国防に関する連邦法

国防に関する連邦法(Федеральный закон "Об обороне")


本連邦法は、ロシア連邦の国防の基盤と組織、ロシア連邦国家権力機関の権限、ロシア連邦主体国家権力機関、組織及びその公務員の機能、国防領域におけるロシア連邦市民の権利と義務、国防に参加する戦力及び手段、国防領域におけるロシア連邦の法令違反に対する責任、並びに国防に係わるその他の規定を規定する。

第1編 国防の基盤と組織


第1条 国防の基盤


1.本連邦法において、国防と解されるのは、ロシア連邦、その領土の保全と不可侵性の武装防護の準備に関する政治、経済、軍事、社会、法的その他の措置のシステム及び武装防護である。

2.国防は、ロシア連邦憲法、連邦憲法法、連邦法、本連邦法、ロシア連邦の法律その他の規範法令に従い組織及び実施される。

3.国防の目的において、ロシア連邦市民の兵役義務と連邦執行権力機関、地方自治機関及び所有形態に拘らず組織、並びに輸送手段の所有者の軍事輸送義務が定められる。

4.国防目的において、ロシア連邦軍が創設される。

5.国防には、ロシア連邦国境軍、ロシア連邦内務省国内軍、ロシア連邦鉄道軍、ロシア連邦大統領附属連邦政府通信・情報局軍、民間防衛軍(以下「準軍隊」という。)が投入される。

6.国防領域における個別任務の遂行には、連邦執行権力機関附属の技術工兵及び道路建設軍事部隊(以下「軍事部隊」という。)、ロシア連邦対外情報庁、連邦保安庁機関、ロシア連邦国境庁機関、連邦政府通信・情報機関、連邦国家警護機関、ロシア連邦国家権力機関の連邦動員訓練保障機関(以下「機関」という。)、並びに戦時に創設される支援部隊が参加する。

7.ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関は、ロシア連邦軍使用計画に従い、国防領域における任務を遂行する。

8.準軍隊、軍事部隊及び機関は、武装攻撃からのロシア連邦の防護に関する任務の遂行への準備の目的において、ロシア連邦軍との共同作戦及び動員訓練に参加する。

9.連邦法により規定されていない軍事組織若しくは兵器及び軍事機材を有するか又は軍務実施が規定される部隊の創設及び存在は、法により禁じられ、法により追及される。

10.ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関に供される土地、森林、水域その他の自然資源は、連邦所有下にある。

11.ロシア連邦主体、地方自治機関の所有下、私有下にある土地、森林、水域その他の自然資源は、ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の需要のために収用することができる。

12.ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の財産は、連邦所有であり、その経済管轄権又は運用統制権下にある。

第2条 国防の組織


国防の組織は、以下のことを含む。

  1. 軍事的危険性及び軍事的脅威の予測と評価
  2. ロシア連邦の軍事政策の基本方針及び軍事ドクトリンの規定の立案
  3. 国防領域における法的規制
  4. ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の建設、訓練及び必要な準備の維持、並びにその使用の計画
  5. ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の統制システム、兵器及び軍事機材の開発、生産及び完全化、その備蓄の創設、並びに無線周波数帯域の利用の計画
  6. 戦時条件下における業務へのロシア連邦国家権力機関、ロシア連邦主体国家権力機関、地方自治機関及び訓の経済の移行の計画
  7. ロシア連邦国家権力機関、ロシア連邦主体国家権力機関、地方自治機関及び所有形態に拘らず組織、輸送機関、交通路及び国民の動員訓練
  8. 国家及び動員予備の物的財貨備蓄の創設
  9. 民間及び領域防衛に関する措置の計画及び実施
  10. 国防目的ロシア連邦領土作戦設備
  11. 国防領域における国家秘密を構成する情報の保護の保障
  12. 国防目的の科学の発展
  13. 国防領域におけるロシア連邦国家権力機関、ロシア連邦主体国家権力機関及び地方自治機関の活動の調整
  14. 国防費の会計、並びに国防に割り当てられた資金の支出と、ロシア連邦の法令に従い実施されるロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の活動に対する監督
  15. 集団安全保障及び共同防衛目的の国際協力
  16. 国防領域におけるその他の措置

