story3 窮地・メガネ・能力(チカラ)
「どうすればいいんだよっ」
「知らないわよっ」
咲麗は笹崎の後ろに隠れたものの、奇怪な生物がいる限り、自分等の窮地には変わりない。
そして、段々意識が朦朧としてくる。
とても危ない状況なのだろう。
その時、笹崎の頭上が青白く光った。
燃え盛る火の中でこの色はとても映えて見える。
「なんだ?ありゃぁ?」
「ぼんやりしてないで早く進みなさいよっ」
しかし、頭上に男が降ってきて、それとほぼ同時に奇怪な生物が吹っ飛んだ。
あまりにもありえない出来事だったため、咲麗はしばらくの間放心状態だった。
笹崎は頭を痛そうに抱えているが。
「てっめぇッ!何しやがるッ!」
笹崎が振り回す拳を片手で受け止めた。
この男は何者・・・・?
「まぁまぁ。僕は君達を助けにきたんだよ?彼女も守れないようじゃ駄目だね、少年」
「かっ彼女っ!?」
思わず声を上げる笹崎。
「そこ、突っ込む所かい?」
黒縁メガネをかけた青い瞳の男。
手の甲には青い六角形が刻まれている。
「まぁ、見てなよ?」
青い瞳の男は片手をもう片方の手の甲に翳(かざ)すと、その手にはロッドが握られていた。
「アンタ、それどこから出したんだよ?」
「さっき持ってました?」
青い瞳の男は呆れたような表情をし、笹崎の手の甲に何か熱いものを押し付けた。
「面倒くさい。能力(ちから)はあげたから、あとは君たちでどうにかするんだね。それに、僕の名前はアンタでもあなたでもない。
蘭馬零亜(らんばれいあ)だ」
そういってその場を去ろうとする零亜にしがみつく笹崎。
「なんで帰る気満々なんだよお前。いきなり出てきて、あとはお前やれって、それないよな?」
「来ただけでも感謝して欲しいくらいだよ。そうしなければ君等はどうなっていた事か。現に僕がいなかったら君達は煙で既に死んでいる頃だ」
「でもあまりにも不条理だ・・・っておいッッ!」
その言葉を笹崎が叫ぶ前に彼は笹崎を奇怪な生物の方に投げた。
しかも全力で。
「おいいいいッッ!俺死ぬじゃんっ!何もしなくても死ぬじゃんっ!」
思わず咲麗が顔を覆う。
「彼女、まぁ見ててごらんよ。少年はきっとやってくれる」
「やるって何をよっ!」
「だからそう言わずに見てなって」
最終更新:2008年07月31日 22:15