氏名 |
所属 |
職種 |
社会人経験年数 |
加賀昭三 |
有限会社ティルナノーグ |
ゲームクリエイター |
20年 |
経歴
1986年 パソコンゲーム雑誌「ログイン」に自作ゲームを投稿し入賞
1990年 インテリジェントシステムズ(株)(以下IS)より発売したファミコン用ソフト「ファイアーエムブレム(以下FE) 暗黒竜と光の剣」がヒット。 「シミュレーションロールプレイング」というジャンルの草分け的存在となる。
これよりシリーズ5作目となる「FE トラキア776」まで同シリーズのディレクターを務め、「FEシリーズの生みの親」と認識されている。
1999年 ISを退社し、ティルナノーグを設立。プレイステーション用ゲーム「エムブレムサーガ」の開発に着手する。
このゲームがFEとゲームシステムや物語の上で酷似している(加賀氏自身が物語上の関わりを雑誌上で示唆)として任天堂及びISから開発差し止めが求められる
2001年 「エムブレムサーガ」を「ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記」と改題しエンターブレインより発売
このゲームがFEシリーズの著作権を侵害している、またFEシリーズと関わりのあるような宣伝を行ったことに対して任天堂とISはエンターブレイン・ティルナノーグ・加賀昭三を相手に裁判を起こす。これ以降、加賀昭三はFEの製作から離れる。
2004年 二審・東京高裁判決で不正競争防止法違反について加賀ら3者は約7600万円の損害賠償を命じられる。(のち任天堂の上告が棄却されたことによりこの判決が確定)この判決において裁判所は「FEシリーズのブランドイメージを利用したゲームの宣伝をエンターブレイン側が行った」という点にのみ任天堂の損害を認め、ゲーム内容についての著作権侵害は認められなかった。
2005年 エンターブレインよりプレイステーション2用ソフト「ティアリングサーガシリーズ ベルウィックサーガ」を発売。これは今現在、加賀氏が関わった最後のコンシューマゲーム作品である。
2012年 自身のブログにて、ゲームクリエイターとしては現役を引退していることを表明。
2015年 自身のブログにて、市販のゲーム製作ツールを利用して同人ゲーム「ヴェスタリアサーガ」を開発することを発表する。一時期はプロジェクトの参加者をブログ上で募集していた。
業務内容
ディレクターとして、FEシリーズ及びティアリングサーガシリーズにおいてシナリオ、システムといったゲームの根幹に関わる部分の開発を取り仕切っていた。
やりがい
ブログにおいては、次の項でも述べるように、プレイヤーの数だけ物語が生まれるということを大切にしていると語っている。自身の製作したゲームをプレイする人の動画を見て、同じ場面でも、プレイヤーによってまったく進め方が変わってくることや演出に対して製作時に意図したように反応してくれることに喜びを感じるようである。
仕事への姿勢/考え方
「中世ファンタジー世界を舞台にした戦記物のゲーム」であるFEシリーズ、ティアリングサーガシリーズに関わってきた人物らしく、ゲームを製作するに当たって、物語の世界観に合わせたシステム作り、そしてプレイする人によって異なる物語が生まれるようにするという点に配慮してゲームを製作しているように感じられる。過去のインタビュー記事において「私は歴史が好きなんですね。ヒロイックファンタジー・・・英雄物語が好き。そのなかで織り成される人間ドラマを表現しようとつきつめたら、ロールプレイングシミュレーションというシステムにたどりつきました。」と発言し、また自身のブログ上で、ある人物から送られてきたゲーム仕様書への返信という形でゲームシステムのアイデアについて物語の世界観に配慮したコメントをしていたことからもそのことはうかがえる。
私生活
ブログにて自作ゲームを開発していることや同人ゲームのプロジェクトを進めていることなどを明らかにしており、「隠居」しているとしながらもゲーム製作にはかかわり続けている。
転機
今後の目標
同人ゲーム「ヴェスタリアサーガ」を製作中であり、来夏の完成を目指している
参考URL
感想①
シミュレーションロールプレイングゲームを長年製作してきた人物であり、そのゲーム作りに対する姿勢は一貫しているということを感じた。ロールプレイングゲームにおいてストーリーを表現することは重要であり、インタビュー記事にもあった、物語を表現する方法を突き詰めてゲームシステムに行き着くという考え方には共感を覚えた。ものづくりに対する自分の信念を持つということは大切であるし、今後の自分の学習の中でも参考にしなければならないと感じた。
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最終更新:2025年05月07日 23:11