第3条 国防領域におけるロシア連邦の法令


1.国防領域におけるロシア連邦の法令は、ロシア連邦憲法、ロシア連邦の国際条約に基づき、連邦憲法法、連邦法、本連邦法及び国防領域におけるロシア連邦法を含む。

2.法律は、ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の統制機関の命令その他の法令の布告に拘らず有効である。

第2編 国防領域におけるロシア連邦国家権力機関の権限


第4条 国防領域におけるロシア連邦大統領の権限


1.ロシア連邦大統領は、ロシア連邦軍最高司令官である。

2.ロシア連邦大統領は、以下のことを行う。

  1. ロシア連邦の軍事政策の基本方針を決定する。
  2. ロシア連邦の軍事ドクトリンを承認する。
  3. ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の指導を実施する。
  4. ロシア連邦に対する侵略又は侵略の直接の脅威、ロシア連邦に対して向けられた武装紛争の発生の場合、総動員又は部分動員を布告し、連邦院及び国家院への即時連絡と共にロシア連邦領土又はその個別地域に戒厳令を導入し、戒厳令導入に関するロシア連邦軍最高司令官令を下達する。
  5. 戦時規範法令を施行し、その効力を停止し、戒厳令に関する連邦憲法法に従い、戦時期間の執行権力機関を編成及び廃止する。
  6. 連邦法に従い、その使命によらない兵器を使用した任務の遂行へのロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の参加に関する決定を採択する。
  7. ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の建設及び発展の概念及び計画、ロシア連邦軍使用計画、ロシア連邦軍動員計画、並びにロシア連邦国家権力機関、ロシア連邦主体国家権力機関、地方自治機関及び国の経済の戦時条件下における業務への移行計画(動員計画)、国家及び動員予備の物的財貨備蓄創設計画並びに国防目的ロシア連邦領土作戦設備連邦国家プログラムを承認する。
  8. 兵器及び国防産業複合体発展の連邦国家プログラムを承認する。
  9. 核その他の特殊試験プログラムを承認し、当該試験の実施を許可する。
  10. ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関における将官の配置の対象となる部隊職務の統一一覧、ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関における大佐(海軍大佐)の配置の対象となる軍職の総数を承認し、将官の階級を授与し、その定員に将官の階級が規定された軍職に軍人を任免し、連邦法により規定された秩序において、軍務から解雇する。
  11. 連合部隊に至るまでのロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の機構、編成、並びにロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の軍人の定数を承認する。
  12. 編合部隊以上のロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊の配置及び配置転換に関する決定を採択する。
  13. 諸兵科共通操典、軍部隊軍旗、ロシア連邦海軍旗、軍務実施秩序、軍事会議、軍事委員部、軍事輸送義務に関する規程を承認する。
  14. ロシア連邦国防省及びロシア連邦軍参謀本部に関する規程、並びに準軍隊、軍事部隊の統制機関及び機関の規程を承認する。
  15. 領域防衛に関する規程及び民間防衛計画を承認する。
  16. 核弾頭を有する施設、並びに大量破壊兵器及び核廃棄物の廃棄に関する施設のロシア連邦領土における配置計画を承認する。
  17. 交渉を行い、共同防衛、集団安全保障、軍及び兵器の削減及び制限、平和維持及び国際安全に関する作戦へのロシア連邦軍の参加に関する条約を含めて、国防領域におけるロシア連邦の国際条約に署名する。
  18. ロシア連邦市民の軍務、軍事集合への召集(召集されるロシア連邦市民の員数とロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関間のその配分を掲げる。)、並びに連邦法により規定された秩序において軍務に就くロシア連邦市民の軍務からの除隊に関する命令を公布する。
  19. 連邦国家権力機関に出向するロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の軍人の上限数を承認する。
  20. ロシア連邦憲法、連邦憲法法、連邦法及びロシア連邦法により委任された国防領域におけるその他の権限を行使する。

