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story27   龍機・ラタ

「お・・・お前っ一体何をしたんだよっ」
 酷く怯える少年。
 そりゃあ、魔法など見たことがない物にとっては、驚きとしか表せない。
 これを目撃するまでは、有り得ない物だったのだから。
 それがいま、目の前に突きつけられたとなったら、この真実を飲み込むしかない。
 しかし、クル-ゼはどこから魔力を用いたのだろうか。
 この世界の魔力は尽きたはず。
「クル-ゼ、お前どこから魔力を?」
「あぁ。それはこの魔銃(マジックピストル)の弾に込めた魔力を抜き取り、それを再利用しただけだ。魔力を見つけたわけではない」
 レオンはガックリと肩を落とした。
 魔法が使えるようになった訳ではないのか、と。
 これから一体どうなるのだろう。
「まぁいい。とりあえず、此処を抜ける。行くぞっ!」
 少年とレオンはクル-ゼにしっかりと捕まり、ともに転送される。
 転送された先は・・・
―シン側・・・
「拙者までもがこっちに来てしまうとは。これからはて、どうするべきか」
 ハデスの僕とはいえども、地形や現在地が分からないのでは何も出来ない。
 さすがに不安だ。
「むうっ、ナイトメア達とも連絡が取れないともなると厄介。どこへ行くべきなのだろうか?」
 彼らしくもなく歩いていると、驚きの光景を目にした。
 ドラゴン・・・・?
 竜が目の前にいるのだ。
 この魔法の無い戦争世界にまさかそれは無いだろうと思い、もう一度目を凝らした見たが、どう見てもドラゴンだ。
「龍・・・だと?何故このようなところに」
「何故・・・だって?」
 どこからともなく声が聞こえる。
 この雰囲気、どこと無く奴に似ている気がする。
 振り向くと、そこには角が2本生た赤髪の少年がいた。目は隠れている。
 みるからに怪しい雰囲気だ。
「お主は?」
「僕かい?君に名乗るほどの名は無い。それに、あれはドラゴンじゃあないんだ。龍機壱式(リュ-キイチシキ)だよ」
「龍機・・・?」
 シンが分からないような表情をすると、少年はクククっと笑い始めた。
 何が可笑しいのか。
「君、機獣も知らないの?時代遅れだね。ここに暮らしながら機獣も僕のことも知らないなんて、ホント常識はずれだね」
 しかし、その瞬間少年はシンのある物に目が留まる。
 赤い瞳の模様・・・・
 冥界のしるし。
「そうか、君。ハデスの手下だったのか。だったら名乗ろうじゃないか、僕はラタトスク。感ずいていたらだけど、ナイトメアの弟だね」
「弟だと・・・?」
 それで似た気配を感じたわけだ。
 しかし、そのような者が何故此処に?
 それに、ナイトメアに兄弟などいたのだろうか。
「面白そうだから手合わせ願うよ」
「御意」
―そして話は戻り・・・
「っと。ここは・・・町か」
 街。しかし、いるのは戦場で傷ついた人々。
 レオンたちにとっては考えられない事である。幻想世界はあんなに平和なのに、と。
「レオン、行くぞ」
 クル-ゼにつれられその場を去った。
最終更新:2008年08月01日 14:55