春の最新乙女流行 - (2007/05/01 (火) 21:19:47) の1つ前との変更点
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「やめてくれっ!」
「大丈夫だよっ、お姉ちゃんー」
「だからといって某にこれはっ……だ、だからやめてくれ天河石!」
決して某がいじめられている訳ではない。
……いや、某からしたらいじめのようにも感じるが。
「お姉ちゃん逃げちゃダメー。天河石上手だから痛くなんてしないよ?」
「そ、そういう問題ではないっ、某には絶対似合わぬのだ!!」
某の格好。
黄色でフリルの多いドレス……要は天河石のドレスと似たものを着せられている。
最初はすぐ飽きるだろうとされるがままにしていたのだが、まさか……。
「お姉ちゃんも天河石とおそろいにしようよぉ」
「だから某についんてーるは似合わぬと……あ、や、やめっ!」
◇
「ただいまーっと」
今日もバイトお疲れさんっと。
家に入ってみると、早速天が出迎えに来る。
「おかえりなさーい」
「おう。ちゃんといい子にしてたか?」
「うんっ、お姉ちゃんと遊んでたよ」
なるほど、相変わらず珊瑚はよく働くな。
「で、そのお姉ちゃんはどうしたんだ?」
「向こうのお部屋で待ってるよー」
そう言ってドアを指差……。
「く、来るなっ!!」
ドアの向こうから声。
「……待ってないようだが?」
「きっとお姉ちゃん照れてるんだよ。ほらマスタぁー、こっち来てー」
「だから来るな! 来るなと言っている!!」
……馬鹿だな、珊瑚。
「そんな事言われたら行かずにいられないだろうが」
という訳でドアを開ける。
……誰もいない。隠れたか?
「お姉ちゃーん、ちゃんとマスタぁーにも見てもらおうよぉ」
「遠慮する」
「きっと可愛いよーって、褒めてくれるよ?」
「可愛くない」
あぁ、押入れに隠れてるのか。
「おいおい、そんなんじゃ駄々っ子みたいだぞ。お前の方がお姉ちゃんなのに」
「そういう問題ではない、そういう問題では……」
駄目だ、話が全然進まん。
どうせ服は着てるのだろうし、こういうことはとっとと終わらせるに限る。
「あー、もう開けるからな」
「なっ……ま、待て主!」
待たない。問答無用で押し入れを開ける。
何を見ても驚かないつもりだ。矢でも鉄砲でも持ってこいってところか。
まぁ、斧だけは勘弁……。
「ああぁぁぁ……」
……これはたまげた。驚かないつもりなのに驚いた。
飛んできたのは矢でも鉄砲でも斧でもない、珊瑚のツインテール姿だった。
しかもドレスは黄色でフリフリの……何というか、キャラに似合わぬ
可愛さというか。
それよりも、珊瑚の顔が赤い。そりゃあもぉトマトのように。
「ね、似合うでしょー?」
珊瑚の気持ちなど全然知らないであろう天が、にこやかに尋ねてくる。
「あ、ああ……可愛いぞ」
そう答えるしかない。この哀れな珊瑚のためにも。
でも可愛いのは本音だ。女の子らしいかわいげな衣装だって十分似合う。
しかしその言葉がまずかった。珊瑚の顔が、みるみるうちに赤く……あーあ、スイッチ入ってしまった。
「言わないでくれ……もうそれ以上……うあーっ!!」
「って、ちょっ、褒めたのにキレるなっ、あぶっ、あぶなっ、布団振り回すなっ!!!」
「天、今度から人が嫌がることを無理矢理やるなよ」
「あうぅ……ごめんなさい」
暴走する珊瑚を何とか着替えるよう諭し、3人居間に揃う。
ちなみに天と珊瑚は正座。申し訳なさそうにうつむいている。
「あと珊瑚、布団を振り回すな。ダメになったらどうするんだよ」
「面目ない……」
いつもより縮こまっている二人。特に珊瑚のこういう姿を見られるとは、予想外だ。
まぁ、何よりあのときの可愛い姿もたまには……そんなこと言えないけど。
「……まぁ、反省してるならいいけどな。それより飯は……」
「……すまぬ」
「そーですよねぇ……いいわ、俺作る」
冷蔵庫、何余ってたっけなぁ。