第5条 国防領域における連邦議会の権限


1.連邦院は、以下のことを行う。

  1. 国家院が採択した連邦予算に関する連邦法により定められた国防費を審議する。
  2. 国家院が採択した国防領域における連邦法を審議する。
  3. ロシア連邦領土又はその個別地域への戒厳令及び非常事態の導入、並びにその使命によらない任務の遂行への兵器を使用するロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の参加に関するロシア連邦大統領令を承認する。
  4. ロシア連邦領外でのロシア連邦軍の使用の可否に関する問題を解決する。

2.国家院は、以下のことを行う。

  1. 連邦予算に関する連邦法により定められた国防費を審議する。
  2. 国防領域における連邦法を採択する。

第6条 国防領域におけるロシア連邦政府の権限


ロシア連邦政府は、以下のことを行う。

  1. 国防の保障に関する措置を実施し、その権限内において、ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の状態及び保障に対して責任を負う。
  2. その所轄する連邦執行権力機関の国防問題に関する活動を指導する。
  3. 連邦予算における国防費に関する提案を立案し、国家院に提出する。
  4. その発注により、ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の兵器及び軍事機材の装備を組織する。
  5. その発注により、ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の物的手段、エネルギーその他の資源及びサー日するによる保障を組織する。
  6. 兵器及び国防産業複合体の発展の国家プログラムの立案及び遂行を組織する。
  7. 連邦執行権力機関、ロシア連邦主体執行権力機関、地方自治機関及び国の経済の戦時条件下における業務への移行計画(動員計画)、並びに国家及び動員予備の物的財貨の創設計画の立案及び遂行を組織する。
  8. 連邦執行権力機関、ロシア連邦主体執行権力機関、地方自治機関及び所有形態に拘らず組織、輸送機関、交通路及び国民の動員訓練の指導を実施する。
  9. 戦時における製品生産に関する国家防衛発注の遂行への組織の準備、動員力の創設、発展及び維持、並びに連邦執行権力機関附属の軍事部隊の創設及びロシア連邦の法令に従いロシア連邦軍への移管の対象となる輸送手段の準備に対する監督を実施する。
  10. 連邦執行権力機関への動員任務を制定する。
  11. 国防産業複合体国家組織、科学研究及び試験製作組織の創設、再編及び廃止に関する決定を採択し、その再編及び廃止秩序を規定する。
  12. ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の会計・経済活動の条件を規定する。
  13. 職業教育軍事教育施設、高等職業教育教育施設附属の軍事教育学部及び軍事講座の創設、再編及び廃止に関する決定を採択する。
  14. 高等職業教育国家教育施設附属軍事講座に関する規程を承認する。
  15. 国防目的ロシア連邦領土作戦設備連邦国家プログラムの立案を組織し、同プログラムの実現に関する措置を行う。
  16. 核弾頭を有する施設、並びに大量破壊兵器及び核廃棄物の廃棄に関する施設のロシア連邦領土における配置計画の立案を組織する。
  17. 連邦執行権力機関、ロシア連邦主体執行権力機関、地方自治機関、所有形態に拘らず組織、並びに輸送手段の所有者による軍事輸送義務、ロシア連邦市民の軍務訓練、兵籍登録、軍務及び選択文民勤務への召集、軍事検診及び軍事集合の実施の遂行秩序を規定する。
  18. 兵籍登録、軍務召集、ロシア連邦市民の軍務訓練、軍事集合の実施、軍事検診、に関する規程、並びに兵籍登録特技の一覧を承認する。
  19. ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の文官の定数を定める。
  20. 民間及び領域防衛の組織、任務を規定し、総合計画を実施する。
  21. ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の需要のための土地、森林、水域その他の自然資源の提供及び利用秩序を規定する。
  22. 兵器及び軍事機材、国防施設その他の軍事財産の移管、賃貸、売却及び廃棄秩序を定める。
  23. 兵器及び軍事機材、戦略物資、両用技術及び製品の輸出に対する監督を組織する。
  24. 連邦予算から国防に割り当てられる資金の支出秩序、並びにその使命と無関係な任務の遂行に参加するロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の財源を規定する。
  25. 軍事協力問題に関する国際交渉を行い、しかるべき国際協定を締結する。
  26. 国防の需要のためのその財産の使用と関連して、組織及びロシア連邦市民に与えられた支出の補償秩序を定める。
  27. ロシア連邦憲法、ロシア連邦の法令及びロシア連邦大統領令により委任された国防領域におけるその他の権限を行使する。

