居酒屋の客引き、ミナミで初逮捕 60メートルつきまとい腕つかむ

大阪・ミナミの繁華街で私服警察官に対し、居酒屋への客引きを強引にしたとして、大阪府警南署が客引き業者のアルバイトの男(24)を府迷惑防止条例違反(不当な客引き行為)容疑で現行犯逮捕していたことが21日、分かった。居酒屋への客引き自体は府条例の規制対象外だが、業種に関係なく、しつこい客引きは禁止している。男は警察官の腕をつかみ、約60メートルもつきまとった。ミナミで居酒屋の客引きが逮捕されるのは初めてという。

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 ミナミ界隈では約10年前に、カラス族と呼ばれるホストクラブ従業員らによるしつこい客引きが問題化。府は平成17年に条例を改正し、風俗店や無料案内所、キャバクラ、ホストクラブへの客引きを禁止した。

 その後、ミナミの路上から客引きはほぼ姿を消したが、2年前の夏ごろから規制対象外の居酒屋やガールズバーなどへの客引きが急増している。

 逮捕容疑は、2月23日午後6時15分ごろ、大阪市中央区心斎橋筋の路上で、私服でパトロールしていた南署員2人の前に立ちふさがり、「居酒屋どうですか。安くします」と声をかけながら腕をつかみ、断っているにもかかわらず約60メートルつきまとってしつこく店へ誘ったとしている。

 男は4年前から客引き専門業者のアルバイトをしており、「強くプッシュすれば来てくれると思った」と供述。業者は「腕をつかむなどしつこい勧誘はだめと注意していた」と説明しているという。

 男の給料は歩合制で、同署は売り上げを上げるために執拗な勧誘を繰り返していたとみて、任意捜査に切り替え、近く同条例違反容疑で書類送検する方針。
最終更新:2013年03月30日 06:56