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休日のひととき - (2006/11/28 (火) 08:18:57) の編集履歴(バックアップ)


  夕食後、テーブルでくつろいで新聞を読んでいる時だった。
「マスター、こちらへどうぞ」
  ん? こちら? 見るとペリドットがソファーに座って膝をポンポンと叩いて手招きしている。右手には梵天のついた竹の棒……そういうことですか。ニヤケそうになる顔を筋肉で澄ました顔にする。鏡で見たらかなり滑稽な顔になっていることだろう。
「それじゃ、よろしく」
  素直に彼女の膝に頭を載せた。とても柔らかく、いい匂いがする。彼女の幼い妹たちが膝の奪い合いをする気持ちがよく分かる。無防備な状態で彼女に全てを委ねることの、なんと心地いいことか。触れる指先の感触。頬にかかる吐息。ハァ……極楽とはここのことか……。
「動かないで下さいね。まだ眠ったらダメですよぉ」
  ふぁぁい。でも、気持ちいいんだもん。まどろむ……。
  カリッ
「あいっ!」
「あら、ごめんなさい。でも、動かないで下さいね。大きいのが取れましたから」
  わざとやってませんか? 
「はい。こちらは終わりました。反対です」
  寝返りをうって、彼女の方へ顔を向ける。視線があうと、顔が……だめだ……ニヤケ顔が止まらない……。
「ふふふっ。もう少しですからねぇ。おいたはいけませんよぉ」
  軽い動作で頭を押さえられる。どこにこんな力が? ああ、すごく気持ちがいい。だめだ……眠く……。

  意識が浮かび上がってきた。テレビの声が聞こえる。頭を……いや、髪を撫でられている。膝とお腹に顔を埋めて。息を吸い込むたびに彼女の香りで肺が満たされる。目覚めたくないなぁ。
「あら、どうしました?」
  あら、気がついたのね。でも、起きたくないんだ……もう少しだけ……。
「今日は甘えんぼさんですね。ふふっ。そういうマスターも嬉しいです。もっと甘えてくださいね……」
  休日の昼下がり。たまには彼女に甘えてみる。でも、これからはソーダちゃんや天ちゃんに嫉妬しそうな気がする……。
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