第3編 国防領域におけるロシア連邦主体執行権力機関、地方自治機関及び組織の機能、責任者の義務、ロシア連邦市民の権利と義務


第7条 国防領域におけるロシア連邦主体執行権力機関及び地方自治機関の機能


1.ロシア連邦主体執行権力機関及び地方自治機関は、その管轄内の軍事統制機関と協同で、以下のことを行う。

  1. 国防領域における法令の執行を組織及び保障する。
  2. ロシア連邦領土作戦設備連邦国家プログラムの立案に参加し、その領内において、その実現及び国防目的における交通路の準備に関する措置の遂行を保障する。
  3. ロシア連邦市民の兵籍登録及び軍務訓練、その軍務召集、軍事集合及び動員による召集を組織及び保障する。
  4. 動員期間及び戦時における国家権力機関、地方自治機関及び組織で働くロシア連邦市民の兵籍登録を組織及び保障する。
  5. 国防の目的において、輸送その他の技術手段の登録及び動員準備を保障する。
  6. ロシア連邦市民の軍事・愛国教育に関する業務を組織する。
  7. 国防領域における法令により定められた秩序において、その発注により、物的手段、エネルギーその他の資源におけるロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の需要を保障する。
  8. 軍務、軍事行動への参加と関連したロシア連邦市民、並びにその家族の一員に対して定められた社会保証に関するロシア連邦の法令の執行を保障する。
  9. 執行権力機関、地方自治機関及び国の経済の戦時条件下における業務への移行計画(動員計画)、並びに戦時動員任務を有する組織における国家及び動員予備の物的財貨の蓄積の計画及び任務の立案に参加し、その遂行を保障する。
  10. 民間及び領域防衛に関する措置の計画に参加し、その遂行を保障する。
  11. その領域内の組織による国家防衛発注の履行を保障する。
  12. 軍事統制機関と国防領域におけるその活動を調整及び合意する。
  13. 国防の組織の改善に関する提案をロシア連邦国家権力機関に行う。

2.地方自治機関には、ロシア連邦の法令に従い、国防領域における個別の国家権限が委譲される。

第8条 国防領域における組織の機能とその責任者の義務


1.所有形態に拘らず組織は、ロシア連邦の法令に従い、以下のことを行う。

  1. 軍事インフラストラクチャー施設の創設、エネルギーその他の資源による保障、兵器及び軍事機材、その他の軍事財産の生産、納入及び修理に対する国家防衛発注の遂行に対して締結された国家契約により規定された契約義務、並びにロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の需要のための請負業務及び役務の提供に関する契約義務を履行する。
  2. 支援部隊の訓練及び戦時における創設に関する動員任務を遂行する。
  3. 民間及び領域防衛に関する措置を保障し、その遂行に参加する。
  4. ロシア連邦政府が同任務を定めた連邦執行権力と締結される契約に基づき、国の経済の戦時条件下業務への移行計画(動員計画)、国家及び動員予備の物的財貨の蓄積計画及び任務により規定された措置を実施する。
  5. ロシア連邦政府により定められる秩序において、軍事輸送義務を執行する。
  6. 職員の兵籍登録を実施し、ロシア連邦の法令に従い、ロシア連邦政府が定める秩序における支払った支出の事後の補償と共に、その所有下にある建物、施設、輸送手段その他の財産を国防の需要のために提供する。

