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story2   奇怪・火災

「何だっ?」
 教師よりも先に廊下に駆け出して行ったのは他でもない、笹崎だった。
 笹崎に連なるようにして皆も廊下へ出る。
「消火器が暴発してる!しかも廊下中のやつ全部」
 転じて大騒ぎとなった。
「おい、通せ、消火器がどうしたって?」
 教師は生徒等を掻き分け、やっとの事廊下へたどり着きその現状を目の当たりにした。
 しかしそれとほぼ同時に火事の警報が鳴る。
ブゥウゥウン
「火災が発生しました。出火場所は家庭科室です。避難経路をしっかり確認して非難しましょう」
 生徒等は人波に飲まれるようにして非難した。
 もちろん笹崎もその中の一人である。

―「どうだ?全員いるか?」
 避難場所で学級の状況を担任に知らせる所だ。
 だがしかし何か違和感がある。
 女子の人数が足りないのだ。
「誰がいないんだ?えー、茂原、相沢、高田、・・・・・・紅がいないのか!」
 そう、いなかったのは咲麗だったのだ。
 担任は消防士に一人の少女の救出を頼んだが、もう校舎は入れる状況ではなかった。
 それどころか水をかけても火力は増すばかりで収まる気配が無いのだ。
「もういい、アンタ等が行かないなら俺が行ってやるッ!」
 笹崎は水を被り、無謀にも灼熱地獄となった校舎の中へ飛び込んでいく。
 後ろから「やめろ」という声が聞こえて気がしたが、そんなもの気にしている暇もない。
 アイツがいなければ俺のスクールライフは腐ったも同然、と言わんばかりの顔をしている。
 そんな事を考えながらも笹崎の体も限界に近づいていた。
「やべぇな。このままじゃ俺も死んじまう。助けに行って死ぬとか、無茶苦茶格好悪いじゃねぇか・・・・・・・・あ?あれ何だ」
 笹崎の視線の先には何か蠢くものがあった。
 動物・・・?
 いや、そんな可愛い物ではない気がした。もっと、もっと、恐ろしく、怖い物。
 そういう気配をかもし出している。
「・・・・!」
 奴はこっちを見た気がした。いや、絶対見た。
 なぜならどんどん俺の方に迫っているから。
「ギギ、ガガ」
 金属的な音を発しながら奴は近づいてきた。
 そして、奴がさっきまでいた所には一人の少女がいた。間違いない、咲麗だ。
 笹崎は奇怪な生物をスルーし、彼女のもとの駆け寄った。
 もう既に体力は限界に達しているはずなのに。
 恐怖で震えが止まらないはずなのに。
「咲麗ッ!、お前大丈夫なのか?怪我は?」
「何で助けに来たの?わ、わたしなど別に好きじゃないんでしょ?」
「こっ、この期に及んで何を言っているんだお前は!好き嫌いの問題じゃない。所であれ何だよ?」
 笹崎が指を刺したのは、無論、奇怪な生物だ。
「知らないわよ。あいつにやられそうなところに笹崎が来たんだから」
「でも俺はここでお前なんかと死ぬなんて絶対嫌だ。はやく校舎から出るぞ」
 だがしかしそう簡単な事ではなかった。先程の奇怪な生物が目の前に立ちふさがったのだ。
「あちゃ~。どうすればいいのやら」
「そんなこといってる場合じゃないでしょっ」
「エモノ、ギギ、ガガ」
最終更新:2008年07月31日 22:13