ルミネtheよしもと

ザ・ちゃらんぽらん楽屋


「おい!」


鏡の前でネタ合わせをしていたら、急に井本が怒鳴ってきた。
まぁ、いきなり怒鳴るんは良くある事なんやけど・・・。


「なんやねん・・・」


「お前な・・・

何いつも見下ろしとんねん!」







見上げる君・見下ろすお前






「俺のほうが身長高いからちゃう?」


内心「はぁ!?」とか思ってるが、そんな事を言おうもんなら、
ボディーブローが飛んでくるんやで・・・。


「そんな根本的なことやなくてな~・・・」


舌打ちを打ちまくりながら、机を叩く。
本人からしたら軽く小突いた程度かもしれんが、木の机がしなった様に見えたんは俺の気のせいか?


「背が低いんは認めるんやな」


なんか言ったら「うるさいわボケ!」言うて手が出るのに、
なんも言わんかったら言わんかったで、「なんか言えやボケ!」言うて蹴りが来る。
理不尽すぎるわ~。


「俺が低いんやなくてお前がでかいだけや!」


意外にも少し黙って、溜息をついた。
ガードを固める必要は無かったんやな・・・。


「やっぱ気にしとるんやな~」


防御を解きながら、恐る恐る言って見る。


「ったく・・・しゃ~ない事やけどむかつくわ~。見下ろされるなんて屈辱やな」


更に大きな溜息をつくと、勝手に椅子に座った。
まだネタ合わせ終わってえんやろ!
もちろん言わんけど・・・。


…ちょっと待て。
さっき井本はなんて言うた?


『見下ろされるなんて屈辱やな』


俺は心の中で妖しい笑みを浮かべて、井本の近くに向かう。
思いたったが吉日ってやつや。


「・・・・・・」


「ん・・・なんや?急に黙りこくって・・・ってうわ!」


既に雑誌を読み始めてた井本は、突然しゃべらんくなった俺を不振がり、振り向いた。
そんなに俺のこと好きなんか?
ん?違うか?


まぁ、それは置いといて・・・。
椅子の前まで行き、井本の体を持ち上げる。


「これで満足か?」


井本がいた部分に俺が座りなおして、俺の膝の上に向かい合うように井本を置く。


「ちょ!離せや///このあほ!」


うっわ~真っ赤なっとるわ。
めちゃくちゃ扇情的やわ~。


「俺は井本の事好きやから、屈辱なんて与えられんわ~。せやから、こう」


一応、もっともらしいけど意味解らん台詞を言っておく。
井本って結構馬鹿やし、こんな甘ったるい台詞に弱いし。


「こっちはこっちでものっそい屈辱的や///」


俯きながら、俺の胸を叩く井本が可愛くてしかたなかった!
これが仕事前や無かったら確実に襲ってたな。


「いや~井本に見下ろされるのも中々ええなぁ・・・」


正直な感想をもらしてみた。


「お前そっちが本命やろ!!!」


もちろん、すぐさま右ストレートが飛んできたのは言うまでも無いだろう。


















最終更新:2007年07月10日 22:32