2.所有形態に拘らず組織の責任者は、以下のことを行う。

  1. ロシア連邦の法令により規程された国防領域におけるその義務を履行しなければならない。
  2. ロシア連邦の法令に従い、兵役義務の履行に必要な条件を労働者に創出する。
  3. その活動が国防の強化に向けられた組織の創設に協力する。

第9条 国防領域におけるロシア連邦市民の権利と義務


ロシア連邦市民は、以下のことを行う。

  1. 連邦法に従い兵役義務を執行する。
  2. 民間及び領域防衛に関する措置に参加する。
  3. 国防の強化に協力する組織及び社会団体を創設することができる。
  4. 戦時、ロシア連邦政府が定める秩序における支払った支出の事後の補償と共に、その所有下にある建物、施設、輸送手段その他の財産を連邦執行権力機関の要求により国防の需要のために提供する。

第4編 ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関


第10条 ロシア連邦軍とその使命


1.ロシア連邦軍とは、ロシア連邦の国防の基盤を構成する国家軍事組織である。

2.ロシア連邦軍は、ロシア連邦に対して向けられた侵略の撃退、ロシア連邦領土の保全と不可侵性の武装防護、並びにロシア連邦の国際条約に従った任務の遂行を使命とする。

3.その使命によらない兵器を使用する任務の遂行へのロシア連邦軍の参加は、連邦法に従い、ロシア連邦大統領が行う。

4.ロシア連邦の国際条約に従った任務の遂行へのロシア連邦軍の参加は、同条約において規定され、ロシア連邦の法令により定められた条件と秩序において実施される。

5.ロシア連邦軍の活動は、ロシア連邦憲法に基づき、連邦憲法法、連邦法、本連邦法、ロシア連邦軍に関する連邦法及び国防領域におけるロシア連邦のその他の法律、並びにロシア連邦大統領及びロシア連邦政府のしかるべき規範法令に従い実施される。

6.ロシア連邦軍の編成の一部は、ロシア連邦の国際条約に従い、統合軍に加入するか又は統合指揮下に入ることができる。

第11条 ロシア連邦軍の一般編成


ロシア連邦軍は、ロシア連邦軍の軍種及び兵科、ロシア連邦軍後方部並びにロシア連邦軍の軍種及び兵科に含まれない部隊に入る中央軍事統制機関、連合部隊、編合部隊、軍部隊及び組織から成る。

第12条 ロシア連邦軍の兵員充足


1.ロシア連邦軍の兵員は、ロシア連邦軍の軍人及び文官を含む。

2.ロシア連邦軍の充足は、ロシア連邦の法令に従い実施される。

  1. 軍人:治外法権の原則によるロシア連邦市民の軍務召集及びロシア連邦市民の軍務への志願入隊
  2. 文官:業務への自発的加入

3.ロシア連邦軍の文官の定数は、ロシア連邦政府が、文官が配置される部隊職務の一覧は、ロシア連邦国防相が定める。

4.ロシア連邦軍の動員展開のために、軍事教育人的資源予備が創設される。

第13条 ロシア連邦軍の指導と統制


1.ロシア連邦軍の指導は、ロシア連邦軍最高司令官たるロシア連邦大統領が実施する。
ロシア連邦軍最高司令官は、その権限内において、ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関による執行が義務的なロシア連邦軍最高司令官命令及び指令を公布する。

