story30 終焉戦争(ラグナログ)
「まだ気付かないとは、愚かな。我が成敗してくれよう」
荒々しく声を上げ、三日月を模したような形の剣を振り回す。
すると負けじとナイトメアも魔槍グ-ングニルを召喚し、振り回す。
正体を暴いてやろうと仮面を狙うがうまく当たらない上に、追撃されてしまう。
「お前、なかなかやるじゃないか」
「その口ももうすぐ生意気聞けなくなるぜ」
拳でナイトメアの腹を力強く殴ると、吼えるように高い声を挙げた。
段々人間の体が崩れていき、完全な四速歩行の動物になる。
これは獣人ではない、獣だ。
毛が伸びて行き、巨大な尻尾も見え始める。
そして黄金に光る鋭い目。
狼だ。
しかし狼の数倍の大きさはある。
「この姿をみても分からない、ということはあるまい?」
「フェンリル・・・・・!」
フェンリル。
その昔、ラグナロスと呼ばれる、神々と魔人の戦争が宇宙樹ユグドラシルに位置する世界で起こった。
神々のリ-ダ-、オ-ディン。
そして、魔界の貴公子、ラタトスク、ニ-ズヘッグ、フレスベルグ。
その戦いは何日、いや何年。
いや、何百年も続いた。
しかし、その戦争に終止符を打ったのは、オ-ディンでもなく、魔界貴公子でもなく。
フェンリルだった。
中立の立場にいる獣、そいつがオ-ディンを食い殺してしまう。
しかし、それは違った。
最初から彼の策略だったのだ。
フェンリルの真の姿である、ロキの。
そして・・・・
「そうか、お前ロキだったのか。通りで僕の神名を知っている訳だ」
「ククク・・・。覚えてくれていまして有難うございます、オ-ディン様。いや、ナイトメアァァァッ!!」
獣の姿のままで襲いかかる。
ナイトメアの腕にかじりつき、離そうとしない。
「やめろっ離せっ!!」
「だれが離すものか。あの時のように食い殺してやる」
ダンッ!
銃声が鳴り響き、銀の弾丸がフェンリルの体を貫通する。
もがき苦しむフェンリル。
その銃弾の主とは。
「やめろ獣。俺は獣人処刑人ドラクだっ」
「何だ?しょ・・処刑人ごときが」
しかし、処刑人は獣人に一言も喋らせようとはしなかった。
すぐさま手に持っている銃を連射し始めた。
フェンリルは軽快なステップで避ける。
しかし、銀の弾丸を喰らっただけでも十分の痛手。
段々と動きが遅くなり始める。
「無様だな」
そう一言いい、銃の引き金をおろそうとした。
最終更新:2008年08月01日 14:58