Story8 ファントの死
「してやられたもんだな。此処の所は退散する。」
「逃げるのか?魔導。」
「いいや、違う。名前ぐらいはハデス様に伝えておいてやろう。お前の憑いてる少年の名は何と言う?」
「ん?・・・・・。え~と、レオン、って言ってるぜ?」
「そうか。その名、忘れないからな。いつの日かこの屈辱晴らして見せるからな。」
「どうだかな。」
「では、さらばだ。」
呪文を使ったのか、霧のようにその場から消えた。
「あ・・・あれ?」
体力がなくなったのか、その場に倒れこんだ。
「こいつ・・・。こんなに体力無かったのか。まぁ、俺が憑いてるという重荷もあるしな。」
そういって、レオンの体から、セイロウという青い光が抜け出した。
―あ・・・俺・・・?・・生きてる・・?
目を覚ますと、いつもの小屋だった。
そうか、魔導はあのおかしな青い光、セイロウが倒したのか、と一人で頷く。
「気付いたか?早く表に出ろ。」
迎えに来たのは、ファントではなかった。
俺はどのくらい寝込んでいたのだろう。
表に出ると、皆が集まり、ボスの下に膝まづいていた。
「お前は、勇敢な戦士だった。なぁ?ファントよ。」
ボスがファントの写真に語りかける。
「ファ・・・ファント?」
レオンが驚きの表情を浮かべる。
「あいつはな・・。あの時魔導とやらにやられて死んでいったんだ。う・・うぅ。」
ファントの葬式だった。
レオンは膝まづく事も忘れて、立ちすくんでいた。
涙が出てこない・・・・。
本当に悲しい時ほど涙が出ないものだ。
俺のせいだ。
俺がちゃんとしていれば。
ただただ自分を責めるレオン。
「もう誰も・・・。もう誰も、俺の前で死なせない。俺は強くなる。」
心の中でひたすらそう叫び続けたのだった。
最終更新:2008年07月30日 13:08