2.ロシア連邦軍の統制は、ロシア連邦国防省及びロシア連邦軍の主要作戦統制機関たるロシア連邦軍参謀本部を通して、ロシア連邦国防相が実施する。

3.ロシア連邦軍の指導及び統制、ロシア連邦軍の兵員の教育は、ロシア連邦の国語で実施される。

4.戦時におけるロシア連邦軍の指導と統制は、連邦法に従い実施される。

第14条 ロシア連邦国防省の基本機能


ロシア連邦国防省は、以下のことを行う。

  1. 軍事政策及びロシア連邦の軍事ドクトリンに関する動議の立案に参加する。
  2. ロシア連邦軍の建設の概念を立案し、国防目的において、ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の建設及び発展の概念の立案を調整する。
  3. 兵器及び軍事機材発展の連邦国家プログラム、並びに国家防衛発注に関する動議を立案する。
  4. 連邦予算案における国防費、ロシア連邦国防省による割り当てられた資金の支出秩序に関する提案を立案し、これをロシア連邦政府に提出する。
  5. 国防目的において遂行される業務を調整及び出資する。
  6. 国防目的の科学研究を組織し、契約に基づき、国防領域における科学研究及び試験製作業務を発注及び出資する。
  7. 同目的に割り当てられた資金の範囲内において、ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関のための兵器及び軍事機材、糧食、物品その他の財産、物的その他の資源の生産及び購入を発注及び出資する。
  8. 市民の兵籍登録特技に関する訓練を実施する組織及び社会団体に出資し、契約に基づき教育・物資基盤によりこれを保障する。
  9. ロシア連邦軍の動員準備を保障する。
  10. ロシア連邦軍の軍人、文官、軍務から除隊したロシア連邦市民、及びその家族の一員の社会的保護を保障する。
  11. 諸兵科共通操典、軍部隊軍旗、ロシア連邦海軍旗、ロシア連邦国防省、ロシア連邦軍参謀本部、軍務実施秩序、軍事会議、軍事委員部、軍事輸送義務に関する規程の草案をロシア連邦大統領に提出する。
  12. 高等職業教育国家教育施設附属軍事講座及び軍務に召集されるロシア連邦市民の軍事検診に関する規程の草案をロシア連邦政府に提出する。
  13. 国防問題に関する連邦執行権力機関、ロシア連邦主体執行権力機関の活動を調整する。
  14. 兵器及び軍事機材の規格化の目的において、準軍隊、軍事部隊及び機関のための兵器及び軍事機材に対する発注を調整する。
  15. 外国国家の軍事官庁と協力する。
  16. ロシア連邦国防省に関する規程により規定されたその他の権限を行使する。

第15条 ロシア連邦軍参謀本部の基本機能


第16条 ロシア連邦軍の配置


1.ロシア連邦軍の連合部隊、編合部隊及び軍部隊の配置は、国防任務及び駐屯地の社会・経済条件に従い実施される。

2.ロシア連邦国防省の利用に供された領域内における軍部隊及び小部隊の再配置は、ロシア連邦国防相の決定により、編合部隊以上は、ロシア連邦大統領の決定により実施される。

3.ロシア連邦領外へのロシア連邦軍の連合部隊、編合部隊及び軍部隊の配置は、ロシア連邦の国際条約に基づき許される。

第17条 準軍隊、軍事部隊及び機関


1.準軍隊、軍事部隊及び機関の創設、廃止及び活動は、連邦法に基づき実施される。

2.準軍隊、軍事部隊及び機関は、以下のことを行う。

  1. ロシア連邦軍使用計画、兵器、国防産業複合体発展及び国防目的ロシア連邦領土作戦設備の連邦国家プログラムの立案に参加する。
  2. ロシア連邦軍使用計画に従い、ロシア連邦軍と共同でロシア連邦に対する侵略の撃退に参加する。
  3. 国防目的におけるロシア連邦軍との共同行動の訓練を組織する。
  4. ロシア連邦市民の軍務訓練に参加する。
  5. 国防目的におけるロシア連邦領土作戦設備及び交通路の準備に関する措置の実施を保障する。
  6. 国防の組織問題に関して、ロシア連邦軍参謀本部と協同を実施し、国防の組織に必要な情報を提供する。
  7. ロシア連邦軍との共同作戦及び動員訓練に参加する。
  8. 本連邦法に従い国防領域におけるその他の権限を行使する。

