story22 夢魔の心臓
― 一方
「この辺りだと思うんだが・・・?」
ナイトメアが激戦を繰り広げる傍ら、黙々鍵を捜し求める幻術士カイト。
魔剣士ゼノラスや、アサシン忍者シンは、真面目に探しているが、戦闘狂の上、血の気が多く、短気なカイトにはもう
限界である。
「あぁ~ッ、もうムリだ、こんな作業やってられるかっ。こんなん魔導に任せとけば良いだろ。ナイトメアばっかり楽しみやがってよ?」
カイトは、ナイトメアやレオンらがいる方に駆けていく。
「お前、ハデスの命令はいいのかっ?」
「そんなの関係ねぇッ、俺は戦うためにここに来たんだ」
「いや、そうなのかもしれないけど」
ゼノラスも反論を言えなくなってしまう。
「おぬしらは戦っているが良い。拙者は黙々と探し続ける。見つけなければハデス殿に面目がたたないのでな」
シンがそう言った途端にゼノラスも飛ぶように走っていく。
結局アイツも戦いたかったのか・・・。
そんな事を考えながらも、シンはひたすら真面目に探し続けるのであった。
―
「ぐはっ!」
血を吐いて倒れるナイトメア。
いつの間にか変真も解けている。
ルシアは、普段の表情とは打って変わった、「その程度か」という冷酷な表情になっている。
ナイトメアにも劣らないだろう。
「所詮君はここまで。僕には勝てないんだよ」
「うるさいッ、僕は負けないんだ。そらっ」
手を翳すと、僕の夢魔が現れる。
サキュバスだ。
「よう、兄貴久しぶりだな。ヘルダントで使ってもらった時以来か?」
サキュバスが軽快な口調で話しかける。
「今回の相手はアイツだ。殺ってくれよ」
圧倒的な威圧感でそこに立ちすくむただ一人の少年、ルシアを指差した。
「え、アイツですか。まさか。兄貴がたった一人の人間に殺されるなんぞありえない。冗談にきまってらぁ」
「そうか。それがお前の答えなんだね。じゃあね、永遠に」
「な、ちょ、兄貴っ!?」
グチャ
彼の手がサキュバスの心臓を掴み、もぎ取った。
サキュバスは倒れ、もう眼を開けることは無いであろう。
「僕が真に欲しかったのはこいつだ。この心臓。まだ動いてるよね。うん」
誰かに尋ねるように独り言を言った後、その心臓を自らの体に押し込んだ。
すると強制的に悪魔形態になり、顔が変化していく。
「うん、これでいいんだ」
ヤギの様な、禍々しいオオヅノが付いた邪神の顔。
まるで先程のサキュバスのようだ。
「さて、始めよう。真のゲ-ムを」
最終更新:2008年08月01日 14:52