ラング (la langue, les langues) は、
言語学者フェルディナン・ド・ソシュールの概念。
言語共同体における社会的規約の体系としての言語の側面を指し、
個人によるその実践であるパロール (la parole) に対立する。
さらに言語一般の分節化能力を表すランガージュ (langage) とは違う。
英語訳ではラングを冠詞付きや複数形 (a language, the language, languages) で、
ランガージュを冠詞なし単数形 (le language) で表し分けることがある。
ソシュールは言語学の対象措定において、講義の上ではパロールではなくラングとすべきである、とした。
これは言語学がまず明らかにすべきものは特定の言語の体系であり、単に対立するだけではなく、相互に依存する側面もある。
パロールはラングを背景とするがその場その場での単一の事象であり、言語学の真正な対象ではない、とした。
最終更新:2009年10月13日 19:39