アットウィキロゴ

あれは、夏の日の(ry

あれは、夏の日の(ryとは、2015年8月29日にメロンがTwitterで綴った、
思春期のムスコ(男性器の隠語)を抱える家庭では、どこでもありそうなオナニー中の事故(?)のことである。
自身が童貞であったことすら忘れてしまうその瞬間を、複数にわたる140字以内に収まる投稿で、
細かく刻んだショートストーリーである。

全文

あれは、夏の日のことだった。当時私は、床に陰茎をこすり付けてオーガニズムを楽しむ自慰にハマっていた。今でも時々するが、あの時ほどではない。
確か、東方の古明地さとりの画像だっただろうか、諏訪子だった様な気もする。断面図、二次元特有の同人誌、その性癖を幻想に、脳は、己が童貞であることを忘れ、ただただひたすらに、ペニスを座布団にこすりつけていた。何やら、睾丸から上の辺りが熱い。オーガニズムだ。脳は、ドーパミン、アドレナリンがかなり多く出ているのだろう。動機が血圧の上昇を感じさせ、不安を煽る。
しかし、股間は止まらない。ただただ、絶頂を超過した感覚のためだけに、腰を振り続ける。居もしない、次元の違う女の子の膣を突き上げる妄想をし、また、一回こすり、また一回こすり、座布団にこすった回数など、数えてはいられない。今は、何も考えず「出しきりたい。」その一心だった。
一日のうちにおいて、これほどまで全身をフルにつかうようなことはしない。スポーツは嫌い、電車では席を探す、1階のぼるだけでもエレベーター。そんな私が、身体をつかうことといえば、これしかなかった。ただただ、ペニスをひたすら座布団にこすりつけること、これが私の唯一の運動だった。
まもなく絶頂のときは近づいていた。ペニスは無駄に溜まってしまった精子を古くなるまでに吐き出そうと、いや、身体の主である私はペニスには無理に吐き出させようと、ひたすら座布団に股間をこすりつける。もうすぐだ。もうすぐ、私は快感の園にイケる、、そう思ったときだった・・・
突然、私の部屋を無作為にも叩く音が聞こえた。鳥肌が立った。先ほどまで人の気配がなかった個室の外。一瞬、手がとまった。その時だった。
「ご飯や、今日はアンタの好きな、チキンのテリヤキやで!」
息子のムスコのことなどお構いなしの更年期真っ盛りの女性が、性欲盛んな私のことなど理解できず、又、悲しいことに彼女はきっと私を喜ばせようと忙しい営業の仕事から帰宅後息子に喜ぶ料理をと、テリヤキチキンをつくったのだろう。非常に、子ども想いの彼女だが、性機能の大半を失いつつある更年期のせいか、息子のムスコの事情まで理解できていなかったのかもしれない。
いや、理解させてはいけないのかもしれない。仮に、更年期で性機能が低下していたとして、実母である女性に、
「今オナニーしてるからちょっとまってや!」
と正直に言うことは、辱め極まる行為なのだろう。不作法で定評のある私でも、その常識はわかっていた。でも悔しかった。
何が悔しかったのか。いうまでもない。
夕食のおかずは満足できても、ムスコはそのオカズにコンプレックスを得てしまった。
私は「東方キャラでオナニーすること」に、ムスコは「テリヤキチキンを食す私」に、
身体で共存する親子関係は歪になった。そして、何も知らない母は、幸せそう。
私は、あのとき以降部屋のノックに恐怖を覚えた。それは、ムスコとて同じことだろう。だが、確かなことは、ムスコは単なる身体の部位に過ぎず、ただ1人、そこに私がいる。その私は、ノックに大きな恐怖を感じるようになってしまった、ということだ。何も知らない母は、今日も部屋を叩く。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2016年03月13日 01:33