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story2   間違い

「ショパン、お前は私がなぜこんな事をするのか分かるはずだ」
「はい、父上。この世界から愚か者を消し去り、まったく新しい世界を創造するためです。少なくとも俺はそう思います」
「その通りだ。私がやっていることは間違っていない。ただし、昨日の小国の王のような器の小さいものには到底理解できない事だがな」
 父上は正しい、と改めてそう実感した。
 ガタンッ!
 急に扉が開く。護衛隊長だ。
「王、大変です。王子と変わらないぐらいの少年が剣を振るって王城に侵入してきました」
「そうか、貴様等の護衛はそんな少年に破られるほど薄かったのか。隊長として貴様に責任を取ってもらおう。死をもってな」
「すみません。次からはトロイの城壁よりも厚い護衛を立てます。必ずや。だから命だけは」
「消えろ」
 ミダガルドが手を翳すと護衛隊長の姿はそこから消えてなくなった。
 やはり父上に勝る物など無い。
「さて、その少年とやらを捕まえに行くか。私が自ら手を下してやろう。お前も行くか?ショパン」
「はい、父上」
 螺旋階段を下りるとそこでは護衛兵と大剣を振るう少年が激しい戦いを繰り広げていた。
 多少、少年の方が優勢のようだ。
「貴様等、3人もいて一人の少年に勝てないのか。これでは第一隊は解散、いや、消滅だな」
「な・・えっ・・」
 赤黒い光が瞬く。
 目を開けるとそこにあったのは護衛兵達の装備品のみだった。
「王、貴様何を‥?」
「夜力(ナイトアレン)というものだ。死に行くお前に言うなら障害は無い。ショパン、お前が戦え。レイピアは持っているはずだ」
「分かりました」
 ショパンは剣を構え、少年の前に立つ。
「お前は、いや、王子様は王のやることが正しいと思っているのか?」
「あぁ。父上の言う事は絶対だ。間違っているはずが無い」
「たくさんの人が死んでいるのにか?」
 ショパンは剣を振り下ろす。
「うるさいっ!俺が父上をどう思ってもお前には関係の無い事だ!剣を取れッ!」
「もう君は矯正のしようが無いみたいだ。諦めるか」
 ショパンの斬激をくらい、少年は吹っ飛ぶ。
「何をゴチャゴチャと。剣に集中しろっ!」
「お前は本当にそれでいいのか?」
「何がだ。また父上の話か?」
 少年はコクリ、と頷く。
「その事以外に何がある?お前は内心、王のやり方に疑問を持ったことがあるはずだ」
「ないな」
「嘘だ。少なからず一度はあるはずだ」
 ショパンは自分が父に抱いた疑問を必死に振り払おうとする。
 しかし、思い出してしまったものはなかなか離れない。
「ないっ!そんなことは断じてなーいッ!」
 ショパンの斬激は少年の一振りで発生する衝撃波によってかき消されてしまう。
 陰に強く体をうったショパン。
 その時ショパンの中の何かが吹っ切れた。
「まだ分からないか?王のせいでこの世界は滅びる寸前なんだ」
「そうだな。思えばこの世界が荒廃したのも父上のせいだった」
 王は急に焦りの表情を浮かべる。
「何だと、お前も私に反逆しようというのか?」
「そういうことになりますね」
「正義を貫く物は大馬鹿者だと教えたはずだ。なぜ反逆者がどうなる分かっていて裏切る」
「そうさ。俺は馬鹿者です。父上を裏切った上に反逆者に手を貸すなど、もってのほかでしたね」
「貴様‥‥そう白々と‥」
「すいません、王。王子様も僕の意見に賛成のようですがどうしましょう?」
最終更新:2008年08月01日 15:10