3.準軍隊、軍事部隊及び機関の充足は、ロシア連邦軍に対して定められた原則と秩序において実施される。

第5編 戦争状態。戒厳令。動員。民間防衛。領域防衛


第18条 戦争状態


1.戦争状態は、他の国家又は国家集団のロシア連邦に対する武装攻撃の場合、並びにロシア連邦の国際条約の履行が必要な場合、連邦法により布告される。

2.戦争状態の布告又は軍事行動の事実上の開始の時点から、戦時が到来し、軍事行動の停止に関する布告の時点から終了する。ただし、その事実上の停戦よりは早くはない。

第19条 戒厳令


1.戒厳令は、権利と自由の制限を規定する国家権力機関、その他の国家機関、地方自治機関及び組織の活動の特別法体制として、ロシア連邦に対する侵略又は侵略の直接の脅威の場合、ロシア連邦全土又はその個別地域に導入される。

2.戒厳令期間、ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関は、戦争状態の布告に拘らず、侵略撃退に関する戦闘行動を行うことができる。

3.戒厳令導入の際のロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の作戦統制機関は、ロシア連邦軍参謀本部である。

第20条 動員


1.総動員又は部分動員の布告と共に、戦時に対して規定された組織及び編成へのロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の移行、並びに戦時条件下における業務への国家権力機関、地方自治機関及び組織の移行に関する措置が実施される。

2.動員準備及び動員実施秩序は、連邦法により規定される。

第21条 民間防衛


1.民間防衛は、軍事行動の実施の際又はこの行動の結果生じる危険からの住民及び組織の防護の目的において組織される。

2.民間防衛の任務と組織は、連邦法により規定される。

第22条 領域防衛


1.領域防衛は、敵の行動、破壊又はテロ行為からのロシア連邦領土における住民、施設及び交通路、並びに非常事態及び戒厳令体制の導入及び維持の目的において組織される。

2.領域防衛の一般任務及び組織は、ロシア連邦大統領が規定する。

第6編 雑則


第23条 準軍隊及び軍事部隊の再編


第24条 ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関における政党及び社会団体の活動の制限


1.ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関における政党、並びに政治目的を追求するその他の社会団体の活動、並びにその機構の設立は、許されない。

2.ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関においては、選挙前を含むいかなる政治宣伝及び扇動の実施も禁じられる。

3.政党、並びに政治目的を追求するその他の社会団体の機構の創設及び活動の実施のために、ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関の定職及び財政資金の利用は、禁じられる。

第25条 ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関における適法性の保障


1.ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関における適法性に対する監督及び犯罪に関する事件の捜査は、ロシア連邦検事総長及びその配下の検事が実施する。

2.ロシア連邦軍、準軍隊、軍事部隊及び機関における民事及び刑事事件の審理は、ロシア連邦の法令に従い、裁判所が実施する。

第26条 国防の会計


1.国防費の会計は、ロシア連邦国防省、国防領域における措置の実現を保障するその他の連邦執行権力機関への資金の割当により、連邦予算の資金から実施される。

2.国防費部分における連邦予算の執行に対する監督は、ロシア連邦の法令に従い実施される。

3.その使命と無関係な任務の遂行に参加するロシア連邦軍の支出の会計は、ロシア連邦の法令により定められた秩序において、ロシア連邦政府が割り当てる資金の負担で実施される。

第27条 国防領域におけるロシア連邦の法令違反に対する責任


国防に関するその委任された義務の不履行において有責であるか又は国防任務の遂行を妨害したロシア連邦国家権力機関、ロシア連邦主体国家権力機関、地方自治機関、所有形態に拘らず組織の責任者及び市民は、ロシア連邦の法令に従い責任を負う。

第28条 本連邦法の施行


1.本連邦法は、その公布日から施行する。

2.その規範法令を本連邦法に一致させることをロシア連邦大統領に提案し、ロシア連邦政府に委任すること。

第29条 本連邦の採択と関連した若干の法令の失効の承認に関して


本連邦法の採択と関連して、以下のものを失効したものとみなすこと。

  1. 「国防に関する」ロシア連邦法(ロシア連邦人民代議員大会及びロシア連邦最高会議公報、1992年、第42号、2331ページ)
  2. 「「国防に関する」ロシア連邦法の施行秩序に関する」ロシア連邦最高会議決定(ロシア連邦人民代議員大会及びロシア連邦最高会議公報、1992年、第42号、2332ページ)
最終更新:2008年01月01日 12:05
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