story20 悪夢くん再び
「その形から言って・・・、イスタスの派生種か?」
「ビンゴ!正解だよ。ゴガッツ(砕岩呪文)を使うイスタスさ。」
イスタスというのは、モアイのような風貌の変わった魔物である。岩なので、砕岩呪文を弱点としているため、
砕岩呪文を使えると言うのは、弱点が無いに等しいのだ。
召喚術というのは本当に便利な物だ。現存の魔物をベ-スにし、属性付加や、呪文付加をするだけで、お手軽に
召喚獣を召喚できる。
上級ともなればまた別なのだが。
「所詮イスタスには変わりない。これでどうだっ!」
クル-ゼが宙に呪印を記すとイスタスの動きが止まり、苦しそうにする。
「君、こいつに何をした?」
「いや、そやつの足元をみて分かるとおり、根植呪文ネ-ジュだが?」
イスタスの足元には根が根付いており、その場から離れられない。
しまいには体力を吸収されている。
「やるんだね、僕も本気で行かなきゃッ!」
イスタスからルシアが飛び降り、クル-ゼに飛び掛ろうとしたときだった。
「そこまでッ!!」
ルシアは素直にその場に止まる。
声を放ったのは竜騎士の少年、そして召喚士の少年だ。
その辺で寝ていたレオンも目を覚ます。
「うるさいなあっ、そんなにでかい声出さなくてもわかるってばメフィストぉ」
「さぁて、どうだかな。」
メフィストが意地悪そうな顔をしてルシアをからかっていると、背後の召喚士が「空を見ろ」というので、
クル-ゼやレオンも含め、皆は空を見た。
すると、空に赤い瞳が浮かび、そこから何人かの少年、青年が飛び降りてくる。
「招かざれる客が来たようだな。赤い瞳のマ-ク、ハデスの仲間か」
唇を噛み締めるレオン。
「あれ?そこにいるのは、もしやレオンじゃないか?奇遇だね」
言うまでも無くナイトメアである。
メフィストが、「知り合いなのか?」と聞いてくるので、クル-ゼは「あぁ、嫌な知り合い」と答えた。
「さぁて、戦争界の鍵を探すか。」
彼等には見向きもしない幻術士。
しかし、ルシアはそいつの顔に殴りかかった。
「あぁ、ごめん。間違えた」
間違えてなど居ない。よほど勝負を中断されたのが悔しかったのだろう。
「お・・お前ッ俺が何をしたと・・・?」
「別に。僕の標的はその紺髪一人だし」
ナイトメアを指すルシア。
「僕かい?後で悪夢を見ることになっても知らないよ?」
「何、君洒落でも言っているつもりかい?だとしたらかなりつまらないよ?」
ナイトメアの顔が歪み始める。
「お前、どうなっても知らないからな・・・。」
「お互い様だよ。」
二人の間に散る激しい火花。
この火花は止まる事は無いだろう、と誰もが悟ったのであった。
最終更新:2008年08月01日 08:04