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「やめてくれっ!」
「大丈夫だよっ、お姉ちゃんー」
「だからといって某にこれはっ……だ、だからやめてくれ天河石!」
決して某がいじめられている訳ではない。
……いや、某からしたらいじめのようにも感じるが。
「お姉ちゃん逃げちゃダメー。天河石上手だから痛くなんてしないよ?」
「そ、そういう問題ではないっ、某には絶対似合わぬのだ!!」
某の格好。
黄色でフリルの多いドレス……要は天河石のドレスと似たものを着せられている。
最初はすぐ飽きるだろうとされるがままにしていたのだが、まさか……。
「お姉ちゃんも天河石とおそろいにしようよぉ」
「だから某についんてーるは似合わぬと……あ、や、やめっ!」
◇
「ただいまーっと」
今日もバイトお疲れさんっと。
家に入ってみると、早速天が出迎えに来る。
「おかえりなさーい」
「おう。ちゃんといい子にしてたか?」
「うんっ、お姉ちゃんと遊んでたよ」
なるほど、相変わらず珊瑚はよく働くな。
「で、そのお姉ちゃんはどうしたんだ?」
「向こうのお部屋で待ってるよー」
そう言ってドアを指差……。
「く、来るなっ!!」
ドアの向こうから声。
「……待ってないようだが?」
「きっとお姉ちゃん照れてるんだよ。ほらマスタぁー、こっち来てー」
「だから来るな! 来るなと言っている!!」
……馬鹿だな、珊瑚。
「そんな事言われたら行かずにいられないだろうが」
という訳でドアを開ける。
……誰もいない。隠れたか?
「お姉ちゃーん、ちゃんとマスタぁーにも見てもらおうよぉ」
「遠慮する」
「きっと可愛いよーって、褒めてくれるよ?」
「可愛くない」
あぁ、押入れに隠れてるのか。
「おいおい、そんなんじゃ駄々っ子みたいだぞ。お前の方がお姉ちゃんなのに」
「そういう問題ではない、そういう問題では……」
駄目だ、話が全然進まん。
どうせ服は着てるのだろうし、こういうことはとっとと終わらせるに限る。
「あー、もう開けるからな」
「なっ……ま、待て主!」
待たない。問答無用で押し入れを開ける。
何を見ても驚かないつもりだ。矢でも鉄砲でも持ってこいってところか。
まぁ、斧だけは勘弁……。
「ああぁぁぁ……」
……これはたまげた。驚かないつもりなのに驚いた。
飛んできたのは矢でも鉄砲でも斧でもない、珊瑚のツインテール姿だった。
#ref(1837.jpg)
しかもドレスは黄色でフリフリの……何というか、キャラに似合わぬ
可愛さというか。
それよりも、珊瑚の顔が赤い。そりゃあもぉトマトのように。
「ね、似合うでしょー?」
珊瑚の気持ちなど全然知らないであろう天が、にこやかに尋ねてくる。
「あ、ああ……可愛いぞ」
そう答えるしかない。この哀れな珊瑚のためにも。
でも可愛いのは本音だ。女の子らしいかわいげな衣装だって十分似合う。
しかしその言葉がまずかった。珊瑚の顔が、みるみるうちに赤く……あーあ、スイッチ入ってしまった。
「言わないでくれ……もうそれ以上……うあーっ!!」
「って、ちょっ、褒めたのにキレるなっ、あぶっ、あぶなっ、布団振り回すなっ!!!」
「天、今度から人が嫌がることを無理矢理やるなよ」
「あうぅ……ごめんなさい」
暴走する珊瑚を何とか着替えるよう諭し、3人居間に揃う。
ちなみに天と珊瑚は正座。申し訳なさそうにうつむいている。
「あと珊瑚、布団を振り回すな。ダメになったらどうするんだよ」
「面目ない……」
いつもより縮こまっている二人。特に珊瑚のこういう姿を見られるとは、予想外だ。
まぁ、何よりあのときの可愛い姿もたまには……そんなこと言えないけど。
「……まぁ、反省してるならいいけどな。それより飯は……」
「……すまぬ」
「そーですよねぇ……いいわ、俺作る」
冷蔵庫、何余ってたっけなぁ。
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