並外れた俊敏性を誇っているのだが。
「そりゃさー」
「人の話を聞けぇー!!」
どうやら勇路は自分の世界に入ってしまっているようだ。その態度にムカっ腹を立てた五十部は、
今まで急所を狙って繰り出していた刺突を、敢えて急所外の部分に向けて、しかも刺突では無く水平に切り裂くように繰り出した。
ビシュー!!
「おうっ!!・・・こ、これは・・・!!」
「どうよ!!少しは私の話を聞くつもりに・・・キャアアアアア!!!」
五十部の一撃により両足の太腿部分を切り裂かれた勇路。多少傷は深いものの、急所では無いため再生が始まっている。
が、その一撃によりズボンがのベルトも切り裂かれてしまったためにズボンがずれ落ち、勇路はパンツ一丁となってしまったのだ。
「(し、しまった!!ついベルトまで斬っちゃった!!)」
「こ、これは・・・!!」
ある銭湯で番台のバイトをしている五十部であったが、女の裸を見る機会はあっても男の裸を見る機会は無かったため、羞恥の念が顔を真っ赤にさせる。
「あ、ありがとう、君!!!」
「な、何よ!?何で敵に向かって礼なんか言ってんのよ、あんたは!?」
何故か勇路から礼を言われてしまい、思わず怒鳴り返してしまう五十部。そんな彼女に勇路が礼の理由をウキウキ気分で話し始める。
「だって、今こそまさにマッスル・オン・ザ・ステージのフィナーレ直前だからだ!!!」
「マ、マッスル・・・?」
「マッスル・オン・ザ・ステージは僕が裸一貫になった瞬間にフィナーレを迎える。君はその助力をしてくれたんだよ!!」
「はぁっ?私はあんたの変態趣味に付き合ったつもりは無いわよ。大体あんた、現在進行中で私と命のやり取りをしている自覚あんのかー!!?」
予想だにしない答えを受けて混乱する五十部。彼女の動揺なぞ何処吹く風の勇路は、言葉と肉体でもって五十部に迫る。
「さあ!!君の一刀でマッスル・オン・ザ・ステージのフィナーレを飾ってくれ!!さあ!!さあ!!!」
「えっ・・・何それ・・・?えっ・・・?」
「端的に言おう!!君のご自慢のサバイバルナイフで僕のパンツを斬るんだ!!」
「嫌に決まってんでしょうが!!!馬鹿か、あんた!!?」
五十部の猛烈な拒否反応なぞ一切合財無視して、言葉と肉体でもって更に迫っていく勇路。
迫る先は・・・勇路の動きに合わせて後ずさりする五十部。
「嫌・・・嫌・・・こっちに来ないで、この変態・・・!!」
「さあ・・・・さあ・・・!!!」
「うっ・・・うっ・・・」
「さああああああ!!!」
「嫌ああああああ!!!助けてぇー、捩野ォォ!!!」
パンツ一丁の変態に迫られて発狂寸前に至った五十部はその場から脱兎の如く逃げ出して行く。己の仲間に助けを求めるために。
「あっ!!待ってくれぇー、君ィー!!!」
もれなくパンツ一丁の変態男追加で。
「ハァ、ハァ・・・グハッ!!」
「チッ、しつけー野郎だ。まだくたばらねえのか」
体中の至る所に傷や痣ができている荒我。対する重徳は無傷そのもの。レベル3の能力者と無能力者の戦闘。現状を見る限り両者の差は、やはり大きい。
「本当はお前なんかに時間を掛けてる暇なんざ無ぇんだよ。さっさと気絶でも何でもしやがれ!!」
「ガハッ!!」
重徳の重い蹴りを腹に喰らい吹っ飛ぶ荒我。
「・・・」
「ふぅ。ようやく大人しくなったか。さっさと状況の確認に戻らねぇと。・・・あいつ等遅-な」
指示をした部下達が未だ戻らないことを不審がる重徳。そこに、
「ま・・・待て・・・よ。ま・・・まだ、勝負は・・・終わっちゃいねぇ・・・!!」
「な!?まだ意識があんのか!?しつけーぞ、お前!!」
気絶したとばかり思っていた荒我が再び立ち上がっていた。驚きを隠せない重徳。
「テ、テメェは・・・アンタにはよ・・・こんな強ぇ力があんのに・・・何で・・・何であんな汚ぇ真似に手を染めちまうんだよ!?」
「何・・・!?」
「アンタは俺と同じ対無能力者狩りだろ?俺達無能力者がレベルの高ぇ能力者の勝手な都合で潰されるのを防いでんだろう!?
アンタは能力者だ。無能力者じゃ無ぇ!だけどよ、無能力者を守る側なんだろう!!
だから、他のスキルアウトの奴等もアンタに従っている!!そうだろう!!?」
「グッ・・・」
「アンタが前のスキルアウトを追い出された理由は知ってる。能力者なのがバレて裏切り者扱いされて追放されたんだってな!!
普通ならその恨みを俺達無能力者にぶつける筈だ!!どっかの無能力者狩りみてーに!!
でもアンタは違った!!裏切られても守ろうとしてくれている!!俺達無能力者をよ!!そんなアンタが・・・どうして!!」
「うるせぇ!!お前に!!!俺の何がわかる!!!」
荒我の糾弾に我慢ができなくなったように重徳が声を張り上げる。
「あいつ等が・・・俺を裏切らねぇって保証がどこにある!?俺は能力者だ!!無能力者じゃ無ぇ!!」
「!?」
荒我の言葉が止まる。それをいいことに重徳は言葉を吐き続ける。自分の中に渦巻いていた様々なモノを。
「俺は・・・ただ仲間が欲しかっただけだ!!バカでアホでどんくさくて・・・
一緒に騒ぎまくって、何かあった時は力合わせて・・・そして、どんなことがあっても絶対に裏切らねぇ仲間が!!
