Date:2006/04/23(Sun) Author:SS1-205

死ねない!まだ、死ねない!あの人に思いを伝えてもいないのに!

少女はあがく。だが修道服を着た死神は無慈悲に刃を向ける。

「弓塚さん。あなたの悪夢、ここで終わらせてあげます」

いやだいやだ死にたくない逃げなきゃでもどこに逃げても追ってくる

少女の心が絶望に染まりかけたそのとき・・・

「なっ、なにやってんだ!あんた!」

これは不幸な少年と幸薄い少女が足掻いた記録である



          とある不幸な吸血少女




「あじー、何ですかこの暑さは」
もう秋だというのにアスファルトの照り返しがきつい。
「上条ちゃん・・・やる気出さないとバイト代出しませんよー」
うぐっと当麻は唸る。
そう、今はバイト中なのだ。子萌先生のお手伝いとして三咲町に来ている。
インデックスは土御門に任せているでそれなりに安心できるが。
(土御門のやつ大丈夫かなー)
当麻は自分がここにくることになった経緯を思い出す。

「とーま、とーま。おなか減ったかも!」
「今食ったばっかじゃねーかお前!」
当麻の目の前の机にはインデックスが気づき上げた屍の山が(空の皿)つくられている。
それを作った張本人は
「えー、こんなのおやつと同じだよ。早く晩御飯の材料買って帰るべきかも」
「お前修道女だろ!食欲は7つの大罪じゃなかったのかよ!」
「私はいまだ未熟なのでちょっとくらい問題ないかも」
「いや、ちょっとって・・・」
「はやく!はやく!だったら【歩く教会】を元に戻してみてよ!」
「あのーいんでっくすさん?」
「晩・御・飯!晩・御・飯」

回想終了
(あー、なんていうか不幸だー)
せっかく大覇星祭の振り替え休日だってのに別の町でバイトなんて。
でも仕方ないと思う。インデックスを泣かせたくはないし自分ががんばればみな笑顔でいられるのだから。
(でも帰ったらインデックスの食費を請求されてバイト代が全部飛ぶとか・・・うわ!すごくありそうだぞその展開!)
そんな感じでうだうだ考えてると
「上条ちゃん、着きましたよー」
と、子萌先生が呼びかけてきた。
やや高台に位置するでっかい屋敷に。
はー、かねもちだなー。っと当麻が考えていると
「いいですか?上条ちゃん。これから学園都市のスポンサーの一つの遠野の御当主に挨拶をしにいくわけですが
いつもみたいなノリでいちゃダメですよ?機嫌を損ねたら上条ちゃんのバイト代も出なくなったいますからねー」
「ういーす」
まあ、自分は荷物持ちみたいなものなので問題ないだろうと当麻は軽く考えていると
「おまたせいたしました」
メイドがやってきていた

「では、こちらの部屋でお待ちください」
そう言いメイドさんは部屋を出て行った。
「うわーメイドですよ子萌先生」
メイドなら舞夏で見慣れているがあっちは学生、いわばメイドの卵であり本物ではない。
「上条ちゃん、先生がさっき言ったこと覚えてますかー?」
子萌先生がじと目で上条をにらんでいると
「失礼します」
また、さっきのメイド?が入ってきた。
「お茶が入ったのでどうぞ」
「え、ああ。ありがとうございます」
上条がお茶を受け取るが何か違和感があった。
「・・・どうかしましたか?」
メイドさんが上条に話しかけてきた。無意識のうちに凝視していたみたいだ。そこで違和感の正体に気づく。
「あのー、もしかしてさっきの人とは別の人ですか?」
へ?っとメイドさんは何度か瞬きをしたあと、笑顔で
「ああ、翡翠ちゃんと間違えちゃったんですねー。翡翠ちゃんは私の双子の妹です。私は琥珀と申します」
なるほど・・・どうりでそっくりな筈だ。っと考えていると
「上条ちゃん?」
ちょっぴり切れ気味の子萌先生が目が笑っていない笑顔で話しかけてきて
「まったく上条ちゃんは先生の話をき「すみません!琥珀さん!トイレはどこですか!」

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最終更新:2010年01月18日 21:22