だから、俺は自分が能力者なのを隠した!一緒に居たかったから!!でも・・・前の奴等は俺が能力者だとわかった時点で裏切りやがった。
裏切って・・・裏切り者扱いにして・・・俺を追い出しやがった!!能力者ってだけで!!!
だから・・・俺は確かめなきゃなんねぇ。あいつ等が絶対に裏切らねぇってことを!!!」
「だから・・・あんな汚ぇ真似を?アンタ・・・もしかして、こうなることを最初から望んだってのか?」
「風紀委員の連中に成り済まして事を起こせば、必ず風紀委員の連中も動く。俺達スキルアウトを取り締まる側の奴等は」
「・・・なら何で成瀬台を選んだんだ。風紀委員が来ることを狙ってたんなら別のとこでも・・・」
「・・・忌々しかった」
「忌々しい?」
「風紀委員の・・・成瀬台の連中の仲の良さが忌々しかった。・・・いや、羨ましかった。
能力者も無能力者も関係無く、バカやってアホやって・・・そして、何かあった時は団結しやがる。その光景が・・・どうしようもなく忌々しかった!!!」
「・・・・・・」
重徳の口から語られる今回の事件の真相に言葉を失う荒我。だが、それは僅かの時でしか無かった。
ふつふつと心の底から湧き上がる感情。それは、どうしようも無い怒り。目の前の男に対する怒り。
「成程。よ~くわかったぜ。アンタがどうしようも無く弱ぇ男だってことがな!!」
「お前・・・!!」
「何が保証だ!何が確かめなきゃだ!!何が忌々しいだ!!!アンタはただ逃げていただけだろ!!今の仲間からよ!!
アンタは、自分の本当の心の弱さを仲間に打ち明けることもできねぇ、ただの臆病者だ!!」
「・・・!!黙って聞いてりゃ!!」
「本当に自分(テメー)に自信があるなら、こんな回りくどいやり方なんて必要無ぇ!!
今の仲間と1対1(サシ)で膝突き合わせて腹の中身をゲロっちまえばよかっただけの話だ!!
そうすりゃあ、アンタの仲間はアンタが望む絶対に裏切らない仲間として、アンタ自身が心の底から信頼できた筈なんだ!!」
かつて、
ブラックウィザードや無能力者狩りの手によって所属していたスキルアウト集団を吸収されたり潰された荒我。
自分の居場所を無くし、それでも居場所をと各スキルアウト組織を転々とする毎日。
そんな荒我を救った男―同じ『救済委員』の斬山千寿―に腹の中を全部打ち明け舎弟となり・・・
今では友人関係を持つに至った荒我だからこそ、能力者でありながら無能力者を守る斬山という男を知っているからこそ、
荒我は目の前の男―斬山と同じように能力者でありながら無能力者を守る重徳―が見せた臆病さが許せなかった。
「この・・・死にぞこないが!!」
荒我の糾弾を受け激昂した重徳は、今度こそ荒我を潰すためにその拳を振り上げる。
対する荒我も痛む体を懸命に動かし、重徳に立ち向かっていく。右手を構える荒我。
「(馬鹿が!何度やろうが同じこと!!)」
荒我の何ら変わらない突っ込みように無意識に笑みを浮かべる重徳。『重力操作』により荒我の重心をずらし、体重移動を阻害する。
バランスを崩し、地面に向けて前のめりで倒れようとする荒我。その顔面に拳をぶち込もうとする重徳。だが、
ブオッ!!
「グワッ!!」
それは土。それは先程まで荒我が倒れていた場所にあったもの。
それを左手に握り込み、『重力操作』による干渉を受けて倒れそうになったタイミングで、近付いて来た重徳の目に向けて放り投げる。
「(目が・・・見えねぇ!)」
目に入った土を取り除こうとする重徳。しかし、そんな暇を与える程荒我は甘くない。
ボコオッ!!!
「グアッ!!」
荒我の右アッパーが重徳の顎に突き刺さる。吹っ飛ぶ重徳。
「・・・確かアンタの『重力操作』ってのは相手を見なきゃなんねぇんだよな?ってことは、見られないようにすりゃいいって話だ。
それに、連続して能力を使うにはちょっとした間もあるっぽいしな。・・・アンタが言う程アンタの能力は強くねぇ」
「(コイツ・・・!!この短時間で俺の『重力操作』の弱点を!?)」
荒我の観察眼に驚愕する重徳。対する荒我は、口の中に溜まった血反吐を吐き出し、改めての宣言を行う。
「俺はアンタの心の底まで全部お見通しだって言える程自分を過信してねぇ。理解できる自信も無ぇし、ましてや救ってやるなんて大層なことは絶対にできねぇ。
でもよ、アンタの心の底に溜まっちまった薄汚れたモンをこの拳でぶっ潰すことはできる!!だから・・・潰すぜ!?」
それは、暴力という名の“救済”。
通常なら“救済”足る『力』に成り得ないその“救済”こそ、
重徳力を裏切りという束縛から解放するために求められた唯一無二の『力』。
continue!!
最終更新:2012年04